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『マリグナント 狂暴な悪夢』

【作品情報】

原題:Malignant

製作:2021年/111分/アメリカ

監督:ジェームズ・ワン

出演:アナベル・ウォーリス/マディー・ハッソン/ジョージ・ヤング

ジャンル:ホラーときどきアクション

(参考サイト:フィルマークス https://filmarks.com/)



【ざっくりあらすじ】

今から30年程前――

とある病院で、病室を抜け出して大暴れし、医師たちを殺害する「ガブリエル」と呼ばれる少年。

麻酔銃を撃ち、彼を拘束した女医はこう告げた。

「悪性腫瘍を、取り除かなければ」


そして月日は流れ、現代に。

とある街に暮らす妊婦のマディソン。

しかしハッピー感は皆無で、彼女はどこか疲れている。

それもそのはず。マディソンの夫はモラハラ兼DVクソ野郎で、おまけに過去に何度も流産していたのだ。


今日も些細な言い争いからマディソンはぶん殴られ、壁に後頭部を強打。

体調は優れないし、流血半端ないし、クソ夫は反省してるんだかしてないんだかで、部屋に閉じこもって落ち込むマディソン。


そんな夜、事件は起きた。

何者かがマディソンの家に侵入し、夫の首をコキャリと折って殺した。

異変に気付いて外へ出たマディソンも襲われ、怪我を負う。


不幸は重なり、お腹の中の子も命を落としてしまった。


マディソンの家の捜査を行っていた刑事のケイとレジーナは、妙なことに気付く。

遺体に残った手形が、全て逆向きだったのだ。

おまけに押し入った形跡もない。

ついでに、マディソンのDV被害は近所でも有名だった。


「夫の暴力に耐えかねた彼女が主犯? しかし手が逆向きなのは何故? 逆さづりで犯行に及んだのか? しかし天井に、足跡なんてないし……」

首をひねる刑事たち。


一方、なんとか退院できたマディソンは、忌まわしい事件のあった家に戻っていた。根性あり過ぎ。


一人での暮らしを始めた彼女だが、妙な出来事に見舞われる。

見知らぬ家で起きる、見知らぬ人物の殺害現場を、幻視するようになったのだ。

しかもそれは、現実に起こっていた。


その事実に気付いた彼女のスマホに、発信者不明の着信が入る。

電話の向こうから聞こえる、ひび割れた男の声に、マディソンはこう呼びかけた。

ガブリエル、と――



【登場人物】

マディソン:

物語冒頭ではDV夫に悩まされ、その後はガブリエルという殺人鬼に悩まされ続ける、男運がなさすぎるお姉さん。

8歳以前の記憶がなく、現在の家族とは血も繋がっていない。

もちろん、ここ重要です。


シドニー:

マディソンの義理の妹だけど、めっちゃ仲がいい。

女優志望で、テーマパーク的な場所で働いているのか、素っ頓狂なドレス姿で姉を見舞いに来たりする。

でも、めちゃくそいい子。


ケイ:

本名はケコアだけど、なんか覚えにくい刑事さん。可愛い系イケメン。

しかし恐ろしくガッツがある。

終盤、明らか腕を折られてるのに、ガブリエルを執念で追跡する。刑事しゅごい。

なお、シドニーと途中でいい感じになった気がするけど、そんなことはなかったぜ!


ガブリエル:

自分はマディソンの本当の家族だよ、とアピールしつつ続々人を殺していく、ヤベぇ野郎。

結構服装にこだわるタイプっぽい。あと器用。



【感想など】

冒頭はヒタヒタ迫る感じの正統派ホラーだったのに、ガブリエルがハッスルし始めてからは血みどろスリラーになり、最終的にガブリエルVS警察官のキレッキレ残酷アクションを堪能することになりました。


途中、「あれ、自分が観てるのってホラー……ではない?」ってなったけど、面白かったのでヨシ!

ガブリエルの虐殺シーン(in 警察署)がやけにカッコよく、そしてオシャレだったのは、同監督が『アクアマン』とか『ワイルドスピード』で培ったスキルが生きてたのかしら。


いやぁ、なんかカッコよすぎて、バンバン警察官が死んでもむしろ爽快でした。


こちらR-18なので、殺害シーンが一切ぼかしなしであります。

ただ、前述の通りガブリエルの動きが冴え渡ってるので、あまり痛々しさは感じません。

なんか「はい死んだー!」って、こっちも合いの手を入れたくなる死にざまが多い。


個人的には、『ミッドサマー』の方が痛かったかなぁ、と。


あとR-18ですが、エッチなシーンは皆無です。

おっぱいすら出ません。そういう意味ではとても安全。

まぁ、代わりに断面とか骨とかはよくポロリするのですが。


でももちろん、怖い・残酷だけではありません。

「マディソンの失われた過去」と「ガブリエルの正体」が、こちらの興味をぐんぐん引いてくれます。


とはいえ、ガブリエルの正体は割とすぐに分かっちゃいます。

ホラーや手塚治虫作品を好きな方だと、特にいち早くピンと来るのでは。


ただ人が死なないシーンでもテンポがいいので、真相を察しても飽きずに最後まで楽しめます。


そんなワケで、ホラーとアクションを混ぜて焼いたら、案外正統派寄りのエンタメ映画 (ただし残酷系)が出来上がった感じです。

面白かった!

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