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『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

【作品情報】

原題:Ghostbusters: Afterlife

製作:2021年/124分/アメリカ

監督:ジェイソン・ライトマン

出演:キャリー・クーン/フィン・ウルフハード/マッケナ・グレイス

ジャンル:超自然的コメディ、らしい

(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)



【ざっくりあらすじ】

真夜中の田舎町を爆走する車。

車を運転する老人は、傍らにゴーストトラップ(ゴースト捕獲装置)を置いていた。中にはゴーストが捕えらえている様子。

そのゴースト入りトラップを餌に、彼は見えない何かをおびき寄せ、捕獲しようとするも失敗し――


場面は変わって、とある街のとあるアパート。

シングルマザーの母キャリー、頼りなさげな兄トレヴァーと暮らす、科学オタクの少女フィービー。

家賃滞納によりアパートを追い出された彼らは、母の父、すなわちフィービーたちの祖父が生前住んでいた家へ引っ越すことに。


家というか、幽霊屋敷なオンボロ住宅があるのは、オクラホマ州のサマーヴィル。わー、ド田舎やねぇ。


母と疎遠で、つい先日心臓発作で急死したという祖父は、「街に一人はいる、ちょっと頭のヤバいジジイ」だったらしい。

家の中には謎の書物やら壁に書き込まれた数字、そして霊気を感知するPKEメーターがあった。


PKEメーターの示す反応を手がかりに家探しした結果、フィービーは床下に隠されていたゴーストトラップを発見する。

サマースクールで出会った友人のポッドキャストと、サマーヴィルで三十年間続く原因不明の地震について調べているゲイリー先生にそれを見せ、自分の祖父がゴーストバスターズの一員だったことを知るフィービー。


そしてゲイリー先生がいらんことした結果、ゴーストトラップに囚われていた霊を解放してしまう。


その頃、ダイナーでのバイトに精を出すトレヴァーは納屋で、ボロボロの車・ECTO-1を発見。これを修理する。


またフィービーも、PKEメーターを通じて祖父の霊に、地下の隠し部屋へと案内される。

そこにはゴーストバスターズの着ていたつなぎや、プロトンパック(ゴースト捕縛用のビームパック)が置かれていた。


孫たちが祖父の遺産を見つけ出す一方、ゴーストトラップから抜け出た霊魂は、街にある古い鉱山の遺跡に宿っていた。

そこは、1984年に起きた「マンハッタン次元亀裂事件」の舞台となったマンションを建設した、邪悪系オカルティストの故・イヴォ・シャンドアが、生前所有していた鉱山であった。


そうとは知らずにプロトンパックの試し打ちをしていたフィービーとポッドキャストは、廃工場で金属を食べるゴーストに遭遇。

免許もないのにECTO-1を乗り回していたトレヴァーも巻き込み、街中でゴーストの捕獲を試みるフィービーたち。


無事にゴーストは捕まえられたものの、車検切れの車を運転・しかも無免許・街中を破壊という3連コンボのおかげで一同、仲良く留置所へ。


留置所の電話を借りたフィービーは、とある番号をプッシュ。

それはかつて、ゴーストバスターズがテレビCMで案内していた番号だった。

電話に出た書店の主レイモンドから、フィービーは祖父の過去を知ることになる。



【登場人物】

フィービー:

丸眼鏡でモジャモジャ頭の美少女。

ゴーストバスターズの誰の孫娘なのか、ぶっちゃけビジュアルで一発解明。

いっつもモッサい格好をしているのですが、それでも隠しきれない美少女感。

常にローテンションで、自分を教える先生がおかんとデートすると知っても、割とぬるいリアクションしか取らない。クール過ぎん?


キャリー:

自分を捨てた父を恨んでいる、自称科学アレルギーのママ。

得意料理はメキシコ料理らしい。元夫はメキシコ人なのだろうか?

「酒は薬」と豪語するダメ大人っぷりを披露するものの、終盤では意外な機転の良さや状況判断力を見せる。腐ってもあの人の子だね。


トレヴァー:

年齢を詐称してダイナーで働く、フィービーの兄。

自動車免許の試験に3回落ちているし、同心円を知らないし、色々大丈夫かこいつ。

でもなんやかんやでバイト先にも馴染んでるっぽいし、初対面のポッドキャストともすぐ打ち解けてたし、コミュ力は結構あるのかもしれない。


ポッドキャスト:

本名不明のフィービーの友人。

割といらんことしがちだけど、なんか憎めない。

呼び名の通りポッドキャスト配信をしているのだが、後半に意外な人物がリスナーであることが発覚。なお配信は、46回以降は神回らしい。

今作のマシュマロまみれ担当でもある。


ゲイリー:

サマースクールの担当教師だが、やる気ゼロ。

生徒たちには延々、ド古いホラー映画 (しかもVHSの)を見せている。本来は地震学者らしい。

1984年のニューヨークのゴースト騒動ならびに、その後のマンハッタン次元亀裂事件も知っており、彼のおかげでフィービーは、ゴーストバスターズを知ることになる。



【感想など】

実のところ、あまり期待せずに行ったんですよ。

予告編とか観る限り、あまり明るい雰囲気でなさそうだし……「冴えない中年がヒーコラしながら、コミカルにお化け退治するのが『ゴーストバスターズ』ですやん」と。


実際、クスッと笑えるシーンはあったんですが、1の「破壊神が巨大マシュマロマンを召喚して襲って来る」とか、2の「粘液まみれの自由の女神像を動かして、敵の牙城をぶっ壊す」とか、リブート版の「ゴーストの大群と本気で殴り合いをする、覚悟ガンギマリ姐さんども」のような「いや、頭おかしいやろ」的なシーンはほぼなしでした。


代わって展開されるのは、周りからちょっと浮いている女の子が移住地で、同じく変わり者の友人と出会い、祖父の遺産と遺志を受け継いでゴーストに立ち向かうという、超ジュブナイルな物語。


ただ、その合間には、お馴染みにプロトンパックといった必須アイテムに始まり、さり気なくあるマシュマロマンの看板だったり、過去作と同じBGMがあったり、留置所で電話をかけるフィービーに警察官が「Who you誰を gonna call呼ぶ?」と訊いたりと、前作愛が詰まっている。

もうこの警察官の台詞聞いた時、脳汁沸騰しました。アーッ! 主題歌のワンフレーズじゃーん!

しかも、電話の相手が、もちろん彼! 分かっていらっしゃる、分かっていらっしゃるぅぅぅ!


そんな初代ゴーストバスターズたちへの愛情も、もちろんひしひしと伝わるんですよ。

いやね、イゴンさん役のハロルド・ライミスさんが亡くなられたからって、「よし、イゴンの死後に、彼の孫娘が活躍する映画を撮ろう!」となるのがすごい。

どんだけ愛されてんだよ。私も大好きだよ、イゴン。


隠してんだか隠してないんだかですが、フィービーはイゴンの孫娘です。

そしてイゴンは、サマーヴィルで有名の変人ジジイ扱いを受けていたんです。

途中まで「ひどくね!?」と思っていました。単純なので。


でも、その裏側が明かされると、一転。尊過ぎて涙が出ました。

終盤なんて、滂沱の涙ですよ。

イゴンさん、あんた……あんた……男前にも程があるのでは!?


で、ピーター含め他の初代メンバーにももちろん、見せ場が用意されています。

なんだよあの登場。泣くやん。相変わらず過ぎて笑うやん。


そんな感じで、コメディ色は弱めで、予告編で感じたとおりの結構しっとりした仕上がりですが、さすがは初代監督のご子息が監督されただけのことはある(先日逝去されたお父上のアイヴァン・ライトマンさんも、製作総指揮に携わっています。最強の布陣)。

よって私のような、懐古厨なファンの急所を的確に突いて来ます。

凄腕アサシンみたいな映画でした。


あとめっちゃ個人的には、1でディナが着ていたゴー☆ジャスなドレスは門の神の自前ということと、鍵の神に憑依されると全員もれなくアホっぽくなるという事実が知れて、そこも良かったです。

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