【作品情報】
原題:Nicky Larson et le parfum de Cupidon
製作:2018年/93分/フランス
監督:フィリップ・ラショー
出演:フィリップ・ラショー/エロディ・フォンタン/タレク・ブダリ
ジャンル:アクションコメディ
(参考サイト:映画.com https://eiga.com/)
【ざっくりあらすじ】
みんな大好き冴羽リョウ(フランス名ニッキー)とカオリ(フランス名ローラ)のコンビの元に、ドミニクなるおっさんが依頼を持って来る。
依頼内容は、「父親が発明した『嗅いだ人間を一発で惚れさせる』香水を、テロリストから守って欲しい」というものだった。
おっさんからの依頼に乗り気でないリョウだったが、ドミニクが自身に振りかけた香水を嗅がされたことで、ドミニクに惚れてしまう羽目となる。
48時間以内に解毒剤を使わないと、永遠にドミニクの虜となってしまうリョウ。
そしてタイミング悪く、そこへテロリストが急襲。
香水の入ったアタッシュケースを奪われてしまう。
更に悪いことは重なるもので、テロリスト集団もアタッシュケースを途中で取り間違えてしまい、危険な香水はジルベールというバーコードハゲのおっさんの手に渡ってしまった。
とある出来事から、香水の効力に気付いたジルベールは、大好きなモデルに会うべくモナコへ飛んだ。
それを追うリョウとカオリとテロリスト――と、香水のせいでカオリにメロメロになった、パンチョというただのおっさん。
おっさんだらけの、香水を巡る争奪戦が始まる。
【登場人物】
リョウ(ニッキー):
ご存知凄腕スイーパーにして、女の子大好きのモッコリさん。
今回はおっさんの香水を嗅いだせいで、おっさんに心を乱されている。
カオリ(ローラ):
ボーイッシュ女性。
ガサツ女性というよりも、苦労人の側面の方が今回はクローズアップされている印象。
ちゃんとハンマーも持つよ!
ドミニク:
おっさんその1。
親が作った香水をテロリストから守るため、リョウを雇う。
そしてリョウに惚れられる。これがBLか。
なお、ドミニクを好きすぎるあまり、リョウが勝手に二人の甘い想い出を捏造するシーンがオススメです。
ジルベール:
おっさんその2。
ドミニクの香水をうっかり拾い、それをガンガン活用して、次々と女性を惚れさせていく。
ついでにカルガモにも惚れられる。
また、素敵なポールダンス・テクの持ち主でもある。
パンチョ:
おっさんその3。
香水のせいで、カオリにベタ惚れ。
そしてモナコまでついて来る。すげぇ行動力。
お馬鹿ばっかりな当作において、ぶっちぎりのお馬鹿キャラ。
個人的にはすごく好きです。
【感想など】
徹頭徹尾お馬鹿な映画です。
そのお馬鹿っぷりを、全力で描いているんですよ。
爽やかな下ネタも、いい。
一方でアクションシーンはきっちりカッコいいし。
リョウとカオリの、くっつきそうでくっつかない、ジレジレ感も表現しているし。
楽しくないわけがない。
これぞエンタメ映画です。
こちらの作品、原作の大ファンである知人から超プッシュされていたので、拝見してみました。
『シティハンター』は幼い頃にちょっと観ていた程度なのですが、それでも十分楽しめました。
というか、ちゃんと原作も読みたいなと思いました。
監督・脚本・主演俺!という、個人的には大嫌いなスタンドプレイをかましてくれている、リョウ役のフィリップ・ラショーさんですが。
こんなにもしっかりとリョウを演じられたら、文句言えませんよ。
ビジュアルから立ち振る舞いまで、すごくマンガ的なんです。それで様になってるんだから、本当カッコいい。
スタンドプレイ、許す。彼とチャウ・シンチーさんは許す。
なお聞いたところによると、ラショーさんは原作の大ファンだそうで。
原作ファンが、愛情と本気を込めて映画化――理想的な実写映画作品だと思います。
デビルマンも、こうだったらええのになぁ……いや、あれはあれで好きなんですけどね、突き抜けた残念さが。