【作品情報】
原題:Scary Stories to Tell in the Dark
製作:2019年/108分/アメリカ
監督:アンドレ・ウーブレダル
出演:ゾーイ・コレッティ/マイケル・ガーザ/ガブリエル・ラッシュ
ジャンル:ホラー
(参考サイト:映画.com https://eiga.com/)
【ざっくりあらすじ】
いじめられっ子のステラ、チャック、オギーの三人は、ハロウィンの夜にいじめっ子のトミーとひと悶着を起こしてしまう。
偶然出会った青年ラモンを巻き込んで、三人は逃げ回ることに。
そして行き着いた先は、町で有名な幽霊屋敷。
約百年前、この屋敷に住んでいたサラという女性は、たくさんの子供を毒殺した挙句に自殺した、と伝えられている。
そんないわく付きの屋敷で、ステラたちは隠し部屋――というかどう見ても牢屋を発見。
もちろんそこはサラの部屋で、ステラはその部屋で「サラの本」と書かれた書物を見つけ、なんと持ち帰った。
どうかしてるぜ。
もちろんその日から、奇妙な事件が発生。
サラの本には毎晩、血文字で勝手に物語がつづられていくのだ。
そしてその物語に沿って、ハロウィンの夜に幽霊屋敷を訪れていた人たちが、一人ずつ失踪あるいは発狂していく。
果たしてステラたちは、この呪いの本の呪縛から抜け出すことが出来るのか。
【登場人物】
ステラ:
主人公。どホラーオタク。
小説家志望の模様。
この子が本を持ち帰ったばっかりに、全員とんでもない目に遭う。
ラモン:
たまたま町を訪れ、たまたまドライブシアターに来たばっかりに、ロクでもない目に巻き込まれる青年。
ナイフを隠し持っていたり、ボールペンの部品で南京錠を開けたりと、お前ただ者じゃねぇな感も漂わせている。
オギー:
ステラのマブダチその一。
幽霊に対して斜に構えた態度を取ってたばっかりに、ババアの足指を食わされるという仕打ちを受ける羽目になる。
チャック:
ステラのマブダチその二。
スパイダーマンのコスプレをしたかったのに、ただのクモっぽい何かになってしまった少年。
このコスプレ事件からも分かる通り、残念野郎担当。
彼と、間延びしたマツコデラックスみたいなお化けの追いかけっこは、怖いんだけどちょっとユーモラス。
トミー:
ホラーではかなりの頻度で登場する、チャラけたヤンキー少年。
しかしおかんには頭が上がらない模様。
犠牲者第一号なのだが、一番ひどい目に遭っている気がする。
まあ、ニワトリちゃんもいじめてたしな。しゃーない。
【感想など】
あくまで私見なのですが。
ホラー作品は、謎があるほど面白いと思うタイプなのですよ。
人智の及ばぬ存在が、何故自分を襲うのか。何故人を殺すのか。
彼あるいは彼女が生まれた契機は何なのか――
その謎を、非力な主人公たちが、こつこつと積み上げた知識で解き明かしていく展開に、とても魅力を覚えます。
代表的なのだと、『リング』とかがそんな感じですよね。
そして当作もまた、正にこのタイプでした。
とある田舎町に残る、サラという女性の伝説。
その恐ろしい容貌から、彼女は家族によって、屋敷の牢屋に閉じ込められていた。
また異常者でもあった彼女は、屋敷を訪れる子供たちに恐ろしい物語を語り掛け――そして殺していったと言われている。
果たしてこの噂は本当なのか。
牢屋に閉じ込められているのに、どうやって殺したのか。
その謎を、冴えない少年少女たちが追いかけます。
謎解き要素に加えて、ホラー映画らしく、一人また一人と彼らが消えていくので、緊迫感もありつつ。
要所要所できちんと怖がらせてくれるのも、よろしかったです。
割と、真綿でじわじわ首を絞めて来るタイプだったのも、実にナイス。
それでいて、ラストはちょっと爽やか。
希望が残る感じになっています。
後味悪いホラーも好きですが、すっきりと終わる作品もまた、よし。