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『ファーゴ(映画版)』

【作品情報】

原題:Fargo

製作:1996年/98分/アメリカ

監督:ジョエル・コーエン

出演:フランシス・マクドーマンド/ウィリアム・H・メイシー/スティーヴ・ブシェミ

ジャンル:サスペンス

(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)



【ざっくりあらすじ】

お金に困っている、入り婿っぽいジェリー。

義父や妻から軽んじられている彼は、妻の狂言誘拐を起こして義父の金を巻き上げようと、チンピラのカールとゲアに誘拐を依頼。


しかし二人は、ジェリーの想像の斜め上を行くアホだった。


無計画にジェリー宅に乱入し、無計画に妻のジーンを誘拐した二人は、逃走途中で職質をかけて来た警察官や、その現場を目撃した通行人を銃殺。

もちろん、これも無計画である。

そのくせジェリーに、「人死が出たから、取り分増やせ」と無茶ぶりをする始末。


一方ジェリーはジェリーで、被害者面して義父に身代金を相談するが、「金出したるから、俺に犯人と交渉させろ」とゴネられて困り果てる。


そんなドッタンバッタンな狂言誘拐の副産物で起きた殺人事件を追う、妊娠八か月目の警察署署長のマージ。

妊婦さんと侮るなかれ。

殺人現場で「鑑識要らないんじゃない?」レベルの捜査や推理を披露して、早々にジェリーへたどり着く。


完全に詰んだ状況だが、果たしてジェリーとアホコンビの狂言誘拐は成功するのか。



【登場人物】

ジェリー:

気の弱そうな自動車販売店の営業部長。

会社の金もちょろまかそうとしている辺り、マジで金に困ってそう。

ただ、その果てにしでかしたのが妻の狂言誘拐であるため、同情の余地ゼロ。


カール:

アホその一。

目撃者全員から「ヘンな顔」と言われる、可哀想な方。

ゲアと比べれば理性的に見えた……が。結局はどんぐりの背比べであった。


ゲア:

アホその二。

無口でちょっとイケメン風 (ミッキー・ロークさんの若かりし頃に似ている)の方。

しかし職質かけて来た警察官を問答無用で撃ち殺したり、カールよりヤバい。


マージ:

優しい画家の旦那さん(恐らく鳥好き)とラブラブの、女性警察官にして署長さん。

マージと旦那さんのやり取りは、殺伐映画の中での癒し要素。


マイク・ヤナギタ:

唐突に出て来る、マージの旧友。

唐突に出て来て唐突に闇を晒してフェードアウトするのだが、彼の存在意義についてはWikipediaをご覧ください。



【感想など】

本当に起こった事件なのか、とまんまとコーエン監督に騙されました。

あたかも実際の事件だったかのような演出をするなんて、夢にも思いませんやん。


良かった……可哀想な被害者や、加害者の息子はいないんだね……


で、内容はと言うと。

次々と無辜むこの人が死んでいく、とにかく刹那的な映画。

アホに狂言誘拐を頼んだばっかりに。

犯罪をやらかす時は、共犯者の選別の段階から慎重にしろ、という教訓ですね。いや、しないけど。


ただ、田舎が舞台なので雰囲気はゆったりまったり。雪景色も綺麗です。

途中で「犯人っぽいヤツを見たかも」と、目撃談をお巡りさんに語るバーテンダーさんなんて、まったりの最たる例。


あと、よく誰かが何かを食べている(特にマージさん)。

肉々しくて脂こってりなご飯の感じがまた、アメリカっぽくていいね。


殺伐映画なのですが、ゆったりまったり雰囲気のおかげで、こちらもあまり深刻にならずに観られるという、丁度いい塩梅の映画でした。


また、昔の映画は割と高確率で「ちょっとテンポが悪いような」と思うシーンがあるのですが、この映画では特に感じず。

登場人物の髪型等々に時代は感じるものの、コンパクトにまとまっていて、話もごちゃごちゃしておらず、非常に観やすいです。


アホどもが引き起こす、取り返しのつかない事態の行く末を、是非ご覧くださいな。

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