【作品情報】
原題:Shazam!
製作:2019年/132分/アメリカ
監督:デヴィット・F・サンドバーグ
出演:ザッカリー・リーヴァイ/マーク・ストロング/アッシャー・エンジェル
ジャンル:アクション・コメディ
(参考サイト:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/)
【ざっくりあらすじ】
1975年。サド少年は偉大な魔術師シャザムの後継者に選ばれるも、邪悪な内面を看破され、後継者の資格なしの烙印を押された。
しかし彼はシャザムが封印する、七つの大罪の名を冠する魔物たちに魅入られてしまう。
時は下って現代。幼い頃に母と離れ離れになったビリー少年は、母を探しては里親の元を大脱走する問題児だった。
巻き込まれた警察官さん、マジ可哀想。
そんな彼が次に引き取られたのは、ビリー以外に5人の里子が暮らすグループホーム。
足が不自由な同世代のフレディ少年と同室になり、彼や里子たちから交流を持たれるも、なかなか家に馴染めないビリー。
だがフレディが学校のいじめっ子コンビにいじめられている時、いじめっ子の放った「親がいないくせに」という言葉に触発され、二人に不意打ちで攻撃する。
逆上する彼らから逃げる途中、彼は魔術師の隠れ家へさらわれる。
時は数日前にさかのぼる。
魔に魅入られたまま大人になったサドが、シャザムの隠れ家を探し当てていた。そして、七つの大罪たちを奪い去っていたのだ。
シャザムは最期の力で、ビリーに自分の名と能力を受け継がせる。
そしてビリーは「シャザム!」と唱えると、ゴリマッチョなお兄さんに変身してしまうようになった。
手から電撃は出るわ、マッハで走るわ、銃弾も弾くわと、無敵のビリー。
ヒーローオタクのフレディと二人、シャザムに変身したビリーのスーパーパワーをYouTubeに上げたり、悪人を退治したり、ストリップ劇場に入り込んだりと、やりたい放題。
だが些細なことから、ビリーとフレディがすれ違ってしまう。
おまけに、うっかり力を暴発させてしまい、罪のない一般人を危険にさらしてしまうビリー。
結果として、彼らをマッチポンプ方式で救ったところをマスコミに撮られたことで、サドに居場所を知られるビリー。サドはビリーの力も奪う気満々であった。
フレディや他の里子たちを人質に取り、力を明け渡すようビリーに迫るサド。大人げない。
ビリーは力を失ってしまうのか。
そしてフレディたちはどうなってしまうのか。
【感想など】
シャザムに変身した時の、衣装のクソダサさがたまらん。
なんだよ、あの白魔導士みたいなマント!
いじめられっ子な少年がスーパーパワーを手に入れ、過ちを犯しつつも最後は正義の心で悪と立ち向かう──そんな王道的ヒーロー誕生譚かと思ったら、ちょっと違った。
母と生き別れて里親の元を転々とするビリー少年と、実の父と兄に見下されて生きて来たサド。
二人は非常に良く似ているのだ。家族運がない。めっちゃ孤独。
ヒーローとヴィランに分かれた、彼らの決定的な差はなんだったんだろうと考えれば、それは傍にいてくれる人に気付けたかどうか、という一点だけなんだと思う。
中盤、ビリーは里子仲間の助力で、実母の現在を知ることが出来た。その結末は悲しいものだったが、そこで彼は
「自分は独りじゃないんだ、心配してくれる兄弟姉妹がいるじゃないか」
と気付けた。これ大事。
好き勝手に力を使っていた少年が、家族という守るものを得、本物のヒーローになった瞬間である。
つまりヒーローコメディかと思ったら、王道ファミリーコメディでもあったのだ。
一石二鳥で美味しい仕様だ。
そしてファミリーコメディかつ、ビリーとフレディのバディものでもある。贅沢~。
二人でビールを飲むシーンの、ダサ可愛らしさよ。
なおこれは余談なのだが、シャザム役のザッカリー・リーヴァイ氏は『塔の上のラプンツェル』のフリンの中の人である。
当方、英語版の画集も取り寄せる程、『ラプンツェル』ガチ勢でござる。
……フリン、ゴツくなっちゃって。
それが素直な感想である。