【作品情報】
原題:Odd Thomas
製作:2013年/96分/アメリカ
監督:スティーブン・ソマーズ
出演:アントン・イェルチ/アディソン・ティムリン/ググ・バサ=ロー
ジャンル:ファンタジー・ミステリー
(参考サイト:映画.com https://eiga.com/)
【ざっくりあらすじ】
ダイナーで働く青年オッド。可愛い彼女ストーミーとラブラブの、ごく平凡なお兄ちゃんかと思いきや、彼には死者が見えた。
その力を使い、殺人事件に(不可抗力ながら)関わったりと、非凡な日々を送るオッド。そして、そんな彼をなんやかんやで受け入れる、ストーミーを始めとする周囲の人々。
しかし彼はある日、職場であるダイナーにてボダッハという名の、化物の大群を目にする。
彼らは凄惨な殺人現場を好んで姿を現す、死神のような存在だった。
自分の暮らす街で、何か恐ろしいことが起きるのではないかと危惧するオッド。
オッドはボダッハに群がられていた、変な髪形のオッサン(通称:キノコ男)の存在を、仲良しの警察署長へ警告する一方、自らキノコ頭を尾行。
だが、確たる証拠もつかめなかったオッド。逆にストーミーとのデート現場を、キノコ男に襲われる始末であった。
加えて友人が殺され、署長も撃たれて大怪我を負ってしまった。しかも自分も、殺人事件の容疑を着せられてしまう。
自分の行動の裏をかかれ、行動を読まれ、追い詰められるオッド。
それを持ち前の破天荒さで乗り切りながら、彼はキノコ男の家で入手した「15日に何かが起こる」という、小さなヒントを頼りに孤軍奮闘する。
果たしてオッドは、自分の街と、そこに暮らす人々を救うことが出来るのか。
【感想など】
とにかくオッドが、名前の通り奇妙なキャラクター。
幽霊が見える割に周囲から白眼視されているわけでもなく、可愛い(マジで可愛い)彼女はいるし、警察署長さんとはマブダチだし、他にも女友達が結構いる。
リア充じゃねぇか、羨ましい。
そして物静かそうな見た目に反し、冒頭からなかなかバイオレンス。
殺人鬼とはいえ、逃げる相手は容赦なくボコる。
おまけに不法侵入はするし、遺体遺棄も慣れたものである。
リア充でフリーダム。人生楽しそうである。
それでも彼の行動原理が、哀れな死者の代弁だったり、愛しいストーミーのためだったりするもんだから、なんとも憎めない。
また出て来る幽霊も、哀愁六割:ユーモラス四割。
タイヤ屋さんに住み着いてる彼、愉快だったな。
そんな、呑気な彼らが事件に関わるものだから、大量殺人事件が間近に近づいているにもかかわらず、常々シュールなのだ。
だが最後は、大号泣ものだった。
終盤、必死こいてあがくオッドの姿を観ていたからこそ、その切ないラストに涙が止まらなかった。
切なさ満点だが、観終わって爽やかな気持ちになるのはきっと、オッドが死者の存在も死後の世界も、前向きに捉えているからだろう。