「んっ、中の締めつけはキツいですけど、だいぶほぐれてきたみたいですね……。もう痛みは感じませんか?」
「ん……、あぁっ♡ んぁっ♡ ……痛くはない……かな。まだちょっとキツいけど……気持ちいい……っ♡ 中がキュウキュウいってる……」
蜜穴の内壁が彼の三本の指にこすられて、クプクプと空気がかき混ぜられる音もして、頭の中は未知の感覚に支配されていた。
「……あっ! あぁっ! あ……もう……なんか……おかしくなる……っ!」
挿入されていたのは指だけなのに、すでにナカを彼の分身に
「あ……っ、も……もう……イっちゃう……っ!」
「達ってもいいですよ、絢乃さん。その方が後から楽になりますからね」
「う……っ、あぁぁ~~……っ!」
意識が飛んだ後、彼のベッドの上にブシャッと潮が噴き出した。幸い、彼が機転を利かせてバスタオルを敷いておいてくれたので、シーツは汚さずに済んだけれど。
「……貢、そろそろイイよ……?」
乱れた呼吸が落ち着いてきた頃、わたしは彼に挿入を許可……というか所望した。
「はい。……ちょっと待って下さいね」
彼は避妊具を装着しようとしていたけれど、わたしの視線があるためにためらっているようだった。
「あ……、わたし、あっち向いてるから」
わたしは彼の反対側へゴロンと寝返った。全裸なので彼へお尻を向けることになるけれど、まさか初めての交わりがバックからなんてことは……ないか。
「……もういいですよ。仰向けになって脚を開いて下さい」
「うん。……あぁっ♡」
ゴムを被り、ピンと勃った彼のモノがクプッと音を立てて蜜穴に
「じゃあ腰、動かしますけど。痛かったら言って下さいね」
「うん。……あ……っ、ぁあっ♡」
彼はいきなり大きく動かすようなことはせず、最初は内部をなじませるように小さくゆっくりと動いた。それだけでもパチュッ、クチュッと小さく湿った音がした。それだけ、わたしの内部が潤んでいたということだ。
「なじんできたら、奥までいきますね。まだしばらくこうしてますから」
「ん……。あぁ……っ、ぁあ……っ♡ ん……あっ!」
腰の動きが徐々に大きくなっていき、彼のモノの先端でグリグリと狭い洞穴の内壁が広げられていく感じがした。
「脚、もうちょっと開けますか? その方が楽だと思うので」
「ん……、こう?」
わたしは彼に言われるまま、あられもない体勢になっていく。上体を起こせば彼との接合部分が見えそうだ。
彼はわたしが股を大きく開いたことで、繋がりをより深くした。グププ……と音がして、彼の分身が最奥部まで貫かれたことを知る。
「……ふぁ……っ! こ……こんな奥まで……? あぁっ! んぁっ! ん……イタっ!」
「痛いですか? ここでやめます?」
痛がるわたしに、彼が気遣わしげに訊ねた。でも、わたしはやめたくなかった。彼と繋がれた悦びを、こんな中途半端に手放したくなかった。
「ん……っ! ううん、大丈夫だから……続けて……っ!」
わたしはイヤイヤと首を横に振って、続行を望んだ。
「……はい」
彼は中断していた腰の動きを再開した。わたしもしばらくは歯を食いしばりながら痛みに耐えていたけれど、三本の指でされていた時のように徐々にナカがなじんでいく感じがして、気がついたら自分でも腰を揺らしていた。
すると彼も気持ちよくなってくれたのか、「うっ」とか「うぅっ」とか声を上げるようになった。男の人も、エッチの時に声を漏らすんだ……。
「ん……んっ、あぁっ♡ ふぁ……んっ♡ ……ねぇ、貴方に……お願いがあるの……」
「うぅ……っ、お願い……ですか?」
「うん。……あっ、ぁあっ♡ ……今、こうしてる間だけでいいの。わたしの名前、呼び捨てにして、タメ語になって……。お願い」
これって多分無茶振りだよなぁとわたし自身では思っていたけれど、彼は従順に、ためらいながらもお願いを聞いてくれた。
「……絢乃、気持ちいい?」
わたしの耳元に口を近づけ、彼は喘ぎながらそう訊いた。わたしはキュンとなって、うっとりと答えた。
「……あっ♡ うん、気持ちいいよ……。ぁあっ♡」
……ズチュッ、ブチュッ。お互いの粘膜が重なった部分からは、淫らな水音がずっとリズミカルに聞こえてくる。体勢的に、わたしのもっとも敏感な赤い芽にも彼の大きくなった突起がこすれていて、またぷっくりと膨らんできていたのが分かった。
「……んぁっ、あっ♡ ……ねえ、こっちも……手で触ってほしいな……。わたしの……クリ……っ」
わたしは右手で彼の背中にしがみついたまま、左手で彼の右手をつかみ、プルンと勃っていたわたしの肉芽へ引き寄せた。
彼は接合部からとめどなく溢れていた蜜を指にまとわせ、芽を指先でグリグリと押し潰した。
「……んぁああっ♡ ……あぁっ♡ ……ぁあ……イイよ……、イイ……っ♡ ……あぁ……っ!」
洞穴と芽の部分へ同時に刺激を与えられ、わたしはこの夜三度目に軽く達した。
でも、まだ行為は終わっていない。わたしばかりが何度イっても、彼がイってくれないと終われないのだ。だからそれまで、最後に彼も一緒に果てるまで、彼のモノには出ていってほしくなかった。
それからもしばらく彼の律動は続けられたけれど、彼のモノが大きくなったのかだんだん内壁がキツくなってきた。わたしも目の前がチカチカしてきたので、そろそろ二人とも絶頂が近いのかもしれないと感じた。
「……うぅ…っ! 絢乃さん……、僕はもう……っ」
「……あ……っ、ぁあ……っ♡ あぁ……っ、わたしも……っ」
やがて二人とも呼吸が荒くなり、一度見つめ合った後――。
「……あっ、あぁぁーー……っ!」
「……う……っ!」
わたしの意識が飛び、ズチュンと彼の熱い精がゴムの中で放出されるのを感じた。
* * * *
「――絢乃さん、部屋の暖房入れときましたから」
「ありがと。でもさすがに全裸じゃ寒いよ」
初めての行為の後、体の火照りが治まるとさすがに冷えてきたので、彼がエアコンの電源をオンにしてくれた。わたしはフルヌードの上から毛布を被っていたけれど、まだ微かに熱の残る下半身はともかく上半身は凍えるほどだった。
「寒いなら、もう一度温めて差し上げましょうか?」
彼が意味深に熱っぽく見つめてきて、わたしの肌へ手を伸ばそうとした。もしかして、もう一度するつもり? あれ一回だけでは物足りなかったのかな?
「……気分が乗ったらね」
わたしもそれはそれで構わなかったけれど、まだ一度結ばれた余韻に浸っていたかった。
「っていうか、わたしだけ全裸にする意味あったの? 貢は上半身、服着たままだったよね」
「それはまぁ、その……。絢乃さんの全身を隅から隅までちゃんと見たかったというのもありまして」
「何それ、やーらしー。貢のヘンタイ」
彼の中にあったスケベ心を知って、わたしは顔を膨らませた。それでもわたしは、彼のことをキライになれないのだ。
「――去年のイブは雪降ってたよね。今年は……降らなかったなぁ」
「そうですね……。あの時、絢乃さんと握手をして、あなたの手が冷えてたこと、よく憶えてます」
一年前のあの夜、わたしは彼から秘書室へ異動したことを聞かされた。「絢乃さんを支えたい」と、彼の並々ならぬ決意を知ったのだ。
「僕はあの夜、あなたのお父さまと約束したんです。生涯のパートナーとして、あなたをお守りしていくと。まさかこんなに早く、その約束が果たせるとは思ってませんでしたけど」
「そうだね。でも、わたしたちはさ、遅かれ早かれこうして結ばれる運命だったんだから」
思えば、初めて会った時からわたしは彼に何か運命的なものを感じていたのだ。それはきっと、彼の方も同じだったはず。……わたしはそう信じたい。
「――じゃあ、シャワー浴び直してこようかな。体冷えちゃってるし」
わたしはスルリとベッドから抜け出し、再びユニットバスへ行こうとしたけれど、そこでふと里歩が電話で言っていたことを思い出した。
「……ねぇ貢、〝シャワープレイ〟って分かる? 多分、シャワーを浴びながらエッチすることだと思うんだけど」
「ええまぁ、分からなくはないです……けど。どうしたんですか、急に」
「いや、二ヶ月近く前に里歩がそんな話してたから、何となく」
あの話を聞いた時から興味はあった。そしてわたしも彼とやってみたくなったのだ。
「……ねぇ、今からやってみない? 貴方さえイヤじゃなかったら」
「イヤじゃないですよ。やりましょう」
というわけで、まだ初エッチの熱も冷めやらぬ中、彼も裸になり、わたしたちは二人でユニットバスへなだれ込んだのだった。
彼の裸身を見るのは初めてだったけれど、ギリシャ彫刻のように程よくマッチョで惚れ惚れした。……ん? 待って。どうしてもうソコ、勃っちゃってるの? もしかして、わたしのヌードだけで興奮しちゃってる? さっきも見てたじゃない。
「……すみません。あのー、心配なさらなくてもナカでは
「気遣いありがと。貴方も体洗いなよ」
それはともかく、わたしは手で泡立てたボディソープで全身――主にぐちょぐちょになっていた秘部をキレイに洗った。その後ろで、彼も同じようにアソコなどをキレイにしているようだった。
交わりを終えて間もない秘部はまだ過敏に反応して、すぐに小さな突起が赤く熟してしまい、手が当たっただけで「あん……っ」と小さな声が漏れた。
「……あっ、……ぁあん♡ んぁ……っ♡ あぁ……、もう……」
「……なんか、洗いながら感じてるところってエロいですね。
「……元カノさんのことなんか思い出さないで」
美咲さんというのは、彼を女性不信にした張本人だ。どこかの御曹司だという本命の彼氏がいながら、彼と二股をかけていた小悪魔だったらしい。彼女はその後結婚してまんまと貢を捨てたけれど、この年の夏に離婚して彼に復縁を迫ったらしい。彼はキッパリ断ったそうだけれど。
「……すみません。実は、彼女とこういうのやったことがあって。そろそろシャワー出しますね。絢乃さん、バスタブの縁に、脚を開いて腰かけて下さい。落ちないようにフタはしてあるので」
「……こう?」
ウチのバスルームでもやったことがあるので、わたしはすぐに理解して言われたとおりに腰かけた。けっこう広く脚を開いたので、前に回り込んだ彼からはわたしの秘められた部分が丸見えだったと思う。
「じゃあ、シャワーのお湯を当てますね。気持ちよかったら声を出してくれて構いませんから」
彼は蛇口をひねり、お湯の温度と勢いを調節して左手に持ったシャワーヘッドを泡でニュルニュルしたわたしの秘部に当てた。熱めのお湯がいちばん敏感な先端を直撃し、わたしの体がビクンと跳ねた。
「……あぁっ♡ ……あっ、あん♡ ぁあんっ♡」
彼は自分とわたしの体の泡を流しつつ、執拗に敏感な部分を湯攻めにした。それだけじゃなく、右手の指二本で奥の洞穴もジュボジュボと攻め立てた。
「……あぁんっ、ぁあっ♡ 自分でやってた時も……よかったけどっ、やっぱりこれイイ……っ♡ ぁあんっ♡」
わたしはバスタブの縁に座ったまま、トロンととろけた表情で反り返り、彼の動きに合わせて体を揺すった。
「はぁ……んっ、ぁあっ♡ あ……ぁっ、ぁ……、イ……くっ! あぁぁー……っ!」
……ブシャッ! 一度目の前に火花を飛ばし、この夜二度目の潮を噴いた。
その後もわたしの奥はまだヒクヒクと疼いていて、挿入ってくるものを求めてうねっていた。洗った後なのに、中からはお湯だか蜜だか分からない液体がトロトロとこぼれていて――。
「……あっ!? ……ん、ちょっと……! あぁっ♡」
何だか脚の間がモゾモゾするなと思って見下ろすと、彼がわたしの前にひざまずき、剥き出しになった赤く熟した果実に舌先を這わせ、せっせと液体をなめ取っていた。
彼がこうしてソコをなめていたのかと不思議な気持ちになり、ほんの少し前に達ったばかりだったので彼の舌使いだけでわたしの体は過敏に反応した。
「……はぁん♡ ぁあっ、あ……ぁん♡ あ……また……で……出ちゃうっ! ……あぁーー……っ!」
……ブシャーッ! 目の前がチカチカし、今度は彼の顔めがけて、盛大に潮を噴いてしまった。
「あ……、ゴメン! わざとじゃないから」
「……いえ。そろそろ僕も限界なんですけど、コイツ……挿れてもいいですか?」
彼は剥き出しのソレを手でつかみ、わたしに
「…………うん、いいよ。わたしも欲しい、ココに」
わたしは自分の指先でヒクヒクする洞穴の入り口をクパッと広げた。
「じゃあ……僕がそこに脚を開いて座るので、絢乃さんはその上から後ろ向きに乗ってきて下さい。コイツがソコに収まる角度で」
「……? うん……」
なかなかに高度な要求。でも、わたしは彼の望んだとおりにしてみた。腰を下ろす時、彼がわたしの腰を持って誘導してくれたのでどうにかうまく収まったと思う。
今まで知らなかった角度で、彼のモノはわたしの洞穴の中にズチュンと入ってきた。体位でいえば、背面座位っていうのか……。二回目にしていきなり後ろからとか、ちょっと恥ずかしい。
彼は背後から左手を伸ばしてわたしの秘部をカパッと開き、完全に顔を出した赤い粒に打たせ湯モードにしたシャワーのお湯を直射し、左手の指でもソコをクニクニと弄りながら下から洞穴をズブズブと攻めてきた。
「……あっ! あっ! ぁあっ! あん! あ……もう……っ! ぅあぁぁぁぁ……っっ!」
未知の角度から突き上げられ、核の部分をダブルで攻められたわたしは、一気に達した。
そして、彼のシンボルもわたしのナカでミチミチと質量を増していて、彼も苦しそうに呻いていた。
「……ねえ、ナカで出してもいいよ? わたし、先週生理が終わったばっかりで今は安全だから……」
「はい、……んっ! じゃあ……失礼して……っ」
「あぁ、熱い……! あぁん!」
……ズピュッ! 彼の熱い精が、わたしの内壁を穿ったのを確かに感じた。
――こうして去年の聖なる夜に、わたしはオトナの階段を駆け足で上がったのでした。
ちなみにこの日、シャワープレイでナカ出しされたけれど、妊娠することはなく。この半年後にわたしは彼と結婚することになりました♡
E N D