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オトナの恋愛を教えて。 ①

 ――そして、作戦決行の日。

 わたしはセクシーなシースルーのミニワンピースにレザージャケットという格好に着替え、いつもより大人っぽいメイクをした。

 そして、この日のためだけに購入しておいたセクシー系のコロンをつけて家を出た。


「――あら、絢乃。そんな格好でどこに行くの?」


「貢を苦しめてる人と対決しに。大丈夫、危ないことはしないから」


 玄関で呼び止めた母に、わたしはそう告げた。

 まぁ、母が驚いたのもムリはないだろう。わたしがこんな服装で出かけることなんて、貢と付き合い始めてからだって一度もなかったから。でもこれって、どこからどう見ても売春しに行くようにしか見えないかも。


 とはいえ、これは服装だけそう見せているだけで、小坂さんに抱かれたいなんて一ミリも思うはずがなかった。わたしのバージンを奪ってほしいのは、愛する貢たった一人だけだったから。



   * * * *



 小坂さんは見事、わたしたちの作戦に引っかかってくれ、そのうえわたしを誘惑しようとした。でも、そんなのにホイホイ乗っかるわたしじゃない。彼につらい思いをさせた男になびくほど、わたしは軽い女じゃないのだ。

 小坂リョウジはこれで、俳優としても人間としても再起不能になっただろう。


 作戦は無事に成功したけれど、その現場に貢も来ていたことには驚いた。どうやら、内田さんたちが呼んでいたらしいのだけれど……。


 彼からはその日、プロポーズ返しをしてもらい、わたしたちは晴れて婚約関係となった。

 だとしたらもう、体の関係になってもおかしくないはず。ただ、わたしはまだ高校生だったから避妊は必要だったけれど。


「……ねえ、貢」


「はい? 何でしょうか」


「わたしにオトナの恋愛を教えてほしい。貴方の手で、わたしをオトナにして」


 彼の愛車の後部座席で、わたしは彼にお願いした。

 ここはわたしの家のカーポート。長くクルマを停めておいても問題はなかった。


「……それって、ちゃんと意味分かってておっしゃってるんですか? 覚悟はできてらっしゃるんですね?」


「うん」


 戸惑ったように問いかける彼の目をまっすぐ見て、わたしは大きく頷いた。


「だから、わたしにオトナの恋愛を教えて」


 もう一度ゆっくり言うと、彼がわたしの唇を塞いだ。わたしもそれを受け入れたけれど――。このキスは、この日の一時間ほど前にしてくれた、いつもどおりの優しいキスとは違っていた。


「……んっ、んんーっ……」


 わたしの唇をこじ開けながら、彼の舌が割り込んでくる。わたしもそれに応じ、舌を絡ませた。

 こんなに濃厚なキス、初めてだ。小説やコミックなどで、こういうキスもあるんだと知識としては知っていたけれど、自分がするとこんな感じなんだなぁ、とフワフワした不思議な気持ちになった。


 それと同時に、何だか秘部がムズムズと疼いてきて、そこが潤んでくるのを感じた。


「……ん……っ!? ちょっと……ぉ」


 キスが止んだと思ったら、彼の手がわたしのワンピースの裾をまくり上げ、下着の上から濡れたソコを指でなぞり始めた。


「あ……っ、そこは……」


「……濡れてますね。さっきのキスでこうなったんですか?」


「……ん……、意地悪。……あぁっ」


 口ではそう言っても、体は確かに感じていて、布越しに弄られているのがもどかしかった。早く、下着の中に入ってきてほしい。


「……ねぇ、布越しじゃイヤ。直接触れてほしい」


「……はい」


 彼が頷き、わたしの待ち焦がれていた瞬間が来た。彼の手が、ついに布の中へ滑り込んできたのだ。

 わたしのより少し太くて長い指が、割れ目の中に侵入してきた。そして、もっとも感じやすい雌芯を指先で転がされて――。


「……あぁ……っ! ぁあ……っ♡」


 思わず腰が跳ねた。自分の指でもさんざん弄ってきた部分だけれど、男の人の指だと得られる快感は全然違った。

 手マンされただけで、こんなに気持ちよくなるなんて……。


「……ぁあ……っ、あぁ……っ♡ わたし、今まで自分でこういうことしてたの……。貢も気づいてたと思うけど……」


「ええ、気づいてました。でも、僕は別に何とも思いませんよ。むしろ、他の男をあてにしないでご自身で解消されていてよかったと思ってます」


「え……? ん……っ、あぁ……っ♡ だって……、わたしには貢しかいないもん……っ。当たり前でしょ……?」


 彼の指がどんどん奥の方へと進んでくるのが分かり、蜜が溢れてきた。彼の手の動きに合わせて、ソコからはジュブジュブと湿った音がしてくる。

 そして、彼の長い指がついに蜜壺を探し当てた。ここからはわたしの指では届かない、未知の領域だ。


「……あ……ぁっ♡ 入った……」


 クプッと音がして、彼の人差し指と中指がわたしの蜜壺に挿入された。


「指、動かしますね。痛かったら言って下さい」


「うん……、あぁっ♡ あ……んっ!」


 彼が指でグリグリと掻き乱し、ズブズブと抜き挿しするだけで、中がうねり出す。そのたびにまた新たな蜜が溢れ出してきて、淫らな音も強くなっていった。


「……あぁ……あっ! それ……ダメ……っ! あぁっ! もう……」


 彼が蜜をたっぷりまとわせた指先で、再び先端をグリグリもてあそんだ。その刺激があまりにも強すぎて、わたしは彼の手マンだけで絶頂を迎えそうだった。


「絢乃さん、きそう……ですか?」


 そんなこと、いちいち訊かなくても見れば分かるはずなのに、わざわざ訊いてくる貢はやっぱりちょっと意地悪で。でもキライになれない。


「もう……イく……っ! ……あぁ…………っ!」


 彼の目の前で初めて絶頂を迎え、心臓がドクドクと速く脈打っていた。

 わたしの最奥部はまだ挿入を求めるようにうねっていて、また新たな蜜が溢れだしていた。

 早く続きをしてほしいのに、彼は蜜壺から指を抜き出したきり動かない。それどころか「もうおしまい」というように、クルマに積んであったボックスティッシュで指にまとわりついていた蜜をキレイに拭っていた。


「……あれ? 貢、続きは? ……あぁっ」


 そして、続きを求めるわたしにはお構いなしに、下着を横にずらして蜜まみれになっていたわたしの秘部もキレイに拭い始めた。こんな時でさえ、わたしの口からは小さな声が漏れてしまった。


「これ以上進むと僕の理性がもたないので、今日はここまででカンベンして下さい」


「……えっ? そんな……、お預けなんて」


 彼の股間は明らかに膨らんでいて、彼の分身はあの中でっているはずなのに。彼だって本当は続きがしたいはずなのに、どうして……。


「まだ、僕の心の準備ができてないんです。あなたに気持ちよくなってもらうのはやぶさかではないですが、今日は生憎避妊具を持ち合わせていないので。すみません。……手や舌でならいくらでも気持ちよくして差し上げますけど」


 そう言って、彼はわたしのショーツを完全に脱がせ、また脚を開かせた。そのままわたしの前にしゃがみ込むと、わたしの秘部に顔を近づけた。

 舌を伸ばした彼はわたしの濡れた肉芽を舌先でなめ始めた。

 ココをなめられるのは初めてだ。汚いからとためらう気持ちと、こんなところを彼に間近で見つめられる恥ずかしさで、それまでに感じたことのなかった興奮をおぼえた。


「……あぁっ♡ イヤ……、そんなところ……なめられたら……っ! ぁあ……っ!」


 わたしが拒もうとしても、彼の舌の動きは止まらない。苦しそうに時々顔をしかめつつ、レロレロと蜜で汚れた花びらの間をなめ進んでいく。

 でも、「イヤ」と言うわりに、その感触はイヤでもなくむしろ新鮮で気持ちよかった。


「……あっ、貴方はいいの? 今のその状態って、相当苦しいはずでしょ?」


「僕の方はどうにでもなりますから。……ただ、避妊せずに交わって万が一あなたを妊娠させてしまったら、僕は絶対に後悔すると思うんです」


 なめるのを一時中断して、彼はそう答えた。自分が気持ちよくなることよりも、わたしのことを考えてくれているんだと思うと、彼のことをますます好きになっていくのを感じた。

 中断していないで、早く続きをしてほしい。


「……ねぇ、分かったから。早く続きして……っ」


 わたしは手を伸ばして彼の後頭部を押さえ、自分の恥部へとグイッと近づけた。思えば、こんなに大胆な行動に出たのも初めてだ。


 彼は舌の動きを再開した。花びらの間をさまよわせた後、蜜穴の入り口に到達した舌は、ジュボジュボと音を立てながら穴の中と外へと往復していく。


「……あぁっ♡ はぁ……んっ! あん……っ! それ……イイっ♡」


 自分の手では得られなかった未知の快感に、わたしの腰がまた跳ねた。彼がこんなプレイを好んでいたなんて。わたしに出会うまでの間、何人の女性をこんなふうにとろかせてきたんだろう?


「絢乃さんの声……、こんな時でも可愛いんですね。もっと聞きたくなります」


「え……? は……ぁん! そこ……刺激が……っ! ぁあ……んっ♡」


 彼は尖らせた舌先で、サヤが剥けて剥き出しになった赤い玉を転がすように何度もなめた。刺激を与えられるたびにわたしの腰はビクンビクンと何度も跳ね、だんだん意識がぼうっとなってきた。

 そして、彼が玉に歯を立てた瞬間――。


「……あぁぁーーー……っ!」


 わたしはこの日二度目にイき、彼の愛車のシートの上に潮を噴いてしまった。


「はぁっ、はぁ……っ。ゴメン……、シート汚れちゃったかも」


「僕が拭いておくから大丈夫ですよ。気にしないで下さい。……でも、絢乃さんも潮を噴く体質だったなんて知りませんでした」


 彼はそう言いながら、また蜜まみれになったわたしの秘部を大事そうにティッシュで拭ってくれた。今度はもう感じない。


「ホントは……、ちゃんと僕のコレで気持ちよく潮を噴いてほしいんですけど。それはもう少し待っていて下さいね」


「コレ」と言いながら、彼は自分の股間を押さえていた。


「うん。でも、これだけでもわたし、ちょっとだけオトナの恋愛っていうのが分かった気がする」


 不完全燃焼ながら、ある程度は快感を得られたわたしは脱がされていたショーツを穿き直したのだった。


 この日はそのまま彼のクルマを降り、彼と別れた。

 自分の部屋に戻ると、夕食まではまだ時間があったので、バスタオルと着替えを用意してシャワーを浴びた。


「『もう少し待って』って、あとどれくらいお預けを食らえばいいんだろう……? まぁ、手と舌でしてもらえただけでも気持ちよかったけど」


 パンパンに膨らんだ彼の股間を思い出すと、切なくなった。

 早く、わたしがアレをどうにかしてあげたい、と。


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