目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
星の旅人
朱宮あめ
恋愛現代恋愛
2024年07月23日
公開日
30,244文字
完結
卒業を控えた病気の少女が迷い込んだのは、不思議なエレベーター。
そこには、自身によく似たセーラー服の少女がいた。

エレベーターはぐんぐんと空の彼方へ。

辿り着いたのは、星が瞬き、花が光る不思議な世界。
銀河の川床では、時間も、人も、想いも、すべてが混ざり合っていた……。

第1話

 空の向こう、どこまでも続く宇宙にはすべてのものがあるのだと、あの子は言った。

 時間は、流れてなどいない。魂は消えない。

 光って、落ちて、昇って、溶け合う。そうやって、ただぐるぐると星の海を巡っている。

 星屑の一つである自分たちは、たまに空から落っこちて、地上でほんのひとときぱっと灯って消えて、そしてまた宇宙の星屑に戻るのだと。

 そう言ったあの子は今、空の向こうで銀砂のひと粒として煌めいている。

コメント(0)
この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?