「……どういうこと、ですか?」
翌朝登校した私達を待ち構えていたのは、警察から来た黒い馬車と、悪い報せだった。
昨日はあれから、私の血を満喫した先輩を寝かしつけ、その足でクリスの家へ。
お昼をご馳走になり、その後二人で街にショピングに出かけ、夕方彼女と街で別れた。
……そして親友はどこかへ消えてしまった。
警察から戻った私は、先輩に付き添われて早退した。
彼から私の両親に事件の一部始終を報告すると、心配した両親に言われるまま、自分の部屋で先輩とお話しすることにしたの。
娘が落ち着くまで側にいてやってくれ、と言われて。
彼は出されたお茶には手をつけず、
「
『被害者が全員金髪』という事実は、捜査の必要上報道出来なかった、と警察で説明された。
「シリアルキラーとはね、連続殺人犯の一種で、同じ手口で殺したり同じ特徴を持った人を狙ったりする犯罪者のことなんだ」
「私がクリスを買い物に誘ったばかりに……」
「悪いのは君じゃない。悪いのは、犯人だ」
彼は険しい表情でそう言うと、どこかに潜む犯罪者を射貫くように、遠くを見つめた。
「私、犯人探す。金髪じゃないから平気だし」
「ダメだ! 被害者がたまたま金髪なだけかもしれないだろ? そんなの絶対許さない!」
「だって、私にも責任あるもん!」
「ダ・メ・だ! 絶対、ダメだ!」
彼が苛立たしげに伊達眼鏡をむしり取り、テーブルの上に放り出した。そして、私を睨みつけたまま、私の顎をぐいっと掴み上げ、
「……もう、二度と失いたくないから」
低く呻くと、乱暴に私の唇を奪った。