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第237話 説得



 ぐっと、その場で足に力を込めて、私は前を真っ直ぐに見据えた。


 熊さん達は、私達の人数が増えたこともあってか。

 今もなお、興奮状態にあって、決して良好な状態とは言い切れない。


 それでも私達と一番最初に遭遇した時に比べれば、今はその動きも大分ゆっくりになってきているように感じるし。


 セオドアやお兄さまがここまで一生懸命に奮闘してくれたお蔭で。


 涎を垂らしながら、身体全体を使って呼吸をしていることからも、息切れや、疲れなんかも見え隠れしているように思う。


 隙があるのだとしたら、きっと今のタイミングだろう。


 ……野生生物に、どこまで『自分たちが戦う意思がないのだ』と伝える言葉が、通用するのか分からないけれど。


 ちゃんとした栄養を取って貰って、洞窟内で縄張りにしている巣があるのなら、帰ってもらえた方がきっといいと思う。


 アルと一瞬だけ、視線を交わし合う。


 私の目を見て、頷いてくれるアルの姿に。


 まるで……。


【どこまで出来るかは分からないが、お前の思うようにやってみていい。……守りなら、僕に任せろ】


 と、言ってくれているみたいで……。


 決して『私、一人で彼らを説得するために立ち向かう訳じゃない』と、安心感を持つことが出来る。


「……お前達、今すぐ熊から一度距離を取って、一先ず、退いてくれっ!」


 その様子を見て、お兄さまが、未だ熊たちと戦ってくれているみんなに向かって声をかけてくれた。


 瞬間、一番最初に動いてくれたのはセオドアで、バッと、後ろに飛ぶように後退してくれた後で、此方の方へと視線を向けてくれる。


「……っ、オイ、どういう意味だ……?」


 そうして、セオドアが私達に声をかけてくれた瞬間。


「……ッ! 皇太子様、ソイツは一体……っ!?」


 熊たちに向かって、戦いの構えを崩すことはせずに、間合いを取りながら。


 ちらりと、後ろを振り返ってくれながらも、ヒューゴやギルドの職員さん達もその後に続いてくれる。


「……アリス、準備はいいかっ?」


「うん、大丈夫……っ!」


 大量に用意していた食料、全てを持って熊さんたちに向かって差し出すことは出来ない。


 私が持てる量には、どうしても限度がある。


 だから、今自分が持てるだけのお団子が入っている袋をローブのポケットに入れていた私は。


 袋ごとそれを手に掴んで、アルのかけ声と共に、自然、力が入っていた自分の足で地面を蹴って、目の前でうなっている熊さん達の方へと向かっていく。


 その横を併走するように、お兄さまが付いて来てくれているのは分かった。


 多分、きっと、私達に何かあったら、で。


「……っ、オイ、どういうことだっ!? 姫さん、アルフレッド……っ、何かっ、するつもりなのか……っ!?」


「っ、……うんっ! セオドア、っ! お願いっ! 今は、っ……私のことを信じて欲しいっ……!」


 その際、私がアルと一緒に熊さん達に向かって駆けだして、前へと足を進めたことで、セオドアの驚いたような視線と瞬間的に、交差する。


 私達が熊たちのいる前線に向かって走り出したことに


【どういうことだ……?】


 ……と。


 アルと私に向かって、一瞬だけ困惑するような視線を向けてくれたセオドアに、今はきっちりとした説明が出来ないのがもどかしいのだけど。


 私がそう言うと、セオドアは直ぐに了承してくれたんだと、思う。


 “何が起きている”のか、“私達が何をしようとしているのか”までは、把握をしきれないまでも。


 右側にお兄さまが付いて併走してくれているのと同様に、セオドアも剣を抜いた状態で、速度を合わせて私達の左側を走って付いて来てくれる。


 それから、少し経って……。


 後ろから私に懐いてくれていた熊さんが走って、私達に付いて来てくれていることも確認しながら。


 私は、どう見ても、その瞳が怒っていて、いきり立っている様子の熊たちの手前、お兄さまが“前線”と言っていた……。


 熊たちから、かなり近い距離まで間合いを詰めて、殴りかかられてしまえば、怪我をしてしまうであろう距離までアルと一緒に来ることが出来た。


 何かあれば、きっとアルも、この場で魔法を使ってくれるつもりで、私の隣にいてくれる。


 それは、であって、決して目の前にいる熊さん達を傷つけるものじゃない。


 そのことを、本当に心強く思いながら……。


 私はここまで付いて来てくれたお兄さまと、セオドアへと、交互に視線を向けて。


「お願い、二人とも、武器を降ろして欲しいの……っ!」


 と、声をあげる。


 二人とも、驚いた様子で私のことを一瞬だけ見てくれたけれど。


 一番最初に動いてくれたのは、セオドアで。


 状況を見て、目の前、かなり至近距離にまで近づいた熊と私の位置を確認しながらも。


 ギリっと、一瞬だけ躊躇ったように、剣を一度強く握ったものの。


 私の真っ直ぐな視線に降参したように、その剣を鞘に納めてくれた。


 それを見て、目を見開いた後で、お兄さまもグッと息を呑み、カチャリという音を立てて、持っていた剣を鞘に収納してくれる。


 先ほどまで、自分たちに向かって積極的に攻撃はしてこないものの。


 武器を向けていた人間が揃ってその矛を収めたことから、戸惑った様子なのが熊たちからも伝わってくるのを感じながらも……。


 それでも、何かあれば直ぐにでも此方に向かって攻撃してくるくらいの警戒心を未だに持ちあわせている熊たちに向かって、私は一度大きく、深呼吸をして……。


【大丈夫。アルも何かあれば、傍で私のことを守ろうとしてくれているし、……私は決して一人じゃない。

 落ち着いて……。今なら、彼らにきちんとした言葉を伝えることが出来るはず……】


 と、心の中で自分に言い聞かせながら……。


 顔を上げたあと、私は持っていた袋から一つ、お団子を取り出したあとで。


 自分の手のひらにお団子をのせてから、目の前に掲げ。


 一番、体格のいい熊の方へと真っ直ぐに視線を向ける。


「……っ、あ、あのねっ、熊さん達に聞いて欲しいことがあるのっ!

 ……私達は、……っ!

 人間達の勝手で、冬眠している所を起こしてしまって、本当にごめんねっ……!

 きっと、凄くびっくりしてしまったと思う。……だけど、私達はあなたたちのことを傷つけたくはなくて。

 あなたたちがこれからちゃんと冬眠する為に、今日使ってしまったエネルギーも含めて、補給出来るように、ご飯を食べて欲しいの……! 無事にまた、春を迎えられる為に……!」


 なるべく、熊たちから視線を逸らすことはせずに、真っ直ぐに自分の今思っている本当の気持ちを伝えていく。


 ――こうやって、一生懸命、声をかけても、どうにもならないかもしれないし。


 人間同士のように、きちんとした会話のコミュニケーションが取れる訳じゃ無い。


 だから、野生動物に対しての距離の縮め方は、他に何か良い方法があって、決してこれが一番の正解とは言い切れず。


 泥臭くて、間違っているかもしれないけれど……。


 それでも、自分の持っているお団子を乗せた手のひらを差し出しながら。


 私は真剣な表情を浮かべながら、目の前にいる熊さん達の方へと視線を向ける。


 例え、もっと、スマートな遣り方や方法があるかもしれなくても……。


 今の私に出来ることは、彼らに向かって自分の本心を伝えることだけしか出来ないから。


 それに、もしも、のように、この子達にも会話でのコミュニケーション以上に、私達の態度で伝わるものがあるのなら……。


 彼らに向かって、誠実に……。


 ――今はただ、出来ることをしたい、と私は思う。


 ほんの少し、お互いに見つめ合ってから……。


 一番最初に動いたのは、熊さんの方だった……。


「……っっ!」


「――姫さんッッ……!」


「……皇女様っっ!」


 セオドアが、私を呼ぶ声と、誰かの悲鳴染みた声が聞こえるのを聞きながら。


 目の前で、4つ足でその場に佇んでいた熊が、後ろ足を軸にして、二本足でゆらり、と、立ち上がると……。


 鋭い瞳を更に尖らせ、此方に向かって攻撃しようと、ぐわっ、と前足を大きく振りかぶったのが見えた。


 瞬間、目を瞑ることも出来たけれど、襲い来る衝撃に備えて肩をびくりと震わせながらも、その場に佇んで、真っ直ぐに熊さんの方を見つめている、と……。


『グァァァッッッ!』


 私と、目の前の熊さんの間に入ってくれて、其方に向かって吠えるように声を出してくれたその存在に……。


 すんでの所で、熊さんの前足が


「……ッ! 熊さんっ!」


 さっきまで私に懐いてくれた子が……。


 多分、お母さん熊だと思うんだけど、私と体格のいい熊さんの間に入って、私を助けるように彼らの方へと牙を向き出しにして威嚇しながらも、彼らと遣り取りをして、今は取り持ってくれているように思える。


 一方で、私のことを庇うように出てきた、自分の子供にびっくりしつつ。


 一瞬でも、此方への攻撃をやめてくれたその姿に、安堵しながらも。


 腰が砕けそうになっている自分の状態をなんとか奮い立たせながら、私は前を見据えたあとで、再び、熊さん達に向かってということと。


 普通に生活していた彼らのことを“ここから排除”したり、“傷つけるようなことはないから安心して欲しい”という意味をこめて。


 再度、震える自分の両手を内心で叱咤しながらも、そっと彼らに向かってお団子を差し出した。


「……人間の都合で、あなたたちを傷つけるようなことになってしまって本当にごめんなさい。

 もう一度、今度はみんながゆっくり休めるように……、ちゃんと穏やかな日々が送れるように、したいから……。

 だから、良かったら、持ってきたお団子を食べて欲しい……です……」


『英気を養って、冬眠に備えて欲しい。……ちゃんとみんなが生きていけるように』


 と……。


 なるべく、ほんの少しでも私の態度から伝わるように、攻撃されかけた時の恐怖心を振り切りながらも。


 一生懸命、目の前の熊さん達に向かって声をかける私に。


 お母さん熊である、一番体格のいい熊さんが、私の真意を探るかのように、ジッと、見つめてくる。


 ――それから、どれくらい経っただろう


 目の前の熊さんと見つめ合っていた時間は、本来の時間としては、そんなに経っていないかもしれないけれど。


 体感的には、かなりゆっくりと時が流れたように感じる、その間。


 私も熊さん達も、どちらも、微動だにすることがなくて。


 警戒心の強いその表情に、もう、無理なのかもしれない、と内心で諦めかけた瞬間……。


「……っっ、!」


 後ろ足で立っていた母熊が、四足歩行に戻って頭を下げ……。


 ――私の手のひらから、拾うようにして、お団子を取って食べてくれた。


「……っっ、……あっ、食べてくれて……っ、ありがとうっ!

 遠慮しないで……っ! もっといっぱい、食料を持ってきているからね……っ!」


 母熊の行動に、思わず嬉しくなって、ふんわりと口元を緩めれば。


 ……それを見て、周りにいた熊たちの視線も、剣呑けんのんなものから、次第に穏やかな物へと変わるのが見えて、ホッとする。


 それから、後ろを振り返り。


 ヒューゴや、ギルドの職員さん、冒険者の人達の方へと視線を向けると。


 私の視線を正確に察してくれた、ギルドの職員さんが。


「お、っ……お前達っ! 今すぐ、通路に置いた食料を持ってきてくれっ!

 皇女様が作ってくれた、この機会がチャンスだっ! 熊たちに食料を与えるぞっ!」


 と、周りの人達に向かって、声をかけてくれた。


 それからは、みんな、一度は熊たちと戦う為に通路に置いていた食料をリュックごと持ってきてくれて。


 熊たちの前に、取り出して、彼らが直ぐに食べやすいよう、袋に入っていたものは袋から取り出して地面に置くなど、色々と配慮してくれる。


 一応、熊さんの身体に害のありそうなものなどは、持ってこないようにはしていたけれど。


 アルが、率先として、熊たちに向かって特にオススメで、食べられそうなものなどを、より具体的にみんなに向かって指示を出してくれる。


 そのことに、心の底から安堵していると……。


「……っ、姫さん……っ、身体はっ!?」


 にゅっと、私に向かって、手が伸びてきたかと思ったら……。


 私は、セオドアに思いっきり両肩を掴まれて、心配されていた。


「……あ、セオドアっ……大丈夫だよ、ありがとう」


 熊たちの方へと出たことで、確かに恐怖心なんかが、全然無かった訳じゃないけれど。


 アルも、熊さんを攻撃する為じゃなくて、私のことを守るために防御魔法を展開して盾になろうとしてくれていたし。


 だから、もしも“熊たちから攻撃されていてもきっと大丈夫だったはず”で……。


 安心して欲しいと。


 ふわっと、微笑んで、『……ね? この通り、何もなかったよ』と、声を出したんだけど。


 セオドアの表情は私が思っている、何倍も険しいもので。


 そこで、そう言えば、セオドアには私が“能力を使った”ことが……。


 体感的に分かるんだった……、と思い出した私は。


「あ、あの……ご、ごめんね。もしかして、能力のこと、心配してくれて、る……?

 ほら、この通り、アルに癒やして貰って、全然、大丈夫なんだけ、ど……」


 と、声を出して、精一杯、問題ないことをアピールする。


 瞬間、思いっきり強く抱きしめられて、思わずびっくりしてしまいながら。


「セオドア……?」


 と、声をかければ。


「……それだけじゃねぇよっ! 頼むから、無茶をしないでくれっ!

 あれで、上手くいってなかったら、どうするつもりだったんだっ!?」


 と、余裕を無くした様子のセオドアから、心配するように、そう言われて。


「ご、っ……ごめんなさい。

 ……そのっ、アルも傍にいてくれたし、大丈夫、だと、思って……」


 と、反省しながらも、声を出す。


 何かあれば、アルも魔法を使ってくれる気でいてくれたのは分かっていたし。


 熊さんがバッと大きく振りかぶった時も、セオドアやお兄さまは武器を降ろしてくれていたけれど、アルだけはいつでも魔法が使えるように、構えるような姿勢を取ってくれていたから……。


 心の中で、恐怖心と不安はあれど……。


 『大丈夫、きっと問題ない』と、自分に言い聞かせて、判断したんだけど……。


 セオドアにはちゃんとした作戦なんかも、伝えられていなかったし。


 無駄に心配をかけてしまったのだろう。


 申し訳なくなって、しょぼん、と、落ち込んだ私に、セオドアがグッと息を呑んだ後で……。


「……っ、とにかく、本当に、無事で良かったっ。……体調は?」


 と、声をかけてくれる。


「うん、……大丈夫、ありがとう。

 まだ、少し身体は重たいけど、アルが癒やしてくれたお蔭で、普通に行動出来るくらいには回復しているよ」


 それから、ふわっと、微笑みながら、セオドアにそう伝えれば。


 ハァ……、と安堵したような吐息を溢しながらも、セオドアが私のことをそっと離してくれた。


「……オイ、お前達……。今の会話は、一体、どういう意味なんだ……?」


 そうして、お兄さまが私達の会話を聞いて、そう問いかけてくれた瞬間……。


『グルァァァァッッッ!』


 さっきまで、落ち着いてくれながらも、人間の手から食料を貰っていた熊たちが敏感に反応し。


 再び、警戒したように視線を鋭くして、興奮し出したことに、思わずびっくりしていると。


 ――刹那


 私は、セオドアに手を掴まれて、引っ張られていた。


 瞬間、バッと、私の頬、擦れ擦れの所で、後方から、ナイフが飛んで来ていたのを、セオドアに手を掴まれて、引っ張られたことで、何とかそれを回避したのだということに気付く。


「……っ、!?」


 何が何だか、分からないまま、こんがらがり、縺れそうになる足を引き摺りつつ。


 セオドアのお蔭で、危険を避けることが出来たのだと、思った瞬間。


 バタバタと、後方から駆けだしてくるような、此方に向かって走ってくるその姿を。


 私の腕を引っ張って、危険を回避してくれたセオドアが、反対の腕を使って、その人の腕を捕らえ、前にかかる力を利用して。


 思いっきり前方へと投げ飛ばしてくれたのが分かって、私はびっくしながらも、その姿を視界に入れる。


 ぐしゃっという、激しい音を立てながら、熊たちの方へと転がったその人は……。


 ここに来るまでも、かなり見覚えのある人で……。


「……え、っ……? アンドリュー……?」


 と、驚いた私が、その名前を呼べば。


「っくしょうっ、……最後のチャンスだったのにっ、テメェ、ふざけんなっ!」


 と、此方に向かってアンドリューが悪態を吐いてきた一瞬の隙をついて。


 アンドリューが……。


 今、図らずも、が……。


 ――冬眠していた自分たちを起こしてきた張本人だということに気付いたのだろう。


 アンドリューの姿を明確にその瞳の中にとらえ、怒ったような熊たちが、アンドリューに向かって、口を開き、今にも襲いかからんとしているのが確認出来た。


「……っ、危ないっ……!」


 咄嗟に、私が、そう声をかけた時には……。


 アンドリューも、自分に迫ってくる危険には多分、気付いていたと思う。


「……っ、なっ……!」


【……っ、間に合えっっ……!】


 瞬間的に、そんなに強く掴んでいた訳じゃない、私の腕を掴んでくれていたセオドアの手を振りほどき。


 私はアンドリューの方へと走って、駆け出していた。


 これまで、アンドリューには危険な目にもいっぱい遭わされてきたし。


 それらに対して、嫌だと思うような気持ちなどが無くなった訳ではない。


 今も、私に対して何か攻撃をしてきたことを思うと、アンドリューは何か私に対して良からぬことを考えていたのかもしれない、という気持ちはある。


 それでも……。


 ――ただ、反射的に、自分の身体は、自然に前へと動いていた。


【もしも、誰かと誰かを天秤にかけた時、どちらの命が大切なのか選ばなければいけない状況があるのなら、私は私の大切な人のことを取ってしまうと思う】


 だけど、もしも今、自分が手を差し伸べられる範囲で、助けられる命があるのなら……。


 例え、どんな人であろうとも。


 ――私は、、と思う……。


 最悪、熊さん達から攻撃を受けてから時間を巻き戻すことも視野に入れたけれど。


 どうやっても、時間を巻き戻しても、セオドアに前へと投げ飛ばされたアンドリューを救うことが難しいと判断した私は、その身体を覆うようにして……。


 自分の小さな身体で、ぎゅっと、出来るだけアンドリューの身体を庇う。


「……っ、」


 ――咄嗟に身構えることも出来ず。


 衝撃に、備えることも……。


 何ひとつ、出来ていない、無防備な自分の身体に。


 襲い来る、熊さん達の攻撃を、ただ、覚悟しながら……。



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