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第3話 私が一番だよね?

 夕樹乃ゆきのさんが帰った後、僕は念のため未希みきの兄、有人あるとに電話をかけることにした。

 正直何を話せばいいのか分からなかったが、とりあえず釘だけでも刺しておかないと。まぁ、あの男がべらべらと口外するとはあまり思えないが。

 そういえば、奴と言葉を最後に交わしたのはあの事件以来だ。……思わず緊張する。


 店の電話コーナーから、有人の番号にかけると、数コールで奴が出た。

 僕はなるべく平静を装いつつ、言った。

「……怜央だ」

『おう、久しぶりだなぁ。お前から連絡をよこすなんて思わなかったよ。元気か?』

 奴があんまり普通に話しかけてくるので、僕はかえって拍子抜けしてしまった。

「な、なんとかな。――今日、僕の所に未希が来た」

『ああ、知ってる。未希の奴、受験が終わったら真っ先にお前に会いに行くものかと思ってたんだが、入学するまでずっと我慢していたんだ。お前に新しい制服を見せるんだってな』

「え……、そう、だったのか?」

『未希の奴、すごく喜んでただろ? 直前に志望校変更したの大変だったんだぞ。駒場に通いたいって言って聞かなくてなぁ。あいつも相当な無茶をしやがったが、俺らも担任を説得するのマジ苦労したぜ』

「ッ、……ホントなのか」

『あいつ言ってなかったのか。ああ、本当だ。大好きな玲央兄ちゃんの近くに行くためにって頑張ったんだよ。だから無碍にすんなよ』

「……わかった」

 そんな……。

 未希が僕なんかのためにそこまで苦労をしたなんて、想像もしていなかった。そんなに僕に会うのを楽しみにしていたのに、ぞんざいにして悪いことをしてしまった。ホントに、ホントに悪いことをしてしまった。

『でも、そんな事を言うために、俺にわざわざ電話をかけてきたんじゃないよな』

「一月に……文雄叔父さんから僕の事を聞いたろう、その……」

『正直驚いたよ。まさかあの有名作家の「山崎玲央」がお前の事だったとはな』妙に嬉しそうな口ぶりで言う。

 僕はその名前をお前が知ってた事の方が驚きだよ。

 まさか空手バカで体育会系のお前さんが、文学に興味があるなんてな。

「なんで嬉しそうなんだ? 気持ちが悪いな」

『兄貴分が立派になったのを、俺が喜んじゃいけないのか?』

 え……。喜ぶ……?

 同い年だろ。って数か月は僕の方が先か。

「正直お前からそんな言葉が出るとは思わなかった……」

『そうか? ヘンなこと言うやつだな』ははは、と有人が笑う。


 この男は、もう八年前のあの件についてわだかまりはないのだろうか? 有人は表裏のない性格だから、きっとあまり気にしてはいないのだろうけれど。

 お前だって父の秘書と一緒にあの惨状の後始末をし、事件の一切の隠蔽工作をしたんだから、僕に言いたいことは山ほどあるだろうに……。

 あの直後、僕は早々に留学先のアメリカに追い返されたわけだが、結局のところ騒ぎを起こすだけ起こして逃げたことに変わりはない。

 そう、責めてくれた方が何倍も――。


「それで、僕がその……作家だってことは……」

『帰国して何年も経つのに、今年の正月になるまで誰も知らなかった話だ、貴様が伏せておきたかっただろう事くらい見当はついていたさ』

 昔から妙なところが鋭い男だったが、変わっていないようだな……。

「ならば話は早い。頼む、……僕の事は誰にも言わないでくれ」

『俺は誰にも言ってないし、今後言うつもりもない。だから心配するな、怜央』

 言葉通り、僕を安心させるような口ぶりだった。

「すまない……」

 お前はもう、済んだことだと笑い飛ばしてくれるのか?

 僕は正直この男とどう接すればいいのか計りかねていた。

 奴は少し間を置くと、低い声で静かに語り出した。

『俺は、ずっとお前に恨まれてると思ってたんだよ。……だから連絡もなかったんだとばかり……』

「まさか。どうして僕がお前を恨むんだ? 逆ならまだしも」

『何故って……、お前をアメリカから呼びつけた挙げ句、結局二人には何もしてやれなかったじゃないか』

「ただ……お前に会わせる顔がなかっただけだ」

『また、いつでもかけてこいよ、玲央。俺は今でもお前の味方のつもりだから』

 ……味方、か。

「じゃあ」

 そう短く言って電話を切った。

 僕は携帯を握りしめて、思わず独り呟いた。「やさしくするなよ」と。


     ◇


 電話を切ったあと、僕は未希が置いていったラノベを持って自宅に戻った。今日はもう、だれとも口をききたくない気分だった。


 僕の住まいは、京王井の頭線「駒場東大前駅」から徒歩五分ほど、叔父の店からも近い場所にある3LDKのマンションだ。

 帰国してから一旦叔父の元に身を寄せていた関係もあり、そのままここに住んでいるという訳だが、正直住むにはあまり便のいい街とは言い難い。

 しかし、小説のネタを考えたり散歩をするのに良い、落ち着いた場所があるし、生協では文具やOA用品などが揃っていて便利だし、図書館も使える。それに駅前にはマニアックな古書店もあったりするので、一人暮らしの作家には案外住みやすいのかもしれない。


 叔父の店から自宅への道すがら、僕はいきつけの店でたこ焼きを買って、それからコンビニでビールを数本買った。なんとなく、しらふでいるのも忍びない気分だったからだ。

 今にして思うと、僕は渡米後よくドラッグに手を出さずにいられたものだと思う。酒だって向こうではほとんど飲んだりしなかった。飲酒するようになったのは、帰国後に仕事絡みで飲まされることが増えたせいなのだから。

 どうやって自分を保っていられたのだろう、と改めて思い起こしてみると、やはり論文や小説を終始書いていたからなのかもしれない。僕が受賞作を書いたのも、姉を失った苦しみから逃れるためだったわけで。

 そう思うと、やはり物を書くという行為は不思議なものだと改めて認識させられる。それがどんなものであっても。


 僕はビール片手に、自宅リビングに転がってひたすら未希からの宿題を消化していく。大学にいた頃は毎日のように膨大な量の学術書を読んでいたので、まともなものであれば日本語でも英語でも人の倍は読めるのだが、相手はなんといっても手強い未知の敵、ラノベだ。とうてい一筋縄ではいくまい。

 ……おかしいな、こいつらは娯楽読み物のはずなのに、やたらと苦労をして読んでいるのは気のせいか?

「ん? えーっと……これは誰の台詞だ?」

 延々と台詞だけ羅列されていると、時々どの登場人物がしゃべっているのか分からなくなる。しかし、ラノベにはこんなページがたくさん出てくるから、おそらくこの業界では普通の文体なのだろう。

「え??? この子は……誰が好きだったんだ? う――……」

「んんんん……。ん? ああもう――!」

 あまりの内容の飛躍っぷりにキレて、僕は読んでいた本を放り出してしまった。いけない、これは未希から借りている本だった。慌ててリビングの床から拾い上げる。

「う――ん」僕は唸りながら、ごろごろと床を転げ回った。


 分からないところを飛ばして先を読めばいいのに、僕にはそれが出来ない。かといって、一旦この本を閉じて別の本を読むことも出来ない。

 順を追って理解していかないと気が済まないのだ。自分でも面倒臭い性格だと思うのだが、こればかりはどうしようもない。しかしこれでは未希からの宿題が、ちっとも進まなくなってしまう。

 しばらくこの問題の解決方法を考えると、ひとつの効果的な手段が閃いた。しかし、それは著しく僕のプライドを損傷させる方法でもあった。

 誠に遺憾ではあるが、この書籍の所有者に直接問い合わせるしかない。しかし僕は未希の携帯番号を聞いていない。

 これまた遺憾ではあるが、彼女の兄に連絡するよりあるまい。

 ……やだなぁ。さっきあいつに電話したばっかりなのに。


「あー……、僕だけど」

『なんだ、またお前か。どうした?』

 有人よ、なんだはないだろう? お前の妹のために僕は骨を折ってるんだぞ。

「うう……い、いま家か?」

『そうだけど?』

「じ、実は……」

『何なんだ。はっきり言えよ』

 ああ、言いたくない。言いたくないぞ、クソ。

「ちょ、ちょっと……未希にかわってくれないか?」

『……え? 何でまた』

「聞きたいことがあって……」く、屈辱的過ぎる……。

『何を聞きたいんだよ』

 そんなに追求してくれるなよ、頼むから……。

 こっちだってお前に取り次ぎを頼むなんて、死ぬほど恥ずかしいんだぞ。

「いや、あの、借りてる本のことで……」

『なんで声がひっくり返ってるんだ? おかしいぞ、お前』

「ももも、もういいだろ、さ、さっさと未希に代われよ!」

『……今日あいつとなんかあったのか? お前』

 もうこれ以上追求されてはかなわない。

 ものすごく言いたくないが、これしかない。

「……すいません有人さん、おねがいです。未希さんと電話かわってください」

 あまりにも言いたくなかった僕は、棒読みでそう告げた。

『わかったよ、もう。おーい、未希ー』

 そうそう、始めからそうすれば僕がこんなに苦労せずに済んだんだ。

 しばらくして未希が電話に出た。

『もしもし? 怜央兄ちゃんどうしたの?』

「ごめん、みーちゃん急に電話して。今話しても大丈夫?」

『うん、大丈夫だよ。なんかお兄ちゃんが横でヘンな顔してるけど』

 ……だろうな。

「ほら、携帯の番号とか聞いてなかったから……」

『ああ、そっか。あとで教えるね。で、どうしたの?』

「いや、実は……」僕は不明な点を未希にかいつまんで説明した。

『なんだ~。それはねぇ、***と@@@がアレしてこうなって――』

 猛烈な勢いで僕の疑問点を解説し始めたのはいいのだが、言っている意味がさっぱり分からない。

「ご、ごめんちょっとまって。メモ取るから」

 あまりに難解な回答が未希の口から立て続けに流れ出てきたので、僕の理解スピードを超えてしまっていた。

 横から有人の「なにそれ、ラノベの話なわけ? お前等一体なにやっとんだあ?」と間抜けな声がする。まあ、気持ちは分かるがやめてくれ。

 ようよう不明点の解明が済むと、再び未希の兄が電話口に出た。

『もしかして、いま未希がすげえ迷惑かけてるとか?』

「ううぅ……何というか……、ラノベ作家になりたいから書き方を教えろ、と詰め寄られてしまって……」

 結局、僕が白状する形になった。いずれはこいつにもバレることだが。

『あちゃー……。で、断り切れずに、か?』

 この男が僕の性格をよく分かっているのが、かえってムカつく。

「…………まぁ」

『あいつめ、あとでシメてやらないと。お前も忙しいんだろ? 断わってもいいんだぞ』

「でも引き受けてしまったものは仕方がない。責任を持って請け負うつもりだ」

 キリっ。

 という風情で僕は答えた。

 今さらカッコつけてもどうしようもないくらい、みっともないところを見せてしまっているのだが。

『お前、昔から未希に甘すぎるんだよ』

「仕方ないだろ」

 本当に仕方がない、としか言えなかった。

『兄貴の俺が嫉妬するくらい、お前には懐いてたからな。仕方ないっちゃそうだよな』

「悪かったな、懐かれてて」

『……分かってるなら、もっと早く連絡寄越せよ。どんだけ寂しがってたと思ってるんだ。玲央兄ちゃんはいつ帰ってくるんだと何百回聞かれたことか』

「でもあの頃は子供だったろう? 僕のことなんか、すぐ忘れると思ってたんだよ……」

『そんな訳あるか。10才近くにもなれば分別も付き始めるだろ。未希の気持ちも分からないで、よく作家なんかやってるな』

「ううう……。お前に言われなくたって、自分でも人の気持ちが分からないことくらい理解している」

『そうか。じゃぁ、とにかく未希がそっちに行ったら、悪いが構ってやってくれ。――泣かしたら殺す』

「お、おう。じゃあな」そう言って僕は電話を切った。

 いっそあの時、八年前のあの時に殺してくれたらどんなに楽だったか。まあ、今殺してくれてもいいのだけれど。――未希を泣かせばいいんだよな。


 有人との電話のあとでまんじりともせずにいると、一時間も経たずに未希から電話がかかってきた。

『玲央兄ちゃん』

「あ、みーちゃん。どうした? いま預かった本を読んでるんだけど」

『お兄ちゃんになんか言われた?』

「ん? ああ。駒場こっちに来たらよろしくって」

『それだけ?』

 泣かしたら殺すとか言われたなんて、言えない。

「そうだけど……」

『ふうん』

 少し気まずい間が流れる。僕から沈黙を破った。

「あのさ、みーちゃん」

『なあに?』

「――なんか、長いこと待たせてごめん」

『……うん。待った』

「学校まで、その……」

『あー、お兄ちゃんが言ってたんでしょ。余計なこと言って……』

「いろいろ、ごめん」

 くすり、と未希が笑った。

『いま玲央兄ちゃんって彼女とか好きな人いる?』

 未希が一段低いトーンで話しはじめた。

「………………彼女は……いないかな。気になる人ならいたけど」

『付き合ってないんだ』

「まあ……。相手にしてくれなくて」

 だから、そろそろあきらめようかと。

『叔父さんの言ってたとおりだ』

「文雄叔父さんそんなこと言ってたの?」

『確認したから。未希、もう二番じゃなくていいんだ』

「え? どういうこと?」

『裕実姉ちゃんが一番で、私が二番……だった』

 僕は息が詰まりそうになった。

「みー……ちゃん?」

『あのね。小さい時から玲央兄ちゃんのお嫁さんになりたかった。けど、裕実姉ちゃんと玲央兄ちゃん、なかよししてたからムリかなって思ってたけど……でも裕実姉ちゃんいなくなったから、私の番が来たって思ったのに、玲央兄ちゃんアメリカからちっとも帰ってこないから』

 ゴクリと息をのんだ。

 未希は、僕と姉さんが関係してるとこ、見てたのか。

『でもやっと見つけたから、玲央兄ちゃんつかまえたから、私が一番だよね?』

 未希は静かに、でも強い意志を込めて、そう言った。

 動揺が息遣いに出そうになって、慌てて口を手でふさいだ。

 私が一番――つまりそれは、未希が僕の恋人になるという意味だ。

 僕はソレを決めかねた。

 この四年間、今の今まで僕は夕樹乃さんを好いてきた。だけど今日、彼女に心を折られたのも事実だ。逡巡する僕を、未希が追い込む。

『結婚できる年までに一番になれればいいから。ね?』

 未希の覚悟が、この八年間の執念と、二か月の背水の陣を以って僕に迫る。

 そして急な志望校変更にも動じない、家族の強いバックアップ……。僕の背中はとうに壁にくっついていた。

 この子から僕は逃げられない。そう、悟った。

「……ああ。今、未希が暫定一位だよ」

『やったあ! 玲央兄ちゃん、大好き』

「僕も未希が大好きだよ。……まだ君と同じ好き、じゃないけれど、いずれ」

『だいじょぶだよ! 未希が玲央兄ちゃんを未希と同じ好きにさせるから!』

 おおう、……なんと力強い。

 兄譲りの漢気でそう言い切る未希に、少し惚れてしまった。

 ――――決めた。僕は。

「みーちゃん」

『なあに?』

「僕は、君がプロになれるまで全力でサポートする。君のムダにした八年に報いることが出来るか分からないけど、僕の力の及ぶ限り支えよう」

『……玲央兄ちゃん……』未希が鼻をすすりはじめた。

「みーちゃん。こんな頼りない男で申し訳ないけど、がんばるから。君が一番に選んでくれたから、報いたいんだ」

『おにい、ちゃん……うわあああん』

 未希が大声で泣きだしたので、有人が部屋のドアをバンバン叩いてるのが聞こえてきた。

 ああ……早速、僕は奴に殺されちゃうのか。参ったな。未希が事情を説明してるのが切れ切れに聞こえてくる。これで首が繋がったな。


     ◇


 心を落ち着けようとベランダに出てビールを一缶開けた。あんなパワー系のプロポーズされて、こんなん素面でやってられっか。ったく、僕はヒロインか。

 僕は濁った眼で夜景を見やる。

 低層マンションだから、別に見える景色があるわけじゃないけど、渋谷の方の高層ビルとかくらいなら少し。まあ、渋谷なんか電車の乗り換えくらいでしか行かないけど。あんなとこ。

 ……でも未希なら、行きたがるのかな。ずっと待たせて悪いことしたし、なにか服でも買ってやろうかな。って僕はもう未希とデートすることなんか考えて。彼氏気取りか? それとも兄貴気取りか?

 浮かれてんのかな。ああ、そうだろう。僕は浮かれてんだ。

 だって僕に彼女が出来たんだぞ。女子高生の。それも美少女の。

 浮かれないやつなんて、いるのかな。


 夜風に当たり、少し頭が冷えたところで部屋に戻る。とりあえず電話で不明点が解消されたので、読書を再開した。

 それにしても未希が持ってきた本はラブコメばっかだな。……むしろ今の僕がラブコメ状態なのでは。本に挟まれている広告には、いろんなジャンルの作品が載ってるけれど、やっぱ女の子だから異能バトルみたいのは興味ないのだろう。

 一冊読み終えて次の本を手に取ったとき、帯の文言が目に飛び込んできた。

「これアニメ化してるのか。ふうん……」

 僕は作品名で検索し、現在配信しているサイトを見つけ、視聴し始めた。何事も経験だ。どんな作品がアニメ化しやすい、なんてことが理解できたら、未希の助けにもなるだろう。

 ……なんて下心満載で見始めたのだが。

 へー。おもしろいな。

 ああそうか。

 これは書籍の販売促進なのか。なるほど……。

 他にはどんなのが?

 え、異世界アニメってみんなラノベ原作なの?

 えー……そうなの。

 WEB? ってなに?

 投稿サイト? なにそれ。

 でも未希そんなこと言ってなかったし。

 ……まあ、普通に公募投稿の想定で指導すればいいのかな。

 わからんもんはわからんし。

 へー……。

 ふうん。

 はあ。


 もしかして、僕の本も異世界?

 いや多分違うな……。あれは……ファンタジーだけど過去、だし。異世界じゃない。ん? どうして過去だと思った僕。何故?

 僕は夢の記憶を書き起こしてるんじゃなかったか。

 過去とはつまり現実。――まさか現実に過去の記憶だなんて。

 それってどういう、こと?

 ダメだ。今日はもう寝よう……。


 明日、未希に会えるのが楽しみだ。

 捨てる神あれば、拾う神あり、ということか。

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