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この現代に起きる事件の黒幕は、最初の犠牲者のはずだったウア。
ウアは、自分の作品を作り上げるために、羊の紋章で裏側の世界を作り出し、インパーソナルや仮面の人間に指示をして、たくさんの人間を殺害した。
「イザホ! マウ!! 君たちにも協力してもらうからね!! ウアをとっ捕まえてやる!!」
「……すごいエネルギッシュになったね……もしかして、それが素のリズさん?」
サバトの元締めであるリズさんと話し合って、ワタシたちはウアの居場所を突き止めるための作戦を練った。
その結果、ワタシとバフォメットが囮として裏側の世界を歩き、インパーソナルが近づいた時にワタシの周りを尾行していたマウやクライさん、黒魔術団の一員たちがインパーソナルを追いかける……ということになった。
「もっと…………自分らし…………く…………………………いき………………たか……………………た…………!」
「ボクの婚約者にひどいことするなら……フジマルさん、あなたでも容赦しないよ!!」
「早く行け!! こんなところで逃がすんじゃない!!!」
途中でスイホさんが殺害されたり、黒魔術団のマネキンたちが一斉に行動不能にさせられたりしてたけど……
ついにワタシとマウ、クライさん、バフォメットは、フジマルさんのインパーソナルを追い詰めた。
だけど……
「ア……アア……!!? ア……!!?」
バフォメットが、インパーソナルの手によって……燃やされた。
「ワレ……ミンナ動カナクナッテ……気ヅイタ……ハハ……死ンデシマッタ……ミンナ……死ンデシマッタ……女ノ子ハ……悲シクテ、笑ッテイタ……」
バフォメット……元々は、世界初の人格を埋め込まれた物として作られるはずだった存在。
知能の紋章の不備によって、処分されることになったバフォメット。
どうすればいいのかわからず、ただ、バフォメットを作り上げた女性……ワタシの右手の持ち主に従って、事件を引き起こしてしまったバフォメット……
それでも、バフォメットは……お父様は……
ワタシを娘として……接してくれた。
「ア……アガ……ウス……エ……」
「……ヨ……」
そんなお父様を……殺人鬼として、インパーソナルたちは停止させた。
それを指示したのは、ウアだ。
「イザホ!! あなたは作品なの!! 作品になるの!!! 10年前の惨劇をみんなに伝えるための、作品!!! わたしの作品たちとともに、ひとつになるの!!」
ウア。
ワタシは、おまえの作品なんかにはならないから。
「イザホ、行こう!! ウアを……止めるために!!」