――これまでの章紋のトバサ――
「それじゃあ……依頼、受けてくれる? ウアの友達が、なんだか様子がおかしいの」
現代の事件の手がかりを掴むために、リズさんの依頼を受けたワタシたちは
そこで会ったのは、紋章アレルギーによってクラスメイトから距離を取っていた小学生のアンさん。
アンさんは1カ月前、リズさんがウアさんの死を寝言で呟いていたのを聞いてしまい、リズさんとも距離を取っていた。
そして、何者かが机の上に置いていた黒い本に埋め込まれていた羊の紋章からつながる裏側の世界を秘密基地と名付けて、休み時間はそこで過ごすようになっていた。
アンさんを追って裏側の世界に訪れたフジマルさん。
そこである人物に襲われてワタシたちに助けを呼んだ。
「ミルナ」
その人物こそ、羊の頭をした大男……バフォメットだった。
「いろんな人に紋章を埋め込んでもらって、あたしたちは作られるの」
裏側の世界から出てきた後、リズさんからかけられた言葉が胸から離れない。
リズさんは、なにかを知っているような気がする。
10年前の事件のこと……
それに、ワタシが自分の存在理由を見つけるためにするべきことを……
その夜、リズさんの父親であるイビルさんから電話がかかってきた。
「リズを、見なかったか? まだ帰ってきていないんだが……」