4
「これ、ラベンダーと一緒に撮った写真なんですよっ! リシュアに見て欲しくて」
エシカは恥ずかしそうに、写真をリシュアに渡した。
そこには、様々な光るインテリアを背景にした水着姿のエシカが映っていた。隣にはラベンダーが寝そべっている。
リシュアは顔が真っ赤になる。
「これが水着というものかあ」
リシュアは恥ずかしそうにしていた。
まるで下着姿みたいだ。
下着にフリルが付いている。
「はい。どうですか? リシュア」
エシカは迫る。
「どうって。…………その、似合っている、かな…………」
そう言われて、エシカはぱあっと、とても嬉しそうな顔になった。
「似合っていますよねっ! 私。とても嬉しいですっ!」
エシカははしゃいでいた。
「それよりも、コーヒーショップに行きましょうよ。新鮮な豆で挽いたコーヒーが飲みたいですわ」
ローゼリアは相変わらずな調子だった。
『永遠の鳥』の教団内に大量の警備兵が押し掛けて、生き残った教団員達は調査を受けている処だった。墓荒らしの依頼だけでなく、黒魔術による悪魔の召喚。罪状は幾らでも出てきそうだ。
この件に関して、リシュア達は国から表彰状と多額の路銀が貰えるみたいだった。
「この街も、そろそろ出ようか。次は何処に行こうか?」
リシュアがそう切り出すと、ローゼリアが少し不服そうな表情をする。
「ええー? とても良いホテルに、ふかふかの毛布でしたのに」
「……高いよ。あそこの宿は…………」
「路銀はあの教団を壊滅させた事で、沢山、貰える手筈でしょう?」
「そういうわけにはいかないだろ。今後の事を考えてるとさ」
リシュアとローゼリアは互いを睨み合っていた。
「まあまあ、後、一泊くらいはどうですか?」
エシカは間に割って入る。
「あと一泊か。……お金大丈夫かなあ…………」
「もうっ! リシュアはお金の事ばかり考えて…………。きっと大丈夫ですよっ!」
エシカは気楽そうに言う。
そう言えば、エシカはあの闇の森から何十年も記憶を消されて出た事が無かったし、ローゼリアも吸血鬼の貴族だ。お金に関して無頓着なのはどうしようもないだろう。加えてリシュアも王族だ。旅をする上で、お金というものがこんなに頭を悩ませるなんて思ってもいなかった。
「分かったよっ! あと、一日だけだからな。滞在していいのは。確かに街の警備員達から報奨金を受け取る必要があるからな。あと、一日なら滞在するよっ!」
それを聞いて、エシカもローゼリアも、ぱあっと満面の笑顔になる。
ローゼリアもホテルのプールで泳ぎたいみたいだった。
リシュアもプールに無理やり誘われた。
三人共、フリフリの水着を着て記念写真を取る事になった。
「旅の想い出になりますわね」
ローゼリアは楽しそうに告げる。
「なんで、俺も女物の水着を着せられそうになるんだよ」
リシュアは半泣きだった。
「お似合いじゃないですか」
「男モノでいいよ。でも、なんで男モノの水着もフリフリが付いているんだよ……」
「リシュアは王族ですから、いいではありませんか」
みなして笑い合った。
腰元にフリフリの下着のようなものを付けたリシュアの写真を見て、確かにこれは旅の想い出になるな、と、ラベンダーは呟いた。