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大神殿の国『ヒュペリオン』 5

「私は四人の仲間達がいました。一緒に世界中を冒険して旅をしていました。仲間達は私の占いの力を信じていました。けれども、あるダンジョンで、凶悪なモンスター達に襲われて…………、私の占いを信じ切れずに。みな、死にました」


 ティアナの占いによると、そもそも、そのダンジョンに入れば、みな生きて帰れないというものだった。けれども、ダンジョンにあるとされる財宝に目が眩んで、みんなダンジョン探索を行った。


 ティアナの仲間達を殺したのは、ゴルゴンという怪物だったのだという。

 ティアナが、そのゴルゴンに生かされたのは“ティアナだけは財宝に眼が眩んでいなかった”と、財宝を守るゴルゴンが見抜いていたからみたいだったそうだ。

「私は旅を止めて、兄であるシャクラと一緒に薬屋を営む事にしました。病に苦しむ者達の運命を少しでも変える為に」

 ティアナは罪滅ぼしをしているのだろうか。

 かつて、助けられなかった仲間達の為に、色々な人間の運命を見て、その者達が良き方向に向かうように占い、そして薬を売っているのだろうか。

 ティアナは多くは語らなかったが、何となくエシカには伝わった。

「もう少し、この街。ヒュペリオンには滞在していたかったのですが。変な魔法使いに眼を付けられましたね。私はもう街を出ようと思うのですが。皆様はどうされますか?」

 ティアナは三名に訊ねる。


<お前の占いでは、滞在を続けない方がいいのだろう。俺達もそうするよ>


「いえ。私の占いでは、滞在しても構わないと出ています。あの魔法使いは、しばらくは、私にも、貴方達にも手を出さないでしょう」

 ティアナは、リシュアの方を見て笑った。


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