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Intermission☆ユウの女装

    Intermission☆ユウの女装

ノアザーク号へ戻ってから、ユウたちはこっぴどく叱られた。

「地上にいた間にどんな影響があったかわからないから」

と、さまざま検査を受けなければならなかった。

「……ちょっと、お友だちのことで、来てもらえますか?」

メイはそう言って検査の途中で呼ばれた。

なんだろう?どうしたんだろう?としか彼女は考えられなかった。

「身体検査をいやがっていたから、何でかなーっと思ってたんですけどね」

白衣の女性がメイを検査室へ通した。

「きゃあ!ユウ、あなたって……」

半裸のユウはタオルケットを羽織った。

「あのさ、ぼく……」

ユウはなにか弁解しようとした。

「ぼくじゃなくて、私!」

「えーと……」

ユウは思わず口ごもった。

西方研究所からユウの母親が駆けつけて来ていた。

「これに着替えて」

有無を言わさない口調で、持ってきた着替えをユウに手渡した。

「……スカートじゃない?」

悲鳴をあげそうなユウに、

「似合いそうよ」

と、メイが言った。

「なんで」

半分泣きそうでユウは女性が着る服装になった。

「ついでに化粧も」

母親が自分の化粧品を取り出して、ユウに薄化粧を施した。

「かわいいわよ」

メイと母親が口を揃えて言った。

「私は女の子が欲しかったの!」

と母親が言った。

「おばさま、さすが」

メイがユウの母親を絶賛した。

「他の人にも見せに行きましょ。きっとみんなかわいいって言うはずだから」

そう言って、メイたちは廊下に出て、ドミニクとルナンを待った。

「……なんの茶番?」

ドミニクが言った。

「かわいいじゃないか」

とルナンが言った。

「……本当?」

「前から思ってたけど、お前は中性的なんだよな。……で、本当はどっちなんだ。男?女?」

「……」

「女の子だったら笑うぞ」

「なんで‼」

ユウは顔が真っ赤になった。

「そうだなぁ、もうちょっとふっくらしてたらもっとかわいいかもな。飯、ちゃんと食えよ」

ルナンがそう言うと、ユウはきびすを返して検査室へ戻った。

いつもの格好に戻って、化粧を洗い流したユウを見て、

「戻っちゃった。つまんない」

とメイが言った。

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