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第21話 うぇるかむとぅーあんだ〜わーるど!


――――紫濁の月から紅魔の月。帝国東海岸部、かつて静寂と穏やかな暮らしが続いていたこの地で、数日前に突如として起きた”超巨大魔導爆発”により、我らが帝国は甚大な被害を受けた。


――――工場と思われる一帯は炎に包まれ、現在のところ死傷者は500名を超えると見られている。


――――この爆発は単なる事故ではなく、長らく噂されていた“武器工場”なるものが引き起こした人災であると、近隣に住まう住人は語る。



『えぇ、あれは確か午後3時を回った頃でしたわ!家でウトウトしてたら鼓膜が裂けるような轟音が鳴り響いてね!!そのあと家から飛び出したら大惨事!!空が真っ赤に燃えてるわ、鉄クズの塊が降り注いで来るわでもう大変でしたのよ!!隣のお宅なんて気の毒に!家が半壊してますの!!新婚さんなのにホント可哀想でねぇ!!!』



『最初はな!緋色の雨が降ってきたんよ!めっずらしいモンだなぁ〜って、オラのオカンがはしゃいでな!一緒に干してた洗濯物回収しながら見とったんよ!!そしたら、急に空が真っ赤になって、キノコの形した雲がな、急に現れたんよ!バーンってな!ほんとババーんって感じでなっ!』



『立ってられなかった……。地鳴りがして、地面が揺れて……家がドミノ倒しみたいに崩れてね。地獄絵図、としか言いようがなかったな……。まあそれでも、”大地の亀裂”に巻き込まれた方々よりかはマシだけどね。もう、あの一帯には何も”残っていない”んだから……』



『私もちょうど、その爆発が起きた瞬間を目にしました。あの光景は今でも夢に見ます……。家が倒壊して、お母さんも、弟も……薪の棒みたいにメラメラメラメラ燃えちゃって……っ!!あっ、あぁああっ?!!た、たすっ!助けなきゃって、私……でも、足がすくんで動けなくってぇえっ!!そっ、そそしたらぁ!じめ、地面が”割れて”ぇ!!!お母さんも弟も、きっ、”亀裂”に、飲み込まれてぇえっ?!!あぁああっ?!ご、ごめんなさぁい!ごめんなさいぃ!!でもぉお……でもっ!あ、あれ見てくださぁあい!!あそこの穴のしたぁあぉおおーー――ッ!!!』



――――近隣の住民によると、爆風の威力は相当なもので、数キロメートル離れた場所でもその震動が感じられたという。より近くに住民ほどその被害は甚大で、爆発により誘発した”大地の亀裂”に飲み込まれたものは例外なく消息を経つ結果となった。



――――しかし事件に対する帝国の対応は、驚くほど迅速で冷淡だった。


――――現場周辺を封鎖し、軍事作戦と称して周辺の立ち入りを厳重に規制。なんと一切の情報を開示せず、周辺住民には【「爆発事故」及び「大地の亀裂」に関する情報提供は国民の混乱を招くため固く禁ずる】と無慈悲な通知がされた。



『夫も息子も”亀裂”から帰ってこない。私達はただ住んでいただけで全て失った。何が起こったのかさえ分からないのに、帝国は何も説明してくれないのです……あの日、あの場所でいったい何があったの?!あの”爆発”はなに?帝国は何をしていたのですか??!』



『これはきっと、帝国が起こした人災だ……間違いない!!だって今さら魔人がこんなコトするか??!魔王はもういないのにっ!!!アイツ等は何と戦っているんだよ!!??』



――――住民たちは、これが単なる事故なのか、それとも何者かによる意図的な破壊行為なのかを疑問視しているが、帝国側はその全てに黙秘を貫いて……



「やれやれ、都合の悪いことはスグに隠蔽黙秘で知らんぷり……。もうコトはただの事故として処理出来る範囲を優に超えているのに……」



太陽の光の届かない闇が支配した奈落の底……。

私は”機械仕掛けの右腕”でダイヤルをガチャガチャと回しながら、鼓膜に入ってくる帝国の惨状を鼻で笑います。

どのマスメディアも、どの報道も……この一週間は帝国の批判で埋め尽くされていました。

ザマァないですね。



――――これらの対応に、市民からは帝国政府へのクーデターの声が高まるばかりです。王都レガリアの市民団体「自由の声」リーダーであるパパラチア氏からは、このように悲痛な訴えが寄せられています。


『これは事件ではない。明らかな”人災”である!!このような悲惨な事件の後で尚も帝国は真実を隠し、国民を混乱に陥れようとしているのだ!我々は断固として抗議するっ!!』



「当然の反応ですね……。まっ、帝国も話すに話せないのでしょうが……。”下層民をコキ使って、戦争の為に武器やら兵器を密造してました”。”でもその兵器が爆発事故起こして、大地に亀裂が入って大勢が死んでしまいました”なんて……」



言って、私はまたダイヤルを回します。

現代っ子なので、こういう”骨董品”は教科書ぐらいでしか見たことがなかったのですが……結構楽しいモノですね、ラジオって。

まさか異世界に来てまでこんなモノ使うとは思いませんでしたけど。



――――聞け、帝国の民よ……。立ち上がる時がきたのだ。

いずれ……否!既に帝国の崩壊は秒読みだ!我々は許さないぞっ!!女帝陛下に反旗を翻す者がここにいることを思い知らせてやるのだ!!!今こそ革命を!!!集え!!我らは……



「あちゃ〜、こういう輩も出てきますか……。地上は大荒れですね。これ、政権交代とかあります?帝国の政治制度がどういう仕組みなのか、私はよく知りませんが……」



「ムシャムシャ!ふぉんなの、わらひらってひらないわよっ!ゴキュゴキュ……!」


焚き火を挟んだ向こう側で、薔薇色の勇者――――ローズさんが豪快に串しの肉を食い千切りながら答えました。

真紅の髪はボサボサ、ゴスロリ服は所々破れて生傷まみれ。

態度も相まって野生児にしか見えません。

せっかくの美少女が台無しです。

私も人のことは言えませんが……。



「ローズさん、お行儀が悪いです……。”こんなトコロ”ですが、ご飯くらいもっと上品に食べてください」



「は?なんでアンタに指図されなきゃいけないワケ?」



「私は貴女の先輩ですよ?元の世界でも、この世界でも……。敬いなさい」



「うざっ!何様よアンタ!」



「銀色勇者様ですが??」



私は焚き火にもう一本、串し肉を追加で焼きながらローズさんに胸を張ってみせます。

すると、彼女は心底嫌そうに顔を歪めて舌打ちしました。



「ペチャパイ……」



「は???なんですか??なんなんですか???それ、悪口だと思ってます???別に怒りはしませんが、ホントヤメて欲しいんですよね、そんなしょうもないコトで優劣をつけて勝手に勝者だの敗北者だの決めつけるのは!!!というか、おっぱいは慎ましい方が、つまり余計な肉がついてない方が”心音ASMR”とかしやすいんですよ?!だって、無駄な、肉が、ないからっ!!!ほらっ!私の心臓の鼓動を聞け!!!」  



「うん……カチカチ鳴ってる。それじゃ心音ASMRじゃなくて秒針音ASMRよ……」



「ぐぬぬ、確かに……」



右腕と同じく、私は心臓までもが機械仕掛けになっていました。

半ロボット人間です、はい。



「なんでこんなコトに……」



オリオンとの戦闘の後……爆心地である武器工場が”亀裂”と呼ばれる大規模な地割れに巻き込まれ、私は暗闇の奈落に落ちました。

お陰で爆炎やら爆風の衝撃波からは逃れられましたが、落下する先は”亀裂”の奥深く……。

出口の見えない”奈落の地下空洞”の底へ真っ逆さまです。



「助かったんだからよかったじゃない!!!今日まで献身に介護してあげたこの、わ・た・し・とっ!!!右腕と心臓を造ってくれた”モフモフ族”のみんなに感謝するのねっ!」



「ドーモ、アリガトウゴザイマス。それではお元気で」 




「ムキー!!何なんのその言い方!!!」



「別に……あ〜お肉オイシイな〜。硬くて噛み応えがあります〜」



私はローズさんから目を逸らして、鉄クズみたいな肉を咀嚼します。

彼女の言ってることはまあまあ正しい……というか命の恩人なので反論はしませんが、そもそもの元凶を考えると、ねぇ?



「ちょっとぉお!?なんでよ?!ここは”ありがとう!助かった!大好き!!”って言いながら抱き合うところでしょう??!!わたしのナイスアシストがなかったら、アンタ死んでたのよ?!!」



「ナイスアシスト……??え?”あの爆発”が???」



「仕方なかったのっ!!わたしだって慌ててたの!!言われた通り、汚い労働者どもをハンマーで海にぶっ飛ば――――避難させて終わって、ミズキの加勢に戻ったらアンタ倒れてるし!!心臓がグログロパニックで気持ち悪いしっ!!!」



「心臓がグログロパニック……」



あんまりな言い草ですが、傍から見れば心臓が刃になって胸から突き出してる状態。

モザイク必須ですね、ええ。





「だからどうしていいか分かんなくて、何かないか慌てて工場内を漁ったら『極秘スイッチ』なんてモノがあるじゃない!!!今しかないって、思い切って押したの!!そしたら――――――」



「それが”魔導核兵器”の起爆スイッチだったと……」



「知らなかったんだからしょうがないじゃない!!わたしもビックリしたの!!」



「はぁぁ〜……」



私は大きくため息をつきながら義手で頭を抱えます。

”魔導核兵器”……それは、帝国とオリオンが創り出した最高機密兵器。

威力は絶大であり、一度起動すれば半径数百キロメートルが焦土と化すほどの代物……らしかったです。

幸いなことに帝国の技術不足なのか……はたまたオリオンの時間が足りなかったのか、その威力は核爆弾というには小規模なシロモノでした。

工場一帯がまとめて吹き飛び、地割れによって誰も知らなかった”地下世界への亀裂”が開いた程度の威力ですよ。

えぇ!全然大したことありませんね!!!



「ごめんなさい兄さん……貴方が守った世界、めちゃくちゃにしちゃいました……。こんなバカに頼った私のミスです……。責任をとって自害します」



「重く捉えすぎーっ!!!!帝国の住民なんて全員クソなんだから自業自得よっ!!!ミズキが気にすることは何もないわ!!もちろん、わたしも気にしない!!!」



いや、気にしろよ……。

と言いたいトコロですが、彼女の言葉からの滲み出る”感情”に私は閉口します。

ローズさんがこれまでの異世界生活で何を背負い、何を犠牲にしてきたのか――――その断片が私の感応に映り込んできたからです。

過去の惨劇、失望、失ったものたち……。



「ありがとうございます……。私のために、大嫌いな帝国民を助けてくれて……。そして、私の命も救ってくれて……」



「べっ、別にぃ?!!アンタのためだけじゃないし!計画にないトコロで勝手に死なれたら、たまったもんじゃないわっ!!」


「……」



「ちょ、ちょっと?なんか言いなさいよ!!」



ローズさんが私の顔を覗き込みながら、慌てたように問いかけます。

純粋にわたしを心配する、その眼差し。

けれど、その奥底には決して消えないであろう”復讐心”がこびり付いています。



「労働者さん達と、”結果的に”私を救ってくれたことには感謝します……あの爆発がなければ、文字通りこの命はありませんでしたから。でも、貴方達の思惑には賛同出来ない……」



「……っ!」



私は左手でそっと義手の指先をなぞります。

地上にはない、失われし古代文明……。

爆発が起こって、大地に亀裂走り、奈落に堕ちて”彼女”に出会わなければ、私はこのまま死んでいたでしょう。

けれどその助かった命を使って、世界を滅ぼそうとするのは違う。

それは、私が最も嫌う”悪行”だ。



「この世界はクソよ……。なんで分かってくれないの?!!人の心が読めるクセにっ!!!わたし達の苦しみを知ってるクセにっ!!」



「ローズさん……」



「じゃあどうしろっていうのよ?!この世界にっ!わたしの居場所なんてないのよっ?!!世界を救う勇者だなんていいようにコキ使われて、用が済んだらお払い箱!!!都合の良いコトバ並べて、みんな自分の都合しか考えないんだからっ!!そんなクソみたいな世界、わたしは―――――――」



「銀色人間さ〜ん!ハンマー人間さ〜ん!どど、どうしたんですか〜?すごい怒鳴り声、敵襲ですかぁ〜!!!」



憤るローズさんに、柔らかい声が重なります。

亀裂の底、”奈落の地下空洞”に住まう亜人種――――――”ドワーフ”の少女がウサギのような耳をピコピコと震わせ、ひょっこり顔を出してきました。

私の義手と機械仕掛けの心臓を造ってくれた、もう一人の命の恩人です。

彼女と巡り会えたことで、私は生きている。




「すみません。起こしちゃいましたか、ルーナさん……??」



「ううう、すみません〜。ついウトウトしちゃって……それより大丈夫ですかぁ??敵襲じゃないなら、ケンカ……ですかぁ?お肉食べます??」



「ありがとうございます。大丈夫ですよ」



私は腰よりも低い位置でぴょんぴょん飛び跳ねるルーナさんの頭を優しく撫でます。

モフモフの真っ白な髪と、クリクリの赤目。

私がクールビューティー枠なら彼女はプリティーマスコット枠でしょうね。

こんなにかわいい生物がいるなんて、奈落の世界も捨てたものではありません。



「ケンカと言っても兄弟喧嘩みたいなモノです。下のコが、上のコに反抗するだけの……」



「は??!誰が”下のコ”よ!!わたしの方が”上”よっ!!!」



私の指摘に、ローズさんが鬼の形相で捲し立てます。

やれやれ、そういうガキっぼいトコロが”下のコ”なんですよ。




「あはは〜……。お二人は仲良しさ〜んですね〜」



「っ?!はぁああああああ??!!そ、そんなんじゃないわよ?!!わたしは別に……!!」



「え?違うんですか……?」



私は真剣なトーンで返します。

すると、ローズさんは「うぐ……」っと言葉を詰まらせました。



「い、いや……仲良しっていうか?その……まあ、嫌いじゃないけど??」



「私もです。だからこそ、復讐に取り憑かれてほしくない……。魔人は人間の脆いトコロをついて、外道に引きずり込む……。それでローズさんが悪魔にでもなったりしたら、始末せざる得ない……。」



「……っ!そんなコト、言われたって……」



ローズさんが俯いて、珍しく弱気な態度を見せました。

私も、それ以上は言葉を続けません。



「あ、あのぉ……銀色人間さん、お肉焼けましたよ……??とりあえず食べませんか?」




「……そうですね、やっぱりいただきます」



「はぁい!どうぞどうぞ〜♪ハンマー人間さんも……」



「……ローズよっ!まぁ、食べるわ」




私はルーナさんが焼き上げた串し肉を受け取りながら、彼女の言葉を待つことにしました。

いま、その口は決して開かないでしょうけど……いつかは聞きたいですね、”復讐心”を取り払った貴女の口から――――――……。




――――ドシンッ!ズシンっ!!!ドンっ!!ドンっ!!!




「この地鳴りっ!!人間さんっ!!!」



地の底から響く、巨大な足音にルーナさんがいち早く反応します。

身の丈以上の戦斧を構え、即座に追撃態勢に入るあたりカワイイだけのマスコット少女ではありません。



「近いですね……距離500、数は3ってトコロでしょう」



「ホントしつこいわね……ムシャクシャするわ!ジッしてろっての……!!!」



串し肉にかぶりつきながら、ローズさんが不機嫌そうに眉根を寄せます。

私は、そんな彼女を宥めながら……。



――――ドシンっ!!ズシンっ!!ドンッ!!ドンっ!!



再び響く地鳴りと、その震源に目を向けました。

ルーナさんが住処にしているほら穴の向こう……古代遺跡の残骸やら漆黒に輝く晶石の星々を隔てた先で、巨大な”影”がゆっくりと這い上がってきます。


遥か昔からこの奈落の底に巣食う、巨大な影――――――”灰汁の巨人”の群れです。




――――ドシンっ!!ズシンっ!!ドンッ!!ドンっ!!



身の丈10数メートル……否!もっと大きいかもしれません。

3階建ての建物ほどもある巨躯が、奈落の底に降臨します。



「デカすぎっ……!!」



「”奈落の地底湖”から這い出て、死肉を求めて彷徨う不潔なヤツです……!今日は三体も!人間さんたち、まずは一体ずつ確実に仕留めま――――――」



「んなチンタラしたコトっ!!やってらんないわよっ!!!」



「ローズさんに同感です……。さっさと終わらせましょう……」



「え?えぇえっ?!ちょ、ちょっと、人間さぁん!!!」



ルーナさんが止めるのも聞かず、私達二人は晶石の星々と呼ばれる岩石群から飛び降りて”地底湖”の水面付近に降り立ちます。

足場が悪く、鈍く発光する岩石だけが頼りの暗黒地帯。

しかし、私もローズさんも、もはやそんな弊害は気にも留めません。



「ギジャァァアアッ――――――ッ!!」




「うるっさいわね!!食事の邪魔をするなっ!!」



勝負は一瞬、瞬きする間もなく決着が付きました。

灰汁の巨人の頭上へ転移したローズさんが、薔薇色の大槌を容赦なく振り下ろします。

もっとも、10メートル以上ある巨体にそんな攻撃は豆粒当然……灰汁の巨人は拳でローズさんを殴り飛ばそうとしましたが――――――……。



――――――べちゃあ……!!



「ふ〜ん!マヌケな顔してるケド、一応脳ミソが詰まってたのね!!!でも、最っ低に汚ない色してるわねっ!!!」



地底湖の中心に、巨大な脳がプカプカと浮かびます。

ローズさんが転移させた巨人のモノです……。



「”大槌でぶっ叩いたモノを転移させる固有魔法”……。頭を叩いて”中身だけ”適当に転移させるなんて……相変わらずトリッキーな技を使いますね。」



「ふふん!どう、凄いでしょ??」



「グロいです……」



読んで字のごとく”脳無し”状態となった灰汁ほ巨人を足場にして、ローズさんが誇らしげに胸を張ります。

かわいいコトにはかわいいですが、実際シャレにならない魔法ですよね……。

モンスター相手だからギリギリ描写出来ますが、人間相手だとR18-G指定待ったナシです。



「なによっ!!!ミズキだって人のコト言えないでしょっ!!!」



「それは……否定できませんね……」



「ギジャッ……!!」



「ガッ、ガギャギャ、アっ……?!」



2体の巨人が”胸元から多数の刃を突き出し”、苦しみに悶え死に絶えます。

物質を刃に変え、操る魔法”刃の軍団(ブレード・レギオン)”。

この魔法を応用し、巨人の臓器を刃に変えて内側から串刺しにしました。

鉄の処女(アイアン・メイデン)の逆をイメージした魔法……名付けて”内咎籠牢(リバーサル・メイデン)”ってトコロですかね?



「いっ、一瞬で……」




「準備運動にはなりました……♪」



笑って、私はルーナさんの元へ歩み寄ります。

脱出不能の奈落の底。

どうにか地上に戻るまで、へこたれてる暇はありません。

勇者というのは、かくも過酷な運命を背負っていますから――――――。



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