「う、うわあぁあっ?!!な、なんだコイツ?!化け物か?!!」
「に、逃げろぉおおっ!死にたくねぇええぇッ!!」
「たスけテェええぇええッ!!」
「なんでっ?!!なんで魔獣が急に現れるんだよっ!??ちくしょうっ、喰い殺されるなんてゴメンだぁああッ!!」
混乱に包まれる現場。
響き渡る恐怖の叫び、命乞いの声。
そして、それを嘲る不気味な笑い声――――。
まず人間の口からは到底出ない、おぞましい獣の唸り声。
「あがぁアああッ!!に、逃げルなっ……。逃がさナいっ!!コロスコロスコロスゥううっ!!!!!」
我先にと逃げ惑う労働者さん達に、アメジストさんだった人面魔獣が迫りかかる。
巨体故に動き自体はノロい……ですが、ウニョウニョと伸びる尻尾は別のようで、槍のように鋭い煌めきを宿したソレが労働者さん達の背中に狙いを定めて突き放たれます。
「あっぎゃハハァああア♪♪!!♪!!串ザし串刺しィイイっ!!!」
「させると思いますか……?」
――――ガッギリィンンンッ!!!!
「かギありゃ?!!!」
金属と金属が激突する音と、人面魔獣の呆けた声に一瞬だけ静寂が訪れます。
私が放った弾丸が、人面魔獣の尻尾の軌道を正確に打ち砕きました。
「……もう少し静かにしてほしいものですね」
片手で弾をリロードし、私は破壊と殺戮に取り憑かれた獣の注意を引きます。
人間離れした巨躯に張り付く狂気に満ちた笑み。
元は同じ人間であろうと魔獣化してしまった以上、容赦はしません。
「ぎ、銀色さん!!!」
「ささっさと逃げて下さい……。私も片腕なので、アナタ達を守りきれるかどうか微妙なんです……。だから出来るだけ遠くへ、この監視塔の頂上ならまだ炎も回っていません……」
「で、でもっ……それじゃ銀色さんが一人に!!」
「いいから早く!!アナタ達がいると戦闘の邪魔です……ッ!!」
「……ッ!すまねぇっ!銀色さん……頼んだぞ!」
「あんたの言葉だ!従うよ!」
「死ぬんじゃねぇーぞ!!銀色勇者っ!!」
私の怒声に労働者さん達は走り出しました。
けれど、その深層心理には私を置いてけぼりにすることへの罪悪感……。
やれやれ、ちょっと優しくし過ぎましたかね?
私は彼らをテイよく利用していたのに……。
「ぎギっ!まタ、お前かァアアア!!!邪魔ヲするナぁッ!!小賢シぃ勇者ガァあア!!」
「さて、と……。どうしましょうかね……?お互い、おしゃべりする気分でもないでしょうし」
私は人面魔獣に銃口を向けながら、ゆっくりと後ずさります。
六本の脚、槍のような動きをする尾、背中で煌めく刃の剣山。全てが速く、凶暴で、攻撃的……。
敵は気が触れ、感応魔法による読心術がほぼ通じない。
獣のように本能で動いている。
これほど面倒な相手は久しぶりです。
……本当に困った、想定外ですよ?
「この腕と有り合わせの武器でどこまで戦えるか……」
「ギぎゃぁあアっ!!勇者ッ!!!殺スぞォオッ!!バラバラにしてやルぅうッ!!」
「まぁ、やるしかありませんね……。いつだって、そうしてきたんですし……」
私は覚悟を決めて銃を構えました。
ターゲットは人面部分。
特に柔らかそうな目玉と口の中に狙いを定めます。
……が、殺気を感じ取った人面魔獣は六脚で天井に跳躍すると尻尾を連続で何度も振り抜いてきました。
それはさながら、流星群のような猛撃……!!
――――ズガァアアンッ!!
――――ギッジャァッア!!バキャキャァンッ!!
「うギっ!ウぎッ!!ウギうギっ!!うギっギギギィギグギがぁあ!!!コロロっスゥううッ!!殺す殺ス殺スぅ゛ううう゛ウ゛っ!!!!!」
「っ!やるじゃないですか……!」
床が砕け、その破片が弾丸のように四方八方に飛び散ります。
私は咄嗟に身を低くして飛び散る破片を避けますが、狭い空間では身動きも制限される。
人面魔獣は力に任せて尻尾を打ち下ろし、乱打を止める気配がない。
(ちっ!マズいですね……。照準の狙いが定まらない、反撃の隙がない……っ!!)
殺意と憎悪に突き動かされた乱打。
人面魔獣は天井に張り付いたまま、猛攻に猛攻を重ねます。
狙いなんてあってないようなモノ。
視界は粉塵で遮られ、呼吸を整える余裕すらない。
――――ドゴォオンッ!ガギィンッ!!ギジャジャジャキッッ!!
「あギギぎィイぃい!!死ねぇエ!死ねェよッ!!死にシネぇええっ!!」
「品がありませんね……!そういうのっ、私の世界だったら即BANです、よっ!!!」
「?!!!グっギがァ?!!!」
頭上めがけて、私は秘密兵器を投擲します。
工場の廃棄部品と、仲間のピンキー盗賊ニャンコの知識を織り交ぜた非殺傷兵器―――――――”閃光弾”です
「ウギゃああア゛ァァアアアあ゛あ゛アア゛ア゛ア??!?!!?目ぇっ!?目がガガがぁッ?!!」
刹那の瞬間……。
炸裂音と共に眩い光が広がります。
人面魔獣は天井から落下し、のたうち回るように床を転がりました。
何も見えなくなった恐怖で絶叫するその姿は、どこか人間のような雰囲気を見せます。
(関係ありません。コイツは生かしておけない)
「くたばりなさい……っ!」
――――ズパァアんっ!!!ズパパァアアアンッ!!
「あギぎぃいイいい?!!」
私は狂ったような喚き声を上げる口元へ銃身を突っ込み、引き金を絞りました。
喉奥から゙血肉が弾け飛び、そのまま後頭部まで弾丸が貫く――――――ハズでした。
――――ガちチチチィイ……っ!!!
「まっ、ずぃイイ〜〜〜!!!くちゃくちゃ……!!」
「人と同じ形状をした口で、銃身を食うな……っ!」
唯一の武器が、無残に噛み砕かれました。
人面といえども魔獣は魔獣……肉体の強度は人間の比ではありません。
「ぎギっ!ぎひひっ!!こノまま、オ前も喰ってヤルぅううッ!!!!!」
「くっ!」
私は咄嗟に銃身を手放して飛び退きました。
人面魔獣の鋭い牙が私の腕を掠めますが、なんとか致命傷は避けます。
しかし……。
(銃が……!!)
「”穢れた刃の軍団(クラッシュ・ブレード・レギオン)”!!!」
「それ、反則です……っ!」
ズッパぁアアアアんッ……!!!と、私目掛けて放たれました。
防ぐのは不可能、ならば……。
――――ズッダァン!!
私は咄嗟に銃底を床に叩きつけ、その反動で大きく後ろへ飛び退きました。
人面魔獣の放った刃は、私の鼻先を掠めて床へ突き刺さります。
なるほど、不用意に近づけばあの刃の餌食になり、距離を取れば尻尾の乱打が飛んでくる。
長期戦は不利ですね……。
「ぎギぃイっ!なゼだァア?!!こノ距離なら殺れタハズなのにィいッ?!!!」
「……日頃の行いが良いですからね。私、勇者なので」
軽いジョークを飛ばして余裕を見せつけますが、状況は最悪。
銃が破壊された。
感応魔法が有効打にならない以上、私に残された武器は何もないに等しい。
これでは魔獣を倒すことも逃げることも不可能です。
「どうしましょう……。この手で直接その顔面をぶん殴ってやりましょうか……」
「ギィイイイィっ!こノっ!!コのォッ!!ししねェエエエエえェエエエエ!!!!!」
人面魔獣ほ尾を振り回しながらイノシシみたいに突進してきます。
普段なら避けるところですが、私は重心を低く構えて向かい打つ準備を始めました。
左の拳を握り締め、脚に力を込める。
「勇者の武器はなくとも、筋肉だけは噓をつきません……っ!!」
「ぎギィいいぃイイいっ!!死ィぃねぇっ!死にヤガレぇええエエッ!!勇者ァああアっ!!」
「死ぬのはアナタの方です……!」
床が砕けるほど踏み込み、弾丸のような速度で迫る魔獣。
その一挙手一投足を見逃さず、私はとっておきのチャンス待ち続けます。
衝突まで残り5秒……4……3……2……1
「なんてねっ!♪」
「なぎっ?!!」
某情熱の国の国技、闘牛。
紅いマントをたなびかせ、牛の突進を華麗に躱すアレ。
私はその真似事をして魔獣の攻撃を回避しました。
……まあ、いくら私でも素手で魔獣をどつくことはありませんよ?たぶん。
突如目標を失った魔獣はそのまま壁を突き抜け、外へと放り出されてしまいました。
「がッ!!ぐ、ぎィ……っ!!」
人面魔獣は六本の脚で壁に張り付いたものの、自重を支えきれずにズルズルと滑り落ちます。
下は先ほど人面魔獣が放った火炎で絶賛大炎上中。
いくら魔獣と言えど、無事では済まない。
「堕ちて下さい……。落ちろっ!!いつまでも引っ付くなっ!!」
「ぎ、ギっがぁ……?!ぐギィやぁあッ!!」
人面魔獣は唸り声を上げながら、その脚で必死に壁にしがみついています。
しかし燃え上がる炎が風に煽られ、その熱で容赦なく魔獣の皮膚を焦がしていきます。
「あギっ、あア、あ……っ?!!」
私はひと息つく間もなく、周辺の瓦礫を漁ります。
確かこの辺に……あった!
労働者さん達が逃げる時に落としたであろう、銃器。
装填も完了済みです。
「ぎギ、ぢぐじょうっ!勇者ァッ!!」
「はいはい。行きますよ……」
私は銃を握りしめ、眼下にぶら下がった人面魔獣を見下ろします。
苦悶のような、怒りのような……そんな表情を浮かべて私を見上げていました。
ほぼ詰んでいるというのに、なおも這い上がろうと必死に藻掻いている姿は、もはや哀れみすら覚えます。
「勇者ァああアっ……!まだ終わりじゃぁ……っ!」
「……」
なんなんでしょうね……?
リコリスの感応魔法で、彼女の言葉の端にまだかすかな人間の感情が残っていることを感じ取り、胸に複雑な思いが過ぎります。
それでも、このまま放っておけば、さらなる犠牲が出るのは目に見えている。
コイツの存在そのものが、兄の世界を穢している。
「……元が人間であろうと、もう以前の姿に戻ることはない。だから――――これで終わりです」
私は低く囁くように言い放ち、引き金を引く。
弾丸が暗闇の中を貫き、光の筋となって魔獣の額を射抜いきました。
――――パァンッ!!
「ぎャア……グギィ……ッ」
それが人面魔獣の、最期の断末魔。
――――ガランッ、と音を立てて巨大な体が崩れ落ちます。
灰と火の燃え残りが宙に舞い、工場の廃墟には再び静寂が戻ってきました。
人面魔獣の六本の脚は無力に垂れ、怨嗟に満ちた瞳はとうに生気を失っている。
炎に包まれた人面魔獣は最期まで憎しみに染まった眼を私に向けながら絶命しました。
私はその様を凝視しながら、肩の力を抜き、荒い呼吸を整えます。
これで終わり、です。
「……ふぅ。やっと、静かになりましたね」
鼓動がまだ速いまま、額の汗を拭いながら少しだけ笑みをこぼします。
恐怖と緊張が一気に緩み、全身の筋肉が痛む。
けれど、その痛みが生きていることを実感させてくれます。
血と、火薬と、焼け焦げた臭い。
勇者の仕事の残滓を噛み締めながら、私はゆっくりと立ち上がりました。
『やっぱりぃ、キミもすき者なんだねぇ〜☆♥戦いに胸を躍らせ、死を恐れず、生に執着しない💕勇者と言うよりは野蛮な”狂戦士(バーサーカー)”だね♪♥』
「ッ?!!」
目の前の光景に思わず声が漏れる。
崩れた外壁の向こうに、倒したはずの人面魔獣が昆虫のような薄い羽を広げ浮遊している?!!
なんだ?!
進化?身体が変体した??
まだそんな奥の手を残していた???
いや違う、これは――――――……。
「人面魔獣の……アメジストさんの身体に”憑依”している??」
『ぽんぴ〜んっ♥★大正解だにょ〜ん♪流石、感応魔法使いは話が早くて助かるぅ☆♥緋色の勇者もキミと同じくらい察しが良ければ、ボクも苦労しなくて済んだのになぁ〜♪♥』
光を灯さない虚ろな瞳を私に向けて、人面魔獣に表意下”ナニカ”はニコニコと笑みを浮かべている。
とびっきりの”悪意”を滲ませた囀りだ。
「貴女は……」
私は、この笑みを知っている。
緋色の勇者の記憶で、その正体を見た。
「……大禍時七魔将の一人、彩喰・オリオンですね?」
『およよ?♥そう言えばまだ自己紹介してなかったねぇ?💕そうです♪アンデス♪♪サドンデス♪💕♥借り物の身体からお届け頂戴、可愛い代表のオリオンちゃんだよぉ〜♪♥はい、テラぴ〜s……』
「失せろっ!!!」
くだらない戯言を遮り、私は銃口を向けて引き金を引きます。
弾丸は魔獣の心臓目掛けて一直線に直進し、着弾と同時に真っ赤な花を咲かせる。
『かひゅんっ?!♥やだぁ、セリフの途中でハートを撃ち抜かれちゃった♥💕射殺から始まるハード百合ってコト、かな?💕』
(効いてない……?死体に憑依しているから肉体へのダメージは意味を成さない……??なら、どうやって倒す?!)
鼓動が耳鳴りのように響き、視界の端が揺らめく。周囲の焦げた臭いや銃火の金属音も忘れ、私は目の前の敵だけに思考を回す。
ここでコイツを逃したらどうなる?誰を狙う?被害はどこまで広がる??どうやって倒す??どうするどうする……?!
(ダメですっ……!アメジストとの連戦で、考えがまとまらない……っ!!!)
『ぐひひっ!!♥ああ、ダメだよ勇者様……💕魔人が目の前に現れたら、ヤルことは一つだけ💕でしょ?♥』
「くっ?!!がぁあぁあっ?!!」
瞬間、私は壁に叩きつけられていました。
身体がバラバラになったような感覚と激しい熱気が全身を襲いかかります。
同時に理解しました、私はヤツに身体を捕まれ監視塔から地上に投げ飛ばされたのだと……。
「うぐっ、あ゛っ?!!げほっ!ごほっ……っ!!」
熱風が肌を焦がし、炎の海が視界を埋め尽くす。
まるで世界が燃え尽きようとしているかのように、赤い光と黒い煙が渦を巻いている。
その地獄のような光景を前にして、私は呼吸すらまともにできない。
身体は重く、指一本動かすことができないまま、ただ焼け付く痛みが全身を蝕む。
そんな私を見下ろす影が、空から音もなく降りてきた。
『ぐひっ、ぐひひひひぃ……💕』
「……っ!!」
羽音が耳元でざわりと鳴り響きます。
目を凝らすと、そこにいるのは漆黒の羽を広げた人面魔獣。
グロテスクな羽を羽ばたかせ、私のことを見下ろしています。
この旅の最終目標が、目の前にいるというのに……私は指一つ動かせない!
『いいねいいねぇ〜♪💕ボク好みの絶望した顔だよぉ〜?♥ああ、でも残念だなぁ〜♥💕銀色勇者、面白そうだから色々ちょっかい掛けてきたのに、実際対面シてみたらもう終わりなんだもん♪♥』
魔獣はケラケラと笑いながら私の周りをグルグル回り始めました。
まるで、私の絶望する様を観察するように……。
私が生き絶え絶えであることが、この怪物にとっては極上の娯楽なのでしょう。
「対面は……っ!していない、でしょう?!オマエは死体越し……本体は今頃、ティータイムか何かでしょうにっ!なんで急に姿をっ!!!」
『あはは♥♥そ・れ・は〜♥💕銀色勇者が帝国の武器工場を破壊しちゃったからだゾ★♥戦艦を壊しちゃうなんてヒドイよぉ〜♥帝国はボクの大事なクライアントなのにぃ♥💕💕オマケに火までつけちゃうしさ☆💕もうこれ修復できないよ?!♥』
「火を放ったのは……アメジスト、さん、ですけどね……くっ!」
目が白み、意識が霞む。
視界の中で敵の輪郭が溶けて消えていき、まともに焦点を合わせることもできない。
失われた腕の痛みと流失する血が、体の中に残る感覚をじわりと奪っていく。
監視塔からの落下で全身に響いた激痛が、私を永遠の闇へと引き込もうとしています……。
(これ……なんか、デジャブ……)
同時に思考がぼんやりと過去を引き寄せる。
元の世界にいた時……第四次世界大戦の最初の戦火で、私は砲弾の雨をかいくぐって死に物狂いで逃げていました。
しかし逃げ込んだビルは崩れ、瓦礫の下敷きになった私はもう死ぬんだと……。
―――――しっかりしなさいは花村ミズキ!!助けに来たわ!ちょっと、目を開けなさいっ!!!お兄さんに会うんでしょ?!!
死の間際、耳元で響いた力強い声。
赤い髪を風になびかせて、瓦礫の隙間から私の手を取った彼女。
あの時のお節介な救助劇が、私の脳裏でリプレイします。
(走馬灯って、ヤツですか……どうせだったら兄さんがよかったな、なんて……)
真っ赤な髪を靡かせ、彼女は私の手を取ってくれたっけ……。
あの頃はまともに会話もしたことなかったのに、彼女は本当にお節介な人でした。
「こらぁっ!なに目を閉じてエンディングみたいな顔してるの?!!わたしより先に死んじゃうなんて許さないからっ!!!」
そうそう、こんな感じでいつも彼女は元気いっぱいで、猛進猪突……。
でも、こんなツンデレ口調でしたかね?
あんなバカでかい薔薇色の大槌を構えていた記憶なんてないのですが。
ん……?薔薇色の大槌?それって、勇者の武器!
驚きと混乱が頭を巡る。
これが現実なのか、それとも死の間際の幻覚なのか――――。
「あっ、なた……!……なんで、ここに……?!」
『おやおや〜♥💕何もないトコロから急に美少女が現れた!♪♥そのワープ魔法💕💕もしや、キミは帝国で噂の……♥』
私と化け物の間を割って入るように、一人の小柄な少女が立っていました。
夜風に靡く真っ赤な長い髪、フリルのついた黒と赤のゴスロリドレス。
そして右手には薔薇の花びらを象った巨大な大槌が握られています。
私がこの武器工場にブチ込まれる原因となった、かつての戦友と同じ顔を持つあの少女。
そう、彼女は紛れもなく――――……
「まったく見てられないったら!!!こんなキモゾンビ相手に寝ぼけるのも大概にしなさいよ!!見捨てるのもシャクだし、仕方ないから助けてあげるわっ!!これで貸し一つよ!!チワワ5000匹分の可愛さを誇る鉄騎帝国イチの超・超・超・超絶美少女!!!薔薇色の勇者ローズちゃん!!!!!銀色勇者の助太刀にただいま参上!!!ってね!!バチィン!!💕」