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第24章 カードショップ経営ってアリですか?

 さて。以前話したとおり、うぃんたそもセイラもコラボをしようにも年末年始に向けてスケジュールぎっしりということでしばらく配信は俺一人になりそうだ。いや、まあ、2枠だけうぃんたそとセイラが押さえてくれている時間があるのだが……それを楽しみに日々を過ごしていこうじゃないか。



 ということで。


「こんしろ~~~秋城の生放送はっじまるよー。ゆっくりしていってね」


『こんしろ~』

『こんしろ』

『こんしろ、初見です』

『わこつ~』


「お、初見さん。えーと、茹でみかんさん、茹で、みかん……?みかん茹でて食べるのか……?」


『まあ、好みは人それぞれ』

『そういう人もいるかもしれない』

『まあ、お汁粉と焼きそばを一緒に食う人種が近くに居ただろ?』

『そんなもんそんなもん』


「確かに。それに比べればみかんを茹でた程度なんともないよな。ということで、茹でみかんさん、是非楽しんでいってくれ~。さて、今日やっていくゲームの話なんだが」


 俺は秋城のモデルを画面の端に寄せて、ゲーム画面を映していく。画面中央に大きく映る、カードショップやってみた。というゲームタイトル。このゲームはやってみた。シリーズと言って、いろんな職業を疑似的に体験できるゲームシリーズだ。それの来たる23弾目、カードショップを舞台にしたカードショップの経営シミュレーションゲーム……のVRリメイク版だ。VR機器はどうした、って?世那による貸し出し品である。まあ、これは視聴者には言えないのだが。


「今日はカードショップを経営していこうと思うぞ~。普段客目線であーだこーだ言っているので、今日はショップ目線であーだこーだ言っていこうと思う」


『あーだこーだは言うのねw』

『これでカドショ店員の苦労も分かるというもの』

『ちゃんと身近に臭いモノを置いたか?』

『空気清浄機も稼働させてな』


「そこまでは再現しねーよ。というか、風呂キャンしてるやつらの臭いを再現できる臭いモノってないだろ」


『お酢をメインに調合していけば……』

『風呂キャン勢をリアルに連れてきます』

『お、俺今から秋城の家に凸ればええんか?』

『悲報 お前ら風呂キャン勢』


「え、お前ら風呂入らないの……?」


『冬場はちとな』

『冬のお風呂は怠い』

『夏と違ってシャワーだけで済ませられないのが』 

『こんな寒いのに何故全裸にならなければいけないのか』 


「入れええええええええ!今すぐ風呂入って来い!つーか、夏でも浴槽に浸かれ!いいか?汗腺は使わないと汚れが溜まって、それがカドショで言われる臭いの元になるんだからな!?マジでしっかり浴槽に浸かってしっかり汗かいてくれ……」


 思わず懇願してしまう。


『理論は分かってるけど』

『浴槽を使うと洗わなきゃいけないのが』 

『掃除の手間と沸かす手間』 

『独り暮らしだとダルさ倍増』


「……よし、今度風呂に入る配信やるか!風呂掃除まで俺と一緒にしっかりやっていこうぜ!」


 これが俺にできる最大限だ。マジで頼む風呂に入ってくれ。


『秋城の入浴を見守る配信?』

『誰得?』

『うぃんたそとコラボでやってくれるなら考える』 

『セイちでもええぞ』


「そんなことしたら@ふぉーむさんと築き上げた関係が崩壊するわっ!」


 @ふぉーむさんとの関係も崩壊するし、うぃんたそにもセイラにもゴミを見る視線をきっと向けられるだろう。それは流石に嫌だ。うぃんたその冷たい視線はガチで冷たいからな、俺の心折れちゃう。


「はー……とりあえずお前ら風呂はマジで入ってくれ。それか軽い運動で汗腺を使ってくれ……カドショで異臭がしたらお前ら、なんて図式ができちまったら俺マジで泣いちゃうから……」


『善処はする』

『前向きに検討させていただく』 

『しっかりと考慮いたしますので、少々お時間をいただけますか?』

『考えとくわ』


「やれえええええええええええ」


 俺はついつい頭を押さえて呻く。マジで、本当に、本当に頼みます。


「あー、うん。それはそれとしてカードショップ経営していくぞー。ちなみにプレイはガチ初見だな。概要だけ知ってる感じ」


 そうして、俺はカチカチとゲームスタートを押す。すると、画面が切り替わり秋葉原の街並みが写される。そんな中、駅から少し歩いた……現実では紙王国の店の辺りだろうか。そこに空きテナントが入っている。


「おおう、この空きテナントが俺の店なのか。えーと、名前を決めてください……?」


『秋城ステーション』 

『秋秋トレカ』 

『秋城スター 秋葉原駅前店』 

『秋城サブマリン』


「秋城サブマリンは俺が1敗から勝ち上がってるだけだな。いや、でも勝ち上がってるなら縁起がいい……?」


 俺が顎に手を当ててボケればコメント欄がツッコんでくれる。


『一回負けてるやで』

『負けから始まってんぞw』

『経営で負け開始はしんどくね?』

『秋城サブマリン閉店』 


「だよな~、よし、俺が一番お世話になってるカードショップの店名をもじるか」


『お』

『おぉ』

『秋城の居住区特定か?』

『お前らー!ノーグルマップは開いたか⁉』


 何故か緊迫感の走るコメント欄を横目に見つつ俺は店名の場所に俺の店の名前を打ち込んでいく———シロドッグ、と。


『いや、ネットショップかーいっ!』

『でも、分かる。トレドッグさん安いんだよな』 

『新弾発売日0時に俺も張り付いてるやで』 

『速さと安さが命の現代、そうなるよなあ』


「なるなる。俺は残念ながらコピーデッカーなので新弾発売日に新弾のカード使ってCS出るとかもないからネットショップでいい、っていうのも込み込みでな」


 うんうん、こうしてお前らの秋城の解像度が上がっていくのだ。いいことである。


「つーわけで、シロドッグで店名はやっていこうと思う。きっと、ネットでは白犬とか略されるんだろうな」


『白犬の店員覇気なくね?』

『白犬の店員喋り方がぼそぼそとしてるよね』

『白犬なんだからもっと吠えろよ』

『白犬の店員目線も合わないよね~』


「そそそそそんなことないですしおすし?ふ、普通に喋れてるはず、おうふ」


 そして、エンターを押せばゲームが始まる。ゲームのガイドでまず表示されるのは「発注をしよう!」の文字と同時にゲーム内の端末から商品の発注ができることを説明される。

 説明を読み終われば店内に入っていく。店内は商品棚が一つにレジが一つ、そして、そのレジの下にバーコードリーダーと端末が1個入っていた。


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