「また明日、学校でね」
乱れた服を整えて、玄関まで降りてきた私はそう言ってくれる
痛む肩から血は止まっている、だけど熱は失われていない。それを自覚する度に、私の心臓は大きく拍動する。
「……うん」
大丈夫、私は一人じゃない。
「大丈夫よ」
「うん……ありがとう」
軽く口づけを交わす。
やっぱり離れたくない。
「大丈夫よ、わたしはずっと
顔を離した神乃さんが私の肩を指でつつく。また私の心臓が跳ねる。肩に宿る熱が私の全身を駆け巡り、頭を沸騰させてしまう。
離れたくない、離れたくない、離れたくない。
もう一度私は神乃さんの唇に、自分の唇を重ねる。だめだ、離れないと、だけど離れたくない。でも、大丈夫、神乃さんが一緒にいてくれているから。
「また……明日……」
「ええ、また明日」
私の顔はくしゃくしゃになっていただろう、目尻が突っ張って髪の毛が頬に引っ付いてしまう。
こんな私でも神乃さんは穏やかに微笑んで「また明日」と言ってくれる。私の黒くて醜いドロドロした心の奥底を見せても、神乃さんは大丈夫な人だった。
神乃さんになら、私の全てをあげたい、渡したい、託したい。
そして神乃さんの全てを私は欲しい。
すぐには無理でも、どれだけ時間がかかっても、私達はお互いを求めあう。