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第4話

 あれから私はすぐに街に戻って、調査報告を団長へと伝えていた

 シュエリア王国の王都、シェーリー

 その中心部に私達騎士団の待機する施設がある

 中心地はかなり栄えていて、住宅以外に商店なんかもたくさん並んでる

 お気に入りの雑貨屋さんの前を通り過ぎて、よく行く定食屋さんの角を曲がると、冒険者ギルドがある

 そのギルドからさらに通り過ぎて、いくつかの店舗がある大通りの先に騎士団の施設がある

 そこでは日々騎士たちが地震を向上させるために訓練にいそしんでいた

 もちろん私もここでかなり鍛えてもらったし、今の私があるのもここのおかげ

 詰め所には団長以外にも調査員が数人が報告を待ってた

「良かった無事だったかレナ」

 私をギュッと抱きしめる団長

 恥ずかしいけど、やっぱり安心するなぁ

「はい、今回はちゃんと潜伏スキルで完全に気配を絶ってましたし、オークの気配もありませんでした」

「無事でよかったぜレナ。俺たちも内心ヒヤヒヤしてたからな」

「しかしあのオーク共は何だったんだ? 強い上にあの数。確かにオークは集団で生活はするが、それは村単位の100体や200体ほどのはず。それも戦えない老体、メス、子供を含めての話だ。戦えるオークは半数にも満たないはずなんだよな」

 確かにオークの生態を習った時、一般的な集落に住むオークはそのくらいの数だった

「確認するけど、オークはもういなかったんだね?」

「はい、それは間違いないです。死体はあったのですが、生体は一体も見ませんでした。不気味なほど静まり返ってましたよ」

 あの時のことを思い出すと今でも体が震えてしまう

 私をかばって、オークの斧に切り裂かれながらも私を逃がしてくれた先輩たち

 彼らのためにも、私は生きなきゃ

「それじゃあ竜についての報告をしてくれるかな?」

 団長に言われて私は書いていた資料と、採取品を広げる

ちゃんと調査もしたし、明らかにそこに竜がいた痕跡もいくつか見つけてる

 足跡以外にも、真っ黒な鱗が落ちてたり、ブレスを吐いたような焦げ跡もね

「これは・・・。この鱗はまさか、いやそんなはずはない」

 私が唯一見つけた真っ黒な、男性の手のひら大ほどある大きな鱗を団長は手に取る

「団長、何か分かったのですか?」

「確証はない。しかし黒い鱗の竜と言えば、500年前に勇者ランスによって倒されたとされている、闇の竜王ダークドラゴンなんだが、いやしかしあり得ないか。500年目撃もされていないからな」

 団長はこういう資料を読み込んでるから、いろいろ知ってる

 でもダークドラゴンだなんて、おとぎ話でしか出てこないような竜、本当にいるのかしら?

「復活したということは?」

「その可能性もあるかもしれない。ともかく一度我々も本格的な調査をするしかないな」

 もしそのダークドラゴンが本当に復活したんだったら、かなりやばいかも

 だって昔世界を滅ぼしかけたって言う竜だよ?

 そんなのがこの近くにいるなんて、恐怖でしかないし、この街だって危ないもの

 団長が率いる調査団が結成されて、私はその案内として先頭を行くことになった

 ケイジさんはどうしてるかな? もうどこかに移動したかな?

 調査として私以外にも調査に適した人員が割かれる

 私の調査報告から、竜は去っているだろうとのことでこのメンツね

 もし襲ってきたとしても、すぐに逃げれる準備はできているわ

 外から見ただけでも木々がうっそうとしていて、本当に昼間でも暗い

 私はオークに襲われた時の記憶を払拭しながら森に一歩を踏み入れた


 森の中に入るとさっそく角兎や狼の魔物やらが襲ってくる

 やっぱりここの魔物、強い

 通常の角兎なら少し剣を習っただけの新米冒険者が油断しなければ狩れるレベル

 でもここの角兎はまず速い

 騎士団員は皆新米冒険者以上には経験を積んでようやく騎士団に入れるから、冒険者で言うところの中堅以上はある

 そんな私達でも目で追うのがやっとな感じ

 新米冒険者じゃないけど、油断してたらこっちがやられちゃう

 狼にしてもそう

 筋力や毛が異常に発達してて、剣での攻撃が通りにくいし、牙に関しては鎧を貫通してくる始末

 まるで紙きれのように鎧を噛み裂いていくんだもの

 でも団長がいるおかげで統率も取れてて、安定的に戦えてる

 調査隊と言っても、一人一人がちゃんと洗練された騎士だから、油断をしなきゃ大丈夫

 さらに大きな猪の魔物も出てきた

 この猪も普通狩人が狩ることのできる強さで、対策さえ分かってればそこまで強くない

 なのにここの猪と来たら、狼と同じように毛皮が固すぎて剣も槍も通さないし、魔法も効きが薄い

 私がカズマさんからもらった剣なら効果があったけど、私じゃまだ技術が追い付いていないから一撃で、とはいかなかった

 他の団員も苦戦を強いられてて、4~5人で囲んで何とか倒せるくらい

 ただ団長はこの猪を一人で一刀両断

 やっぱりこの人、強い

 団長の剣は魔法剣らしくて、身体能力の強化や、切れ味の強化なんてのがかかってるみたい

 でもそれだけが団長の強さじゃない

 団長は常に研鑽を積んでいる努力の人

 だからこそのこの強さ。本当に、尊敬できる人

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