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第105話

 目を覚ますと、いつもの景色だった。今考えると、見てはいけないものを見てしまったようで罪悪感が凄い。ただ、望月や暁人は特に気にしていない様子だ。咲夜もあまり話を聞いていた様ではなかったので、この件は俺の胸のうちに秘めておくのが一番良いだろう。

「今日もなかったね、奴らの情報」

「そうだな……」

 咲夜の言葉には適当に返事をして、そのまま解散となった。

「……そういえば、何で屋上だってわかったんだ?」

 帰り道、ふと気になったので咲夜に質問してみた。

「あぁ、ネルミも一人になりたい時よく行ってたんだって。ネルミはずっと千葉くんに変装してたから、早く探さなきゃいけないっていうのもあって行ってみようって話になったの」

「そうなのか……」

 望月でも、一人になりたいとかあるのか。いや、あの感じはあるよな。ファンクラブまで作られているんだもんな。

「じゃあ、ここで」

「おう、また朝な」

 咲夜が家に入ったのを確認してから、俺も家に向かい再び歩き出した。


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