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第57話

 昼休み、部室に来た望月を見て暁人と月影は驚いていた。

「すっごくカッコいいです!」

「イメージチェンジか。良いんじゃないか」

 悪い印象ではなかった様で、俺まで一安心してしまった。

「ところで……今日は夢の主さんの情報が送られてきました」

 月影はタブレットを操作し、皆に見える位置に置いた。

「今日の夢の主は、剣道部の主将である後楽園桃さんです! 皆さん、名前は知ってますよね」

 剣道でも優秀な成績を収めている月見野学園高校で、その名を知らない人はほぼ皆無だろう。ただ、彼女が目立っているのはそれだけではない。

「後楽園姉妹の、長女よね」

 後楽園姉妹。三年生の桃、二年生の双子、俺たちの同級生である美麻。全員が高い剣術スキルを持っており、正しく剣道一族だ。両親も剣道の師範らしい。

「それで……どんな夢の内容なんだ」

 暁人が話を先に進める。

「ライバルである幼馴染に命を懸けた決闘を申し込まれ、受けることになったのは良いのですが……どう足掻いても負けてしまうみたいです」

「なるほど、だから自害してしまうのね」

 夢のパターンが掴めてきたからか、皆呑み込みが早い。

「とりあえず、先輩に話を聞いてみようよ」

「そうね」

 今回は女性ということで、咲夜と望月が担当してくれるみたいだ。この件は二人に任せよう。

「じゃあ、俺たちは俺たちで先輩の情報を集めてみるよ」

「よろしくね!」

 少し早いが、この場は解散となった。


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