翌日の昼。望月は学校に来ていた。奇行も見せず、安定しているように見える。
「皆、昨日はありがとう」
「いいってことよ。気にすんな」
結局東川と組織の接点が見つからなかったのだけは謎だが……。望月が無事ならいいか、と思えた。大事な仲間を失う経験は、したくない。
「今日なんだけれど、用事が入ってしまったの。放課後、まっすぐ帰っても大丈夫かしら」
望月が申し訳なさそうに言う。
「大丈夫ですよ! 今日は昨日の疲れがあるでしょうし、実質オフですから」
「ありがとう」
望月の用事……気にならないと言えば嘘になるが、問いただすほどのことでもないだろう。俺は水筒のお茶を飲み、喉を潤わせた。
次の夢の主は誰なのだろう。この学校には変人が沢山居るから、見当もつかない。まあ、データが来るまではあれこれ考えても仕方がない。今日は久しぶりのオフだ。咲夜と一緒に、放課後出かけてもいいかもしれないな。
咲夜に視線を向けると、同じことを考えていた様でニコニコしている。学校帰りに二人で出かけるのなんて、いつぶりだろうか。