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第50話

 今日は、また望月が部活動に来なかった。トワイライト・ゾーンの仕業なのかはわからないが、望月は何かと狙われやすい傾向にある気がする。

「そういえば、昨日から望月はおかしかったな。机に頭をぶつけたり」

 それが関係あるのかはわからないが、確かに奇行だった。普段の望月なら、そんなことは絶対にしないだろう。

「望月さんが来ないってことは、前回同様に夢の中に閉じ込められているかもしれませんね」

 月影が言う。確かに、あり得ない話ではない。むしろ、その可能性が高いだろう。

「じゃあ、おじさんのところに行って望月の夢の資料を貰いに行くか」

 俺たちは、おじさんのもとへ向かった。


***


 おじさんはいつもと変わらず、椅子に座って作業をしていた。

「来たか。望月さんの件だろう」

 氷川さんから、既に情報は回っているのだろう。おじさんは冷静だ。

「彼女は、自分自身で色々考えすぎた結果囚われている。勿論敵は居るんだが、それ以上に彼女の精神が彼女自身を縛り付けている、と言ったところか」

「敵?」

 まさか、とは思うがまた清水時雨か?

「今回は組織との繋がりは不明、というのが氷川の見解だ」

 流石の氷川さんも、全てがわかっている訳ではないらしい。

「何にせよ、望月は助けなきゃな。おじさん、詳しい資料をくれ」

 おじさんから資料を受け取ると、机の上に並べた。

 今夜は盛大に、頑張ろう。


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