今回の悪夢には、不自然な点がある。
「ねえ、今回の悪夢って悪意がまるでないよね。どうなってるんだろう?」
咲夜の指摘した通り、悪意がないのだ。俺たちをどうこうするのが目的という訳でもなさそうだし。
「なあ暁人、お前伊達と同じクラスって言ってたよな?」
「それがどうした。偵察はしないぞ」
暁人はどうやら、伊達に苦手意識があるらしい。
「今度パフェ奢ってやるからさ、頼む。今回だけ!」
「仕方ないな。今回だけだぞ」
やはり食欲。食欲は全てを握っている。
「とりあえず明日の朝から関わってみよう。文句はないな?」
「ああ。よろしくな」
こうして、暁人と伊達という異色の組み合わせが誕生した。