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第30話

 今日の任務は、何だかモヤモヤする点が多かった。皆それを感じている様で、活気がない。疲れているのもあるだろうが。先輩は周りの人と仲良さそうに見えても、何処かで孤独を感じているのだろうか。いや、人のことをあれこれ考えすぎるのは良くない。その問題に立ち向かうのは俺じゃなくて、先輩なのだから。

「今日の夢は、トワイライト・ゾーンの邪魔を受けなかったね」

 咲夜が言う。清水時雨が死んだ今、簡単には手を出せないのだろう。 それは同時に、奴らの全体を叩く機会を失ったことを意味している。あそこで奴を見殺しにしたのは、悪手だったかもしれない。過ぎたことを言っても仕方がないが。

「そうだな……」

 色々考えなおさなきゃ駄目かもしれない。ただ今は、

「疲れたから、解散して寝ようぜ……」

 それしか言えなかった。脳はもう、オーバーヒート寸前だ。

「了解した」「じゃあ皆さん、また学校で~!」

 各々が帰り道につく中、俺はぼんやりと歩いていた。咲夜にはあまり気がつかれていない様だったが。やっぱり俺、疲れてるんだろうな。こっそり自室に戻り、ベッドにダイブする。今はまだ暑いから、タオルケットが布団代わりだ。タオルケットを身体の上にかけると、自然的な眠気が襲ってきた。そして、意識をそのまま手放す。


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