放課後になった。吹奏楽部の音は、研究会の教室からだとほぼ聴こえない。
「それにしても、先輩はどうしてあんな夢を見るようになったんだろう? トワイライト・ゾーンのせい?」
「こればかりはわからないな。実際夢に入ってみないと。だが星川、その推理は良い線いってると思うぞ」
暁人は、先ほど貰ったチョコレートバーを食べながら答えた。いつも通りの暁人を見て、安心する。
「……で、望月。先輩の好みはわかったのか?」
彼女は「そうね……」と一息おいて話し出した。
「先輩は、バイクと音楽が大好きみたいなの。全部又聞きだけど、バイクって意外よね」
確かに、音楽が好きというのはすっと頭に入ってきたが前者はそうもいかない。バイク……夢にもバイクが出てくるシーンがあるのだろうか。
「とりあえず、何故その夢を見ることになったのか……その理由を探りましょう!」
「尾行するってことか? 先輩を?」
「そうです! 五人だと多すぎるので……三人くらいが良いですかね」
月影は俺と演技派である望月を見て、最後に自分の胸を叩いた。
「望月さんは言わずもがな、この間は夢野くんの演技も光ったと聞いています! 私はいざという時、不本意ですけど小学生のフリも出来るので監視役として。どうですか?」
「いいんじゃないかな」「俺も賛成だ」
咲夜と暁人、それぞれ賛成の意を示したところで実行に移すことにした。