昼休みに俺の考えを共有したら、「おじさんにも相談してみようよ」と咲夜に言われたのでそうすることにした。
放課後に、皆でおじさんの店に行くと「少し話がある」と言われた。俺たちが椅子に座ると、おじさんはゆっくり口を開いた。
「悪夢についてなんだが、皆は気が早いというか、割と無計画で夢の中に入っていると思う。このままでは、トワイライト・ゾーンには勝てないぞ」
おじさんは言葉を選んでいるのだろう。話すペースが普段より遅い。
「まず、夢の主についてちゃんと調査した方が良い。俺のデータだけでは、わからないことの方が多いだろうからな。出来れば接触できるのが一番良いんだが」
おじさんは言葉を切り、咲夜を見た。
「咲夜、学校では風紀委員なんだってな。望月さんは能力が良い。二人で夢の主に接触して、日中は探りを入れて欲しいんだ。出来るかい?」
「わかった、やってみる!」
と即答の咲夜に対し、
「努力するわ」
と望月は気乗りしていない様だった。
「獏たちには、男子生徒の時バックについてくれていると楽だな。二人とも、出来るか?」
「ああ」「勿論だ」
「あの~……そうしたら、私はどうしたら……?」
月影が所在なさげにおじさんを見る。
「皆の心のケアをしてほしい。いきなり他人から声をかけられて、驚いてしまった夢の主に。それと、獏たちのケアも」
「わかりました~! 任せてください!」
急にウキウキになった月影をよそに、俺は考える。夢の主は、どうして毎回おじさんからデータが送られてくるのだろう。おじさんはやはり、何らかの形でトワイライト・ゾーンと関係があるのではないかと疑ってしまう。しかし、これを聞いて本当にそうだったとしても、今の俺たちには太刀打ちできないだろう。聞かない方が良い。安定した日々を崩さないためにも。