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第6話

マエハラサトル“ワロス。え?魔法学園には四季が無いんですか?”

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“ありませんよ?常に暑いです。だから私が定期的に生徒たちに季節感を感じさせないと精神と肉体の所で疲弊して立派な魔法使いになる事すらできないのですから。体力や知力を伸ばすために最適な環境を提供する事が本学園と講師に課せられた責任ですから”

やからと言って寒波出すなや。せめて雪降らせるぐらいにしろやこのゴールド講師がよぉ。というかそっちの方がインパクトありすぎで透明化の話が全然入って来ん。

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“ですが、その寒波によって毎回月曜一限に出席する魔法使いの卵たち、いわば学生達が減っているのですよ・・・”

そんなゴールド講師というアホスギ=ル・ハンドルネームのおかげなのか、いやただ単にどこかあどけないバカさで自爆しているのか、とにかく何か聞いてほしそうな感じだった。

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“とにかく、学生達の身体を馴れさせるのにも寒波が必要ですし、それを乗り越えて授業に出席することで魔法使いとして、人間として成長するという一面もあるのですよ。どうにかして学生たちの出席率を上げたい、そんな思いでございます。なのでここで聞いてみますけれど、だれか良いアイデアを持っている方はこの中にいらっしゃるのでしょうか?”

そんな質問に我先にと答えていく。或る者はこう答える。

サラリー魔ン“うーん、叩き起こすとか?”

強引な選択を迫って。というかこの板の上の魔王は大人しく、いや大人しくも魔王だが少し過激であった。

ABS553“魔法で起こすとかですかね?それとも生徒達の自立で頼るとかはどうでしょうか?”

また或る者は穏健に。そうさ、カタハンは穏健派、はっきり分かんだね。

アルティノ「・・・どうやらあなたの異世界の知識が必要ね?マエハラ。なにか案を出してちょうだい?出来るわね?さっき星を見て自分の位置を知る以外にもやり方があるって言ってくれたものだから」

その掲示板を見ていた彼女は、ニヤニヤしながら、そして腕を組みながら言う。どうやらさっきの星の件で、GPSとコンパスの話を出してしまったせいだ。それでなんか面白半分でやられてるみたいだなぁ。

前原「うーん、そうは言ってもなぁ・・・いや、」

何か現代技術で使えないものがあるかと、自分の数字とC言語とJavaScriptで埋め尽くされた脳みそで考えてみると、一つだけあった。そのピコンとした頭の電球と共に、その浮き上がった物をタイプしてみた。

マエハラサトル“考えられるなら、オンラインで課題出すとかどうですか?”

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“オンラインで課題とは・・・どういうことですか?”

マエハラサトル“簡単です、こういう感じのインターネット、いわゆるこんな感じの掲示板の上で課題を出して、その課題の出によって出席を確認するっていう方式です。”

しかし、芳しくない結果があった。あまりにもイメージが組めなくて、よくわからなかったのだろう。

分かるよ?だって僕以外の奴も抵抗感があったもん。金払っているのにオンライン授業とそこで課題出すから最後の年は安全のために家に居てくれって。正直僕は楽しすぎて持ち直したけどね?

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“まあ、良い案ですけど私が考えるには、授業に出ず課題だけを出してしまうのはさすがに生徒の興味関心を削いでしまう結果にもなりますし、そもそも私は講師である以前に天災魔導士という、この世界の魔法という謎について研究する事を義務付けられた運命です。それは彼らも同等であり、そして私は責任者の一人として授業をすることによって導き、そして研究する人間やその各々の能力が生み出す新説等の提唱、発見による魔法界の解明および発展に貢献する事が必要なのです。ただ単に課題をこなすだけでは創造性のない、探求心の無い人間を量産するだけなのです。私は彼らをそうさせたくはないのです。”

そんな長い力説がこのメッセージに届いた。演説のように長々と書かれる長文には、オンライン課題がどのように生徒の意力の低下につながるのかを説明してくれた。どうしよう?何をするべきか。なげぇよ、ただ単に興味関心を失くすからやめてほしいとまとめてくれよ天災魔導士・・・あっだからか!寒波起こすから天災魔導士なのか!なるほど・・・分からん!

前原「どうしようかねぇ・・・まあもう一つ案はあるけど出せる物は出してみるか」

マエハラサトル“じゃあオンライン授業やればいいんじゃないですか?それこそ授業ですから”

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“授業?それをこの媒体でやるのですか?”

もうすでに知っている言葉がそこにあるからか、以外にも飲み込みの早い物だった。

マエハラサトル“左様です。”

そんな言葉でごり押しするようにさらに言った。

アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“なるほど。興味深い、ありがとうございます。少し考えてみます。しかしズームというのは何でしょうか?”

マエハラサトル“オンライン授業の時に使う道具です。でもこの世界にないかな?”

そんな会話文を区切るように、また新しい誰かがその下にまた出てきた。

剣の初心者“剣術の極意 ダウンロードする”

しかし、それが出てきたことを僕は知らない。

なぜならそのさらに下から彼の危機を伝える一つの文が送られてきたのだ。

信者どもは貢ぐべし“まえはらさんまずい。ヴィトというひととアンナというエルフがおいかけてきてる。”



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