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第11話

その信者で騒々しくなっている総本部から遥か東、涼しいそよ風運ぶ船着き場にフードを被った女が、槍先に布を巻いて持っていた。そこに船乗りと思わしき男が話しかける。

「ミカラさん?」

そう聞いてくる男は、ニヘラにヘラとニヤニヤしながら、いや笑いながら近付いてきた。彼女は静かに折りたたまれた紙を渡す。それを見た船乗りはそれを隅々まで見て、

「・・・なるほどねぇ、なぁミカラさん。あんたの名前を聞いても良いかい?」

その船乗りの顔は、少し悪童のような顔つきでそう言った。

ミカラ「・・・名前?私の名前なら「あんたの“本当の”名前はなんだい?ミカラさんよぉ」


ミカラ「ぐっ・・・仕方ない。そうである、私の名前は本当はミカラではない。



凌雨華(リンユウカ)よ」

彼女はそう言うと、フードを取り、その彼女の持っている黒髪のストレートヘアが露わになった。

「なるほどねぇ、じゃあ船に乗りな?凌望(リンオウ)サマの一人娘なんかから金を取っちまったらこっちの面目がつぶれるってもんだ。乗りな」

そう言って、船乗りはミカラに船へと誘導させた。


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