~アバドン生命の樹学園~
“分かりました。僕の職業は現在ありませんが、推奨職で魔法使いと勇者って出ています。”
そう返信が返ってきた。
カーン「・・・」
それに対して天災魔導士カーンは、反応に困った。あくまで推奨職なので、本当は手に付いたものではないので、一体どうすれば良いか分からなかった。
カーン「うーん・・・とりあえず候補を褒めておくか・・・」
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“マエハラサトルさんは本当に良い仲間をお持ちですね!では騎士を前衛に、弓使いを後衛にしてみたらどうですか?”
そう返ってきた途端、僕はすぐに憤慨した。普通に褒められて、それと同時に煽られたからだ。こっちは職業なんてついていないのになぜかその話は敢えて避けて勝手に別の話にすり替えやがった。しかも最初に聞いてきたのはそっち側だっていうのに。
ヴィト「あのね?マエハラサトルさん」
僕の上に圧し掛かっていたヴィトが口を開く。
前原「なに?」
僕は少し怒った口調でそう言う。
ヴィト「僕は元騎士だって知っているよね?」
前原「知ってるよ!それが何だってんだ!」
僕は少しイライラしてそうぶつけてしまったが、彼女、ヴィトは冷静に淡々と、
ヴィト「じゃあ今は何をやってると思う?」
と答えた。一瞬何を言っているのか分からなかった。元騎士なら元騎士の筈だろう?じゃあそれ以外に何があるって言うんだ。
ヴィト「ハァ…僕は昔騎士だったけど!今は何やってるのって話!」
すると、痺れを切らしたのか今度は怒りながら言っていた。
前原「今は何やってるって・・・あぁ、そういう事か」
ヴィト「ハァ…やっと気づいた。そう、僕は元騎士で今は冒険者。って言えば分かる?」
大分理解した。冒険者と言えども、冒険者より元騎士と言えば少しネームバリューが良いのだ。だからよくもまあ元騎士現冒険者がここで一日中酒を飲みっからかいても金に困らないってわけだ。まあさっきの、あの・・・ああいうようないちゃもんをつけてくる奴とは違って。
アンナ「あ、あのぅ・・・冒険で仲間を集めるってことは、もしかして規模が大きくなる感じですかぁ?」
そんな二人の密接する仲の中、よこからアンナ・シュトレンの声がした。
まるでケーキのように甘い声は少し震えていて、彼女が恐怖を感じてる事が僕に分かった。おそらくアルティノの言っていた魔王軍の領地を考えているのだろう。そうだよ(便乗)。
前原「まあ、そうとも言えるしそうでないとも言える。まあ言うなれば“分からない”ってのが本当に言いたい事さ」
本当は弱体化した魔王とパーティを組むのが嫌で嫌で逃げてきたなんて言えない。だってこっちは多分もうここの国の中心街である王都に近づいただけでけされそうな人間だもの。だって魔王と接触したから。
ヴィト「そういえば君が冒険する理由を聞いたことが無いよね?」
前原「そりゃあ初対面だからね?初対面で理由教える人がどこにいるの!?」
僕はまるでどこかの万事屋のメガネのようにジャパニーズツッコミをした。
~~~~~
アルティノ「・・・ああもう!!どうして来ないのよ!」
前原が他のパーティの仲間とキャッキャウフフしてる中、魔王アルティノはただイライラしながら待っていた。むしろ筆者としては前原が羨ましいほどである。これから大いなる脅威にあってほしいほどだ。むしろリンチも捨てがたい。
ネチネチ「そんな待っても彼は来ませんよ?多分今頃魔王を見かけたとかデマを流布しているかもしれませんよ?あぁ怖い」
そんな彼女を憂んで、いや煽りながらそう言った。
カカリ「まぁとにかく待つことが大事です。最悪なら拉致するかほかの人を選べばいいんじゃないですか?」
アルティノ「嫌だ!マエハラが良い!」
しかし、彼女は頑固である。昔から魔王アルティノはほしい物はすべて手に入れていた。無理やりに?いいや違う、折れるまで辛抱強く、そして粘り強く待つのだ。その辛抱強さはどんな物も打ち砕く。
ガヴリ「あれ?魔王さま確か・・・けいじ・・・ばん?持ってたはず。それで連絡してみれば・・・」
ガヴリは、魔王が前原を倒した後の一部始終を見ていた。その白い何かの板が掲示板であることも。
アルティノ「・・・!」
彼女はその事に気づいていなかったのか、そして以外にもこの中で最も脳筋でバカなゴブリンであるガヴリが言うとは思いもよらなかった。
アルティノ「そっか・・・呼び、出せばいいんだよね?」
彼女は安心したのか、とある行動をし始めた。それは、彼があるものを出す動作と同じであった。右手を前に付き出し、目を閉じる。
アルティノ「(考えろ~・・・私は魔王でこの身よりアルファ掲示板を貰った。それでマエハラが出してたアレみたいに、あの白いパネルを・・・あのうねうねが出てた時のと同じものイメージして・・・)」
彼女のイメージだった。そして、そのイメージは次第に具現化されていき、
スッ・・・!
それは音もなく出てきた。文字盤と共に____
~冒険者・勇者会~
アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限さんとチャットしていると、サラリー魔ンとハンドルネームが付いた人からいきなりメッセージが来た。しかも、皆が見れるような公開している所に、明らかにその個人にしか関係なさそうな物で、ネットリテラシーもクソもなかった。
“マエハラサトルに告ぐ
スグカエレ。私が待ってる“
そんなメッセージが、僕とゴールド講師さんの会話の間を入るように投下された。僕はそれを気にする事もなく、無視しようと思ったが、
ヴィト「ねえ、なにそれ?」
上に圧し掛かっている住人ことヴィトが気づいて、それを指さしながら言った。
前原「え?いやこれは浮気とかじゃなくt「じゃあ何?まさか逃げないよね?」
その上に圧し掛かる圧がさらに強くなった。まるで何か感情の重力が強めているように。僕は動けなかった。なぜなら動いたら僕の左耳の横に当たっている、鞘に入ったその剣がどうなるか分からないのだから。
ヴィト「浮気?僕は許さないよ?」
浮気なんかそんな幼稚なものではない。魔王による直々の脅しなのだ。
アンナ「う、浮気でしたらぁ~、許しませんよぉ?」
おどおどしたアンナがそう言った。そんな彼女の手には弓が握られて、その中心には鉄の矢尻の付いた矢が付いている。今ここで逃げる素振りをしたり、抵抗しようものなら、まず弓で射られ、そして上に圧し掛かっている人の剣でとどめを差されるだろう。
そんな緊張感が上に圧し掛かっている所から、そして横から伝わった。
~アバドン生命の樹魔法学園~
カーン「うーん・・・」
そんな緊張のさなか、遥か西方のアバドン生命の樹魔法学園の、講師の小さな部屋の一室で、色々な物が乱雑に置かれた彼の部屋で天災魔導士カーンは唸っていた。なぜ唸っていたか、それは
カーン「どう質問に答えればよいのだろうか・・・」
彼はそんな難しい顔をしながら、ため息を吐きながらそう言った。
なぜなら彼の内心としては、相手がいるのだから気づつけるような事は言ってはいけない。だとしてそのまま話さないのも何か教授として、教師として面子が丸つぶれだ。
何か考えろ・・・考えるんだ・・・
あ!そうだ!マエハラサトルさんに何か質問があるか聞いてみよう!
~~~~~
そんな緊張間の中、それを知らずに楽観的なゴールド講師さんから、新たにメッセージが送られた。
“それ以外で何か質問はありますか?”
ふざけんなと正直思ったが、まあいいやそのアイスブレークを助けてくれるなら藁をもすがりたいという気持ちで、僕はその重圧に関わらずにタイピングを続ける。
途中手が震えて、タイピングミスをしてしまうが、もう無視して質問を投げた。
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“一つ質問があるののですが、、魔王軍の大陸と人類王国を隔てる山に結界が張られていると噂で聞いておりまして、どうにも僕の知っている知人が破っても破ってもすすぐに回復して通り抜ける事がデキナイと言っているんです。あの結界のj構造はどのようになっているんでうsか?”
見事に変な文がその文に現れた。
カーン「・・・?」
一体何を言っているのか分からなかった。おまえは一体何を言っているんだというミルコ・クロコップのような顔をして。
カーン「えっと・・・“質問ありがとうございます・・・”」
~冒険者・勇者会~
アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“質問ありがとうございます。魔王軍の領地と人類王国間の結界は中心にある神の庭園という教会によって作られました。昔は私も敵対していましたがね、何か魔王の力が強くなっていた事でまあ協力はしましたが。とにかく、その結界は神の庭園の総本山の中にある、透明な壁を作る魔法を無限に発出する設備が元になっています。それをどうにかして止める事が出来るなら数分後には簡単にガラスのように割れますよ”
前原「すごい詳しいなこの人」
サラリー魔ン“それ、私も強硬突破試したけど全然できなかったわ”
前原「あっ、知人だ」
まさかの友達と友達が面識のない友達が出会ってしまった。もはやこっちが気まずい。分かる?だって友達が友達の友達連れてきて友達が抜けた後の気まずさレベルが入ってるんだよ。んでしかもその友達たちがまだなにも話しかけず緊張した空間が広がってるのは良いよ?でもね、さらにヤバいのは話に花開かせる事だよ?入る隙ねぇじゃん本当に!
アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“おや、サラリー魔ンさんすごいですね!試したのは私も良いと思います。しかし、やり方を変えてみてはどうですか?”
そんな提案を魔王の彼女は受けるのだろうか?しかし、その次に帰ってきた返信は違った物だった。
ABS553“なるほど、あの結界って神の庭園の総本山にあったのですか。てっきり何か自然発生した物かと思っていたのですが。”
アバドン生命の樹ゴールド講師@月曜一限“まあ自然な物に極力寄せてありますからね。細部までみればよくわかりますよ。”
ABS553“非常に興味深い。もっと詳しくお聞かせしてもらってもいいですか?”