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第10話

魔王「えぇっ!?死んじゃったの!?でも、どうやってここに?」


前原「起きたらここにいたんです。目を開けたらこの世界に」

僕は地面を指さして答えた。

魔王「なるほどね。だから・・・異世界から来たの?マエハラは」

すると、魔王アルティノは僕のことで核心に迫る何かを言った。恐らくこの世界にとって日本は異世界という事になる。じゃあ僕は突然現れた異世界人、略して異人となるわけだ。

~魔王~

私ことアルティノは少し、マエハラサトルの体験談に少し共感していた。なぜなら私だって同じ経験をしたからだ。まぁ立場は違うけど。だけども仕事が膨大に来たり、そこで死ぬほど辛いような事を経験しているのも同じだ。魔王だから死んではいないけど。だけどもこんなに共感して信頼できるニンゲンは初めてだ。

私は少しニッコリとにやけて、

魔王「合格よ。あなたには勇者になってもらうわ」

その声を聞いたネチネチも笑って、

カカリ「やっと見つかりましたか」

と安堵した顔で言う。

ガヴリ「勇者見つかったんだな!わ~い!!」

その時、外からガヴリの声がした。しかも嬉しそうな声で。

ネチネチ「やっと魔王様の職務放棄も終わりって事ですかい」

そしてネチネチも、ガヴリに肩を貸しながらやってくる。どうやらカカリが2人とも治癒魔法で治したそうだ。ネチネチは骨が露わになっているが、包帯を巻いて何とか傷口は防げているようだ。

そうやってつかの間の和平の瞬間、私の目の前に白い四角形が見えた。昨日の夜に起きた、あのうねうねした空の後のホワイトボードのように。まるで何か、マエハラサトルに反応したように目の前に出てきた。だけどその中には一枚一枚の小さなタイルで書かれた“接続しますか?”という文字が書かれている。

魔王「ねえ、これってなんだか分かる?」

すると、彼は少し笑って

前原「なんで僕に聞くんですか?」


魔王「異世界人のあなたなら、分かると思って。こういう魔法はどこにも見当たらない魔法だから」

魔王の目の前に白いホワイトボードが出ていたその時、前原悟はこう思っていた。

前原「(まさかここにアルファ掲示板の利用者がいたとは。でも何で町の人たちはだれもそれについて話したり、驚いてすらなかったな。もしかしてアルファ掲示板は人を選んでいるのか?)あーそれはアルファ掲示板という魔法で、なんだろう。僕もよくは知らないんですよ。電波を流す事以外何もやっていませんね。誰か一人でも反応してくれればよかったんですけどね。いや~どうしてなんでしょうかね。誰一人この掲示板にやってきませんでした、まあ普通にはい押せばいいと思うんですけどね」

すると、彼女はその“アルファ掲示板”に書いてある“接続しますか?”という文字の下にある“はい”を押した。

魔王「これでいいのよね?あなたの魔法を発動するには」

前原「はい、たぶんそれであってます」

僕も、アルファ掲示板の準備をして、右手を目の前に出して、またあの時のホワイトボードを出す。今度は誰もいない空地ではなく、4人の目の前だ。僕はまた頭でイメージして僕はこう言う。

前原「アルファ掲示板!」

と。

その瞬間、目の前にパソコンのモニター程の大きさの、魔王の目の前に出てきた物と同じような奴が出てくる。これこそまさに“アルファ掲示板”だ。しかし、その中は完全に違っていた。誰かがここに直接メッセージを送ってきているのだ。

前原「ABS・・・553?」

その名前は完全にロボットのような型番だった。そこには、

“前原 悟 さん”

“いないようですね”

“このアルファ掲示板では、あらゆるこの世界の大物たちと会話する事が出来、能力を”ダウンロード“する事ができます。しかし、その代わりに”代償“を支払う必要がございます。”

“あなたはワイルドホーン、あなたの名付けるボスホーンにやられて死ぬ、という事でしたがこの能力を使い、復活して倒しました。その時、生きる代償にしたのはワイルドホーンの命を半分代償として使ったのです。それでもあなたにとっては十分な生命力ですが。とにかく、この忠告を覚えておいてください。”

“大いなる力を獲得するには、大いなる代償が必要になる”

“この掲示板を基に言い換えれば、

“偉大な能力をダウンロードするには、その分の代償を支払う必要がある”

という事です。”

“ABS553”

と書かれていた。僕は少し不思議がったが、だけどもそんな事には気に掛けることは無く、

前原「試しになんか打ち込んでみてよ」

僕は魔王アルティノにそういう。でも彼女はちょっと戸惑っていた。

魔王「待って、今名前決めてるの!」

名前?あー半値ハンドルネームか!何になるんだろう?普通に魔王かな?それとも本名?ちょっと楽しみだ。

そうやって待っていると、何かこっちのモニターで上からハンドルネームと投稿日時、そしてIDと、“テストテスト”という文字が吹き出しで表示される。IDは000002、000001は僕の方だろうか。そして肝心のハンドルネームは

“サラリー魔ン”

だった。


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