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第十一話

~村の外れの森林~

村から外れ、一歩踏み込むとそこは森だった。僕は意を決し、森に踏み込む。しかし、寝不足なのだろうか?

ドサッ

目の前の石に転んでしまった。それを見ると角ばっており、どこか凸凹だった。僕はその石をクソくらえと思いながら持とうとした。するとどうだろうか、どれだけ力強く持ち上げようとしても持ち上がらない。むしろ大部分が隠れている氷山の一角のようだ。僕はそんな変哲もない石を持ち上げたくて、穴を掘る。日差しの照らす午前中、道端に埋められた石を掘るために手を汚す。

~数時間後~

前原「へぇーへぇー。ぜぇぜぇ」

地中に宝箱なんて入れるんじゃなかった。目の前には出土したままの、泥だらけの宝箱がある。鍵は掛かっていないが、泥によってなかなか開かなかった。もしもあの時に戻れるのなら、あの時の自分にアッパーカットを繰り出したい。

前原「んで、宝箱の中身は?まさか何にも入ってないって訳じゃないよな?」

顔に落ちる汗を拭いながら言う。実際ここまで掘ったんだから少しでも強力な装備が欲しい。そう思いながら開けると、

前原「なにこれ?」

中にはバッグが入っていた。会社へ持って仕事をするための鞄ではなく、いかにも冒険者が使うようなバッグだった。僕はそれを拾い上げ、背負う。

前原「あ~意外といいじゃん!冒険用に使お~っと!」

僕は昨日手に入れた物をどんどんと宝箱に入れていく。剣と盾はそのまま出しているが、昨日宝箱で出てきたよくわからないペンダントや金貨50枚だった袋。それらを詰めていく。だけど、まだバッグにはスペースがあるほどだった。そして、僕は背負って重くないか確かめる。

前原「うん、まぁまぁまぁまぁ・・・大丈夫だね。じゃあ冒険続行で」

そして僕はまた歩き始め、森の奥深くへと行くのだった。

~一方その頃~

カカリ「結局、昨日の物は何だったのでしょうか?何も害はなかったですし、むしろ魔王様が攻撃しても反応して攻撃してこなかったんですからね」

カカリが昨日見つけたごつ麺というカップラーメンをそのまま容器ごと入れる。

ガヴリ「しかも全然害はなかったよ!」

ネチネチ「多分最初に害はなくて、後からその呪いとか発現する奴ですよ?多分」

魔王様「まあとりあえず私は無事よ?とりあえずありがとう、守ってくれて」

私は3人のゴブリンに感謝をする。魔王城に帰ったら3人に勲章を渡しておかないと、と私は考えた。

ネチネチ「もう帰ります?収穫も無い様ですし」

魔王様「やだ!帰らない!勇者の卵見つけるためには帰りたくない!」

~~~~~

道行く道中、4人の声が遠くから、微かながら聞こえる。一人は女性、もう三人は男性。

僕はその声の元へ向かう。段々と声が大きくなり、近付いてくる。そして、左の方向へと向かうと、

「いい?絶対に勇者の卵を見つけること。見つければあなたたちは英雄、見つからなければあなたたちは追放者ってこと。勝てば官軍負ければ賊軍なの」

聞いたことのある言葉が、木の陰から聞こえた。僕はそれに興味津々となって、少し陰から盗み聞きをしてみる。

「もうそろそろ王都周辺に勇者を探しに行ってみようかしらね。そっちの方が見つかりやすいけど」

すると、もう一人の声がそれを反論し、

「王都周辺はやめておいた方がいいです。騎士団と神の庭園がそこら中にいますので、多分」

「じゃあ、助言通り避けておくわ」

その声を聞いた僕は、さらに興味津々となってきた。人間の好奇心というものは時に矛先が自分となる。僕は恐る恐るその様子を見ようとした。だけど、足元をまったく見ていなく、身を乗り出して聞いていたので、浮きでた根っこに足を取られてしまった。そのおかげですってんころりん。隠れていた木の所から身が出てしまった。思わず胴体から転んでしまったので、すごく痛い

前原「いてて・・・」

横眼で見ると、鍋を囲んでいた3匹のゴブリンと1人の少女は、驚いた目でこっちを見る。

起き上がって見ると、鍋の中には、僕が見たことあるあのカップ麺が。

前原「あ、ご、ご、ごつ麺!」

僕は取りに行こうとした。だけど、行く手は3匹のゴブリンに阻まれてしまった。

どうする前原?このままこのゴブリンたちを倒すのか!?

~掲示板~

なにもない掲示板の中で、ただ文字を打つ音と、キーボードでタイプされたような文字が出てきた。

“前原 悟 さん”

その名前は、この掲示板を作った者を呼ぶ吹き出しが突然現れる。

“いないようですね”

それを確認したのか、掲示板に置手紙を置いておいた

“このアルファ掲示板では、あらゆるこの世界の大物たちと会話する事が出来、能力を”ダウンロード“する事ができます。しかし、その代わりに”代償“を支払う必要がございます。”

その忠告文の下に

“あなたはワイルドホーン、あなたの名付けるボスホーンにやられて死ぬ、という事でしたがこの能力を使い、復活して倒しました。その時、生きる代償にしたのはワイルドホーンの命を半分代償として使ったのです。それでもあなたにとっては十分な生命力ですが。とにかく、この忠告を覚えておいてください。”

その下に、何か忠告文らしきものがまたタイプされる。

“大いなる力を獲得するには、大いなる代償が必要になる”

“この掲示板を基に言い換えれば、

“偉大な能力をダウンロードするには、その分の代償を支払う必要がある”

という事です。“

そして、最後に名前を書いておわる

“ABS553”と。

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