編集部のイチオシ
このまま世界が沈めばいいのに
レターレ・カンターレ
※投稿休止中(ネオページオンリー) 第一次世界大戦の終結を期に、西洋文化が定着し、大衆文化が花開いた時代。 ――大正。 その頃おいに、白壁に蒼い屋根が美しい洋館を訪れた、一人の美しい少年がいた。 少年の名前は、麻生薫(あそうかおる)。 朝日に照らされた稲穂を彷彿とさせる黄金に輝く金髪と、夏の晴天のように美しい碧眼を持った、混血児(あいのこ)である。 没落寸前の傍系の貴族家から買い取られた薫は、義姉となる少女・吾桑絹依(あそうきぬえ)と対面する。 絹依は赤い振り袖を着て、ぬばたまの黒髪を背中に流し、一房だけ菫色のリボンを髪に編み込んだ可憐な少女だった。 「あなたがわたくしの弟になるお方ですの?」 小鈴の音に似た愛らしく響く声に、薫はふっくらとした頬を、桜桃(さくらんぼ)色に染めた。 「わたくし、吾桑絹依と申します。お友達には『ぬい』とも呼ばれておりますの。よろしかったら、『ぬい姉様』とお呼びになって」 おっとりと朗らかに笑う絹依に、薫は「よろしくおねがいします。ぬい姉様」と言った。 すると絹依は、心の底から嬉しいと言わんばかりに、太陽のような笑顔を見せた。 そのまばゆいばかりの笑顔に、薫の心は一瞬で奪われてしまった。 それは薫が、絹依に一目惚れし、生まれて初めて『愛』という感情を抱いた瞬間だった。 ――穏やかに年が過ぎ、薫が十四歳、絹依が十六歳の頃。 絹依に、江戸川槍輔(えどがわそうすけ)という想い人ができてしまう。 槍輔は、色素の薄い茶色い髪とチョコレートのように甘い瞳をした、大日本帝国陸軍中尉の肩書を持つ偉丈夫だった。 そして、絹依と槍輔は婚約してしまう。 「ぬい姉様は、僕のものだ。誰にも渡さない」 愛する絹依を取り戻す為、薫は自分の容貌と身体で、槍輔を誘惑することを決意する。 果たして、薫の目論見通りに二人は婚約を破棄し、薫は絹依を手に入れることができるのだろうか? この物語は、愛することで与えられ、愛することで失ってしまう、愛に翻弄される三人の登場人物の群像劇である。
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鳳亭風流
鳳亭風流鳳亭(オオトリテイ)風流(フール)と申します 140字小説をメインに 短編小説や舞台台本などを執筆しております 主たるジャンルはSF(すこしふしぎ) その時の気分や、書きたいシーンなどでジャンルが変わりますので ご承知おきください コンゴトモヨロシク
七海トモマル
七海トモマルとにかくいろいろ書いています。完結済み作品もいくつかよその投稿サイトにありますので、時間ができ次第持ってきます。基本はファンタジー、たまにホラー。異世界転移するかと思えば、耳かき職人の話も書きます。あまり流行りには乗れませんが、よろしくお願いいたします。
みーこ
みーこファンタジーが好きです。カクヨム、小説家になろう、ラノベストリートでも投稿しています。
八刀皿 日音
八刀皿 日音PNは「やとざら くさのね」ですが、漢字の「盆暗」に由来するため、通称「ボンクラ」です。 ボンクラなので。
假名正稱
假名正稱/かめい・せいしょう/新字体(仮名正称)でも差し支えありません。
茜カナコ
茜カナコはじめまして。よろしくおねがいします。小説家になろう、カクヨム、アルファポリスなどでも執筆中です。異世界恋愛を描くことが多いです。
有村ふうな
有村ふうなまずは読んで、コメントを残したりっていうところから。 と思っていたはずなのですが どんなふうに書くのかな?などと試しに書き始めてしまいました!? 続くのか続かないのか、はてさて。 よろしくお願いします。
桃井桜花
桃井桜花桃井桜花と申します。多数のサイトにて小説を投稿しております。未熟者ですが、コメントやアドバイスをいただけると、嬉しいです!
AlgoLighter
AlgoLighter現在、他サイトのコンテスト挑戦中のため、更新頻度が低いです。 「カクヨム」 (https://kakuyomu.jp/users/Algo_Lighter) 「アルファポリス」 (https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/239587570) 「小説家になろう」 (https://mypage.syosetu.com/2853005/) 「X」        (https://x.com/Algo_Lighter) にも挑戦しております。 物語の作成は、はじめたばかりなので色々勉強してさまざまな視点で書けるように頑張ります 異なる作品を投稿しておりますのでそちらも楽しんでいただければ幸いです。 いいねやコメントをいただけると、創作の励みになり、とても嬉しく思います。 ぜひご愛読いただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。