マカロニ・オブ・バックウィード
連載中·新着更新:第9話 決着·2025年03月31日 19:13
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あらすじ
詳細
 乾いた風が吹く。
 埃っぽいこの世界――アメリカ西部。
 人々は金を求めて西へ西へと移動していった。たった数粒の砂金が数万の人間を西のかなたに呼び寄せたのだ。
 ――ゴールドラッシュからすでに半世紀がたとうとしていた。
 それまで何もなかった西部では開拓が進み、町が形成され、鉄路がそれらを結んでいった。
 かつてはカウボーイのみが、この大地を我が物顔に跋扈していた。大地を覆いつくさんばかりの牛の群れを率いる一団。ロングドライブと呼ばれるこの風景は西部の象徴でもあった。
 二十世紀もそろそろのこの時代、そういった「西部」的なものはだんだんとなりを潜めつつあった。有刺鉄線の普及により、草原は囲い込まれまた鉄道の発展は彼らの仕事を奪っていった。
 そのような変化が見られつつも、アメリカ西部はいまだに個人の能力が幅を利かせる、実力主義の世界であった。すでにフロンティアは西海岸に達したものの、開拓熱は冷めることはない。農民も悪党も、当然保安官も常に武器を持ち自らを守ろうとしていた。それはこの国の人民の権利なのだから。
 この西部で武器を扱う少女がいた。
 彼女の名前はベルティーナ=レヴァッキーニ。
 彼女は何のために、人々に拳銃やライフルを売り歩くのか。
 荒野のガンマンにして、死の商人。
 西部では『火薬のベルテ』と呼ばれていた。
 そんな彼女の前に、見慣れない風貌の少女が現れる。

 アメリカ西部の最後の輝きともいえる物語が始まる――
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ネオ・デビューネオ・デビュー2025-03-20 15:11創意工夫ありし者創意工夫ありし者作者のひとりごと作者のひとりごと
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複数のWEB投稿サイトで創作活動をしています。
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