島原聖少女
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あらすじ
詳細
幕末の京都島原遊郭で、不思議な縁が交差する伝奇時代小説です。

新選組界隈の動きを縦軸に、美男隊士との恋を横軸に、双子の少年少女の数奇な定めが美しい結末をもたらします。

登場する新撰組隊士はすべて実在の人物で、史実に忠実に書いています。


視点となる主人公は、双子の美しいきょうだい、浅葱と浅太郎+安藤早太郎。

きょうだいは、島原遊郭にある置屋に生まれ、お嬢様、お坊ちゃまとしてわがまま放題に育つが、しだいに成長していきます。
安藤は隊士の中で年配でうだつが上がらず、保身に汲々としている、憎めない人物として描きました。


双子のきょうだいには、大きな秘密が……。


陰のある美男剣士葛山武八郎に、当初、憎しみを抱きながらも、しだいに惹かれていく浅葱。

安藤にそそのかされる形で密偵として利用される浅太郎。

二人は新撰組に関わるさまざまな事件に巻き込まれます。


※ネタバレです↓


二人は、一体の生人形で、生人形師松本喜三郎が、ふたりの生みの親だった。

浅太郎は浅葱のために消え去り、浅葱は愛する葛山の子(双子)を生んだあと、人形に戻ります。
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作品アチーブメント
創意工夫ありし者創意工夫ありし者2025-01-19 22:46ネオ・デビューネオ・デビュー2025-01-19 21:18作者のひとりごと作者のひとりごと
小説を書くことが大好きです。
2015年に時代小説でデビューしました。
藤井龍名義で、コスミックより、出水千春名義でハヤカワ、角川文庫より、計8冊文庫を出しています。
現在は新作の現代小説を構想中です。

いままで書きためた作品を改稿したものや、新作もアップしていきたいです。
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一条戻り橋に霧雨が降る※ 主人公陶次を江戸者に変更しましたので、読みやすくなったと思います※

幕末の京を舞台にした、哀切な物語
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庶民の側から見た、幕末の京の情勢、風情や情緒を、史実に忠実に描いています。

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陶次
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お蔦
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喜助
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権三
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