「私たちは友達ですもんね」が口癖の男爵令嬢
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あらすじ
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「あれ!? シェリル様、そんなブレスレット持ってましたっけ!?」

 貴族学園のとある昼休み。
 伯爵令嬢のシェリルは、男爵令嬢のドリーから、不意にそう訊かれた。
 婚約者から贈られたブレスレットだと説明すると、ドリーは――。

「えー! シェリル様の婚約者って、あの名門侯爵家の長男の、ハミルトン様ですよね!? わー、いいないいなー! しかもこれ、最近発売したばかりの新作じゃないですか!? 超高いやつですよッ!」

 瞳をキラキラ輝かせながら、ブレスレットをじっと見つめる。
 すると――。

「えへへー、シェリル様、お願いがあるんですけど」
「……!」

 おもむろに両手をすり合わせながら、上目遣いを向けてきた。

「このブレスレット、一日だけ貸してくれませんか? 明日友達の家でパーティーがあるんですけど、そこに付けて行きたいんです! お願いします! 私たち友達じゃないですか! ねー、シェリル様? 私たちは友達ですよね?」



本作のコミカライズが、comic スピラ様より配信される『一途に溺愛されて、幸せを掴み取ってみせますわ!異世界アンソロジーコミック 6巻』に収録されております。
単話版も配信されておりますので、ご購入いただけますと幸いです。
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作者のひとりごと作者のひとりごと2024-12-20 21:40ネオ・デビューネオ・デビュー2024-12-20 00:12創意工夫ありし者創意工夫ありし者
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義理の妹と二人で初詣に出掛けたら
義理の妹と二人で初詣に出掛けたら「お兄ちゃん」
「ん? ――!」

 おもむろに俺の部屋に入って来た祐実(ゆみ)を見て、思わず息を吞んだ。
 祐実は青を基調にした花柄の振袖を着ており、普段は下ろしている髪をアップにしていたのだ。
 艶めかしいうなじが覗き、得も言われぬ背徳感がよぎる。

「どうしたんだよその格好」
「……お兄ちゃんと、初詣に行きたくて」
「……ああ、初詣か」

 確かに今日は大晦日。
 子どもの頃はよく二人で初詣に行ったものだが、祐実が高校に入ってからは、祐実は友達と初詣に行くようになり、去年も一昨年も大晦日は別々に過ごしていた。

「今年は友達とは行かないのか?」
「……うん、今年はお兄ちゃんと行くって言ったから」
「そ、そっか」

 何故今年に限って俺と行きたいなんて言い出したのかは見当もつかないが、別に断る理由もないしな。

「じゃあ、久しぶりに二人で行くか」
「……うん!」
「――!」

 普段は無表情な祐実が不意にヒマワリみたいな笑みを浮かべたので、俺の心臓がドキリと一つ跳ねた。
 イ、イカンイカン、妹に対して、何をドキドキしているんだ俺は。

 今から約10年前、俺が9歳、祐実が8歳の時に親が再婚して義理の兄妹になった俺たち。
 この10年、俺は祐実のことを兄としてずっと守ってきたんだ。
 最近はめっきり大人の女に成長しつつある祐実を見て、煩悩に頭が支配されそうになることが増えたが、いい機会だ、除夜の鐘を聴いて煩悩を退散させよう。
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