あらすじ
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――いったいわたしは、何のために生まれたんだろう。いつになったら、ここから自由になれるんだろう。

 魔法大国・ミラディアの南、辺境の森の奥深く――世間の喧騒から孤立した地に佇むその洋館を、人々は〝蔦みどろの館〟と呼んでいた。十七歳のメルティーユは、同年代の二人の少女、アンナとナディと共に屋敷の主であるブラウに幽閉されており、館に保護される以前の記憶を失っている。ブラウの支配と教育により、三人の少女は世間の常識に触れずに育ち、外の世界を知らぬまま、本物の家族のように仲睦まじく生きてきた。しかし、自身の過去を求めるメルティーユにとっては、屋敷の暮らしは窮屈で退屈な日々でもあった。

 そして、運命の日が訪れる。メルティーユの十八歳の誕生日――三人の少女を取り巻く世界が一変した。
最年長のアンナが、同じく妹分のナディの命を狙い、魔法で襲撃する事件を起こしたのだ。ミラディア王国では、魔法を自在に操れるのは、ごく限られた才ある者のみ。衝撃を受けるメルティーユとは裏腹に、アンナは冷酷な微笑を浮かべて「これはゲームだよ」と告げるのだった。
「わたしたち、家族じゃない……!どうして殺し合わなきゃいけないの?」
――メルティーユの必死の訴えも虚しく、アンナは屋敷から脱出しようとするメルティーユを追い詰めていく。
しかし、メルティーユは諦めずに地下牢へと逃げ込んで、ブラウが隠していた魔法研究の痕跡と隠し扉を発見した。一縷の望みにかけ、扉に手を伸ばしたその刹那。激しい光の洪水と共に封印が解かれ、メルティーユは扉の中に吸い込まれてしまうのだった。
 
 その先ではこの世界の真実と、自分に課せられた宿命を知る、冒険の旅が待っていた。
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創意工夫ありし者2024-12-19 15:49ネオ・デビュー2024-10-09 18:26作者のひとりごと