【選考Tips】第4回「NSP」賞募集ジャンル解説ネオページ編集部2024年12月06日

作家の皆様、こんにちは。ネオページではNSP賞を3回に渡って開催し、早くも4回目を迎えました。第4回の募集ジャンルは「異世界ファンタジー」「歴史・時代」「文芸・その他」です。


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ここでは編集部が求めている作品について解説いたします。


第4回「NSP」賞募集ジャンル解説 


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  • 異世界ファンタジー

近年、異世界を題材としたWeb小説が続々と登場しており、アニメ化、漫画化、映像化を通じて多くの読者、視聴者の支持を得ています。架空の世界観故に、それだけ広大な可能性が秘められていますが、同時に重要になるのが他作品との差別化になります。編集部は新たな魅力を秘めた異世界ファンタジー作品を求めています。独自の世界観の構築、個性豊かなキャラクターの成長、常識を覆すような設定など、革新的な要素を取り入れた作品を募集しています。以下に、異世界ファンタジー作品に求める具体的なポイントを挙げます:

 

①世界観の創造と設定

異世界の魅力は、その独自性にあります。作者である貴方が想像するオリジナリティ溢れる作品をお待ちしております。もちろん、発想を思いつくがままに書けばよいというわけではありません。魔法体系や技術設定、社会構造など、作品を通じて整合性のとれた世界観の構築が欠かせません。登場人物たちの描写ももちろん大切ですが、世界観はストーリー展開における核となる要素になります。蔑ろにせず、丁寧に描くことをお勧めします。以下では世界観の具体例と、注目する点についていくつか触れます。

· 魔法と科学が融合する世界

異世界ファンタジー作品の世界観の一つとして、魔法と現代科学が交わる作品があります。それぞれでも魅力的なテーマですが、これらが交錯した場合、何が起こるのでしょうか。対立するのか、それとも完璧に融合するのか? それともまだ見ぬ変化が? その二つのテーマがもたらす社会、景色もどのように描写するかを注目させていただきます。

· 多様な種族と文化の衝突

異世界ファンタジーといえば、ドワーフ、エルフ、獣人、あるいは吸血鬼など、多種多彩な種族が登場します。違う種族がいれば摩擦が起きるもの。多様な種族間の相互作用や衝突をどのように描くかも注目致します。

· 独特なルールの構築

異世界は現実世界とは違います。例えば、異世界では兵士のほとんどが女性であり、男性の立場が弱いなど、違った法則性、ルールがあっても良いかもしれません。その場合はどのようなルールを設けるのか。そして、それがどのような展開をもたらすのか。ぜひ想像を膨らませてみてください。

 

②多様なストーリータイプ

作品を書くにあたって重要なことの1つは、作品の方向性です。主人公は何を目標とするのか、どうしたいのか――物語の形をきちんと定め、その魅力を充分に発揮した作品を編集部では求めています。以下ではいろいろなストーリータイプをご紹介します。異世界という舞台を活かしつつ、ぜひ様々な物語の形を試してみてください。

 

· 冒険と成長

コミックでもおなじみ、主人公が冒険を通じて、異世界で一歩ずつ英雄へと成長し、未知の挑戦や危険に立ち向かう物語。王道だからこそ惹きつけるものがあります。何のために冒険するのか、など目的を強く意識することをお勧めします。

· 癒しと日常

異世界での温かい生活もまた心を動かす作品の一つ。主人公が癒し系の宿屋の店主だったり、静かな村の新住民であったりすることも魅力的です。穏やかな暮らしの中でもちょっとした出来事を通じて、上手く緩急をつけるのがコツです。

· 戦争と英雄叙事詩

戦争と政治的な駆け引きが絡み合う壮大なストーリーは根強い人気があります。国家や大陸規模の叙事詩の中で、乱世における主人公の成長と選択を描きます。国家間の争いの苛烈さに焦点を当てたり、戦略や戦術を詳述したり、人間性の輝きを描写したりと、多角的なアプローチで物語を盛り上げてみましょう。

· ダークファンタジー
ファンタジー作品は英雄譚だけではありません。光と秩序の表面の裏に潜む深遠な闇の力もまた題材にできます。呪術、黒魔法、あるいはクトゥルフ的な神秘と恐怖を題材にすることで、英雄譚にはない魅力を描くことができます。ですが同時に重要になるのは、人間の薄暗い一面、欲望と理性の葛藤、追い詰められていく絶望感、そして残虐性と愉悦――果たしてどれほどの作家がその深みを描くことができるでしょうか。自信がある方はぜひ挑んでいただきたい物語です。

· 職業とシステム

昨今では錬金術師、鍛冶屋といった職業、システムを取り入れた作品も注目を集めています。斬新な職業をテーマにしたり、または今までにないシステムを取り入れるなど工夫が必要です。この際、重要になってくるのは、馴染みのないシステムをどのように読者に説明するか、です。読者を置いてきぼりにしないような書き方を心がけてみましょう。


③異世界ファンタジーのブレイクスルー

異世界ジャンルはすでに成熟した分野ですが、従来の枠を超えた試みもまた歓迎しています。既存のテンプレートを取り入れた作品だけでなく、さらにそこへ新たな要素を取り入れた作品をお待ちしています。以下はヒントとしてお役立てください。

· 多ジャンルの融合

異世界とミステリー、ホラーなど他ジャンルを組み合わせることで、もしかしたら、より魅力的な作品が生まれるかもしれません。

· 脇役視点からの物語

主人公が必ずしも英雄である必要はありません。村人や商人、さらには悪役の側近であっても構いません。その作品ならではの魅力を見出してください。

· アンチテンプレート設定

従来のテンプレートの例を挙げると、勇者が召喚され、魔王を討つ。という作品が多くあります。そういった作品も魅力的ですが、敢えて召喚された勇者が国に反逆する、あるいは、魔王を討たずに富国強兵に努めるなど、テンプレに従わないアンチテンプレート設定も面白いかもしれません。

 

異世界ジャンルの魅力は、その無限の可能性と創作の自由さにあります。この公募を通じて、より多くのユニークな視点と魅力的な物語を発掘したいと考えています。温かく癒される物語でも、波乱万丈の冒険譚でも、斬新さと作品ならではの魅力を持っていれば、必ず読者の心を掴むことができるはずです。あなたの参加をお待ちしております。ともに異世界の新たな章を描きましょう!


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  • 歴史・時代

人々は数えきれない決断と選択を繰り返してきました。それらを描いた歴史は小説のネタの宝庫です。例えば、日本の戦国時代、三国志の群雄割拠、江戸幕末の激動など、様々な歴史のページの中に新たな物語の可能性を秘めています。このジャンルでは歴史を背景としたWeb小説作品を期待しています。史実を忠実に再現するもよし、大胆に歴史を改変するもよし。あなたの想像力で、歴史に新たな物語を見出してください!以下は編集部が求めるポイントに触れます。

 

①日本戦国と歴史の再構築

かつて日本は数多の大名が群雄割拠し、覇を競い合いました。ある武将は家のために、ある武将は野心のために、ある武将は義のために戦いました。その日本の戦国時代を舞台にした作品を募集します。大名たちの権謀術数、戦場での熱き戦い、そして時代の変化の中で小人物たちが見せる苦悩と選択など、歴史を活かした様々な展開に期待します。このテーマの要は、歴史的なイベントの描写と主人公が取る選択肢です。その選択でどのように歴史が動いたのか――その描写に注目します。

例えば現代人が戦国にタイムスリップした際、歴史がどのように変わったのか。織田信長が本能寺の変を生き延びたら、誰が天下を握ったのか――歴史と知識、想像力を駆使してぜひ歴史を覆すような作品を書いてみてください。

 

②三国志と権謀術数の駆け引き

後漢末期から三国鼎立、そして三国の滅亡までを描いた三国志は多くの人を魅了し続けています。登場人物にフォーカスして物語を描く、あるいは主人公が歴史に介入して改変、再構築するなど、様々な物語の展開が可能です。そして何より三国志で特徴的な点は比較的、一次史料が少ないこと。空白期間が多く、その間にどのような出来事が起きたのか。それを想像するのも醍醐味に一つです。もちろん、ファンタジーや恋愛要素を付け加え、別の魅力を加えた作品も大歓迎です。

 

③江戸幕末の激動

江戸幕末は日本史における激動と対立の時代であり、幕府の衰退から明治維新への転換まで、多くの人物が活動し、それぞれの信念や野心のままに生きました。

各藩と幕府の確執、迫り来る外国の脅威、尊王攘夷運動――それらの主義、主張、立場が交錯する幕末。どの部分に注目し、どのような魅力を伝えるのか、そしてどんな人物を登場させ、どのように彼(もしくは彼女)を描くのか。それに着目したいと思います。また、戦国時代や三国志同様、オリジナルの要素を付け加えるのも大歓迎です。例えば、明治維新はならず江戸幕府が存続した現代はどのような未来を辿るのか。もしくは、現代人の主人公が新選組に加わることで幕府軍を勝利に導く。そんな独創的な作品もまたお待ちしております。

 

 

④世界史と文明の交錯

歴史を語るに欠かせないのは、世界史です。様々な歴史を包括的に取り入れた世界史は、様々なヒントを与えてくれます。その一部にフォーカスして書くもよし、あるいは異なる時代や土地の人物同士、あるいは文明同士を衝突させても面白いでしょう。

例えば、薩摩藩の武士とギリシア軍の主力であるスパルタが、三国志の時代に降り立って呂布の騎馬隊に挑む。あるいは現代人が暗黒時代にタイムスリップし、技術をもたらす。等々、組み合わせや発想力次第で様々な作品を生み出すことができるでしょう。新たな面白さを秘めた作品をぜひ投稿してみてください。

 

歴史は人類の物語であり、無数の可能性を秘めています。あなたの作品を通じて、歴史に新たな視点と活力を与えてください。史実を忠実に描くもよし、大胆に改変するもよし。物語に創意工夫と魅力が込められていれば、読者の心を掴むこと間違いありません。
皆様のご参加を心よりお待ちしています!


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  • 文芸・その他

Web小説は剣と魔法の冒険だけにとどまりません。人生や感情を掘り下げた文芸的な作品もまた魅力的です。繊細で感動的な感情描写、個性溢れる実験的な物語、現代社会を深く考察した視点、またはジャンルの枠を超えた新たな挑戦——今回の公募では、Web小説に一層の芸術性と想像力を吹き込み、読者の心を揺さぶるような独創的な作品を創り出すことを目指しています。以下ではヒントになるポイントに触れます。

 

①感情と人間性をテーマに

文芸系のWeb小説の魅力の一つは人と人との関係性です。親子愛、友情、恋愛といった多様な感情描写を通じて、登場人物の内面を描くことが求められます。また、主人公は世界を救う英雄である必要はなく、むしろ普通の人々が日常の中で人生の意味や価値を模索する姿を描いた方が好感を得られる場合もあります。

 

②実験的で枠を超えた物語展開

文芸の新たな魅力を引き出すには、実験的な挑戦も必要だと考えています。多視点、多時間軸、または叙述トリックなど、様々な作品の書き方があります。それらを駆使してぜひ斬新な魅力を秘めた作品作りに挑戦してみてはいかがでしょうか? このような作品のポイントは、独自のアイデアや表現方法を核にしつつ、きちんと物語として完成されていることが求められます。

 

③社会と人生をテーマに

文芸系のWeb小説の一つとして、現代社会の問題をテーマにした作品も挙げられます。登場人物の視点を通じて、孤独や家庭、成長、社会的なプレッシャーといったテーマを描き出し、読者に思索や共感の場を提供することができます。書く際はどのようなテーマを取り上げるかが重要になります。

 

④多様な題材や思想をテーマに

人生の浮き沈みを記録した詩や、日常の一コマを描いた随筆、一篇の日記や感想文など、これらの文章には創作者の人生や生活に対しての想いが込められています。それらをテーマに形式にとらわれず、自由な作品を描いてみるのも選択肢の一つです。もしかしたら貴方の感受性が多くの読者と共鳴するかもしれません。

 

文芸・その他のジャンルは、Web小説において最も表現力豊かで個性を発揮できる分野です。本コンテストを通じて、より多くの感動的な創意や物語を発掘したいと考えています。温かい日常から深い考察、大胆な革新から繊細な感情描写など、あなたが描いた独創的な作品を編集部はお待ちしております。

 

以上はすべてヒントになります。束縛されずに、自由に想像力を発揮し、作品を作ってみましょう。斬新なアイデアを取り入れた作品も大歓迎です。既存の流行に囚われない作品作りをお待ちしております。 皆様のご投稿を楽しみにしています。

 

 


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