すでに作家としてスタートを切っている方々に、作家生活についてのさまざまなお話を聞く「ネオページ・インタビュー」。
今回は、読者との交流で幸福感を得る「季未」さんにお話を伺いました。
ーーまず、自己紹介をお願い致します。
季未 初めまして、季未(きみ)と申します!
普段はお客様のご要望に沿ったオーダーメイドの小説を執筆させて頂く仕事をしております。
様々なジャンルの経験がありますので、仕事で培ったスキルが読者様の楽しみになっていただければ幸いです。
今回、ネオページ様にて『最強英雄の異世界復活譚 ~寿命で一度死にましたが不死鳥の力で若い姿で蘇り、異世界で無双する~』という作品の連載をさせていただく次第となりました。
私は所謂ファンタジー転生小説ものが大好きで、様々な作品を読ませて頂いておりました。
ですので、私の持つ知識を作品に反映していければと考えております。読者様に楽しんでいただけるよう、全身全霊で執筆に勤しむ所存です!
ーー小説家を目指すきっかけは何でしたか?
季未 20年程前でしょうか……。
当時『2ちゃんねる』(現5ちゃんねる)という掲示板サイトの中の板、『ニュー速VIP』という場所で小説を投稿するという文化が流行りました。
アスキーアート(その時代は顔文字ですが)を用いた小説で、スレッドを立ててそこに1レス1レス小説を投稿していくというものです。
それまで小説というものに興味もなく、読んだこともない私でしたが、これが面白そうだと感じて読んでみたのが小説との出会いでした。
当時はネットの黎明期で、誰でも何でも気軽に投稿して、どんなに馬鹿げたものでもそれを許容する雰囲気がありましたので、私も気軽に投稿してみました。
今考えると小説とも呼べない稚拙な文章であり、恥ずかしいの一言です。
ですが、そのスレにレスをしてくれた方達や読者になってくれた方々が私の小説を面白いと言ってくれました。
それが嬉しくて、私は小説の投稿を続けていきました。掲示板だからこそ読者様との距離が近く、私の未熟な創作物を楽しんでくれている方々のコメントが本当に嬉しかったです。
その読者様との交流で得られる幸福感こそが、私が小説家を目指そうとしたきっかけだったと思います。
ーー執筆活動において影響を受けた作家や作品はありますか?
季未 榎宮祐先生の『ノーゲーム・ノーライフ』という小説です。
魅力的なキャラクターやゲームでの推理戦もさることながら、その世界観が私に大きな影響を与えてくれました。
人間以外の色々な種族がひしめき合う他種族、過去に壮絶な争いが繰り広げられた世界、種族を超えた絆や愛、そういったもの全てが私の書く世界の根幹となっています。
なので私の小説には、よく(ほぼ100%)他種族が出てきます(笑)
それと、ココナッツ野山先生の『ギスギスオンライン』という小説にも大きな影響を受けました。
とても独創的な雰囲気とキャラ同士のやり取りは私の固定観念を見事に打ち砕いてくれました。
考えさせられるような場面や設定も豊富で、今でも何度も読み返して勉強させていただいております。
ーーこれまでにどれくらいの作品を書かれましたか?特におすすめの作品とその理由を教えてください。
季未 短編も含めれば、100以上の小説を執筆したと思います。ただ、長編小説は20程度でしょうか。
少し文章を長くしてしまう癖があるのですが、長編の構想を練っている間に短編で生活費を稼げと神様が囁いてくるのです(笑)
特におすすめの作品は、やはり今ネオページ様にて連載中の
『最強英雄の異世界復活譚 ~寿命で一度死にましたが不死鳥の力で若い姿で蘇り、異世界で無双する~』
です。
この物語は英雄であるアドリアンが別世界に転移(憑依)して、無双するという分かりやすい設定なのですが、その裏にはアドリアンの壮絶な過去が隠されており、ストーリー展開に起伏をつける要素が多く詰まっています。
ただ転移するだけではなく、老人の魂が青年の身体に憑依するというユニークな設定も、この作品の魅力の一つになっています。
この作品の一番の魅力はやはり主人公であるアドリアンの性格でしょうか。ただ力で問題を解決するのではなく、時には知恵を絞り、時には人情味に溢れ、時に機転を利かし、そして時には仲間と手を取り合って困難に立ち向かう。そんな人間臭いアドリアンがとても魅力的なのです。
中身が老人であることを活かし、他のキャラクターを先導するメンター的な存在でもあります。
是非とも、読んでみてください!
ーー自作の魅力はどこにあると思いますか?
季未 自分で自分の魅力をお話しするのは少し気恥ずかしいですが、文章を叙情的に仕上げている部分でしょうか。
作品の雰囲気を盛り上げる為、読み手の皆様に情景を想像していただけるよう心掛けています。
臨場感溢れる戦いのシーンを詩的に描写する部分は特に力を入れている部分です。
私の書く小説は、基本的に『異世界』が舞台となります。なので、その世界観に合った表現を心掛けています。
それと、作品ごとに全く別の文体を使い分けることが得意なのも自身の魅力の一つかもしれません。
ーー今回の作品で、読者に特に注目してほしい点は何ですか?
季未 やはり、主人公であるアドリアンとヒロインであるメーラの関係性でしょうか。
最強で無敵で欠点無しのアドリアン(皮肉っぽいですが……)と違いヒロインであるメーラは欠点だらけの少女です。
人見知りで、地位も力もないただの魔族の少女。しかし、彼女はアドリアンに導かれるようにして、次第に成長していきます。
主人公はアドリアンなのですが、もう一人の主人公はメーラと言ってもいいかもしれません。
それと、キャラクター同士の掛け合いにも力を入れています。読者様を飽きさせないように、会話文ではキャラクター同士の関係性や人柄がよく表れるように心掛けています。
特にアドリアンは皮肉っぽく、メーラは子供っぽい性格にしていますが、その会話はどこか微笑ましいものがあります。
アドリアンとメーラの掛け合いから、この二人のやり取りを好きになっていただけたら幸いです。
ーー執筆に対する情熱が途切れたことはありますか?また、その際はどのように自分を励ましていますか?
季未 仕事で、同時に10作品を並行して執筆せざるを得ない状況になった時は流石に心が折れ掛けましたね(汗)
そんな時は、読者様からのコメントを眺めて癒されています。私の場合、小説を書く原動力というのは読者様の感想です。
自分の書く文章で、誰かが喜んでくれたり楽しんでくれるのなら、それだけで私は頑張れてしまいます。不思議なことに……。
音楽の力を借りることも多いです。音楽を聴きながら小説を書くと、不思議とインスピレーションが湧いてきます。
壮大な音楽を聴くと、その情景が頭の中に浮かんでくるのです。ある意味、音楽を文字に変換しているのかもしれません。
後は、他の作家様の作品を読むと良い刺激になります。ネオページ様で掲載されている他の作家様の作品を拝見させていただくと、美しい表現や独創的な設定に目から鱗が落ちる思いでやる気が漲ってきます。
ーー同時に更新しているもう一つの作品は異世界恋愛で、作風の幅が広いですね。実際のところ、自分が最も得意とするジャンルは何だと思いますか。
季未 お恥ずかしい話ですが、私は流行の作品が大好きでありまして、古くは異世界転生、最近では悪役令嬢ものやロマンスファンタジーなどの女性向けの作品をよく拝読させていただいております。
女性の方が描く文章はとても繊細で、時に可愛らしく、時に美しく、読む度にその魅力にとりつかれてしまいます。
私もそういった作品を書いてみたいと思い至り、『異世界恋愛』女性向けの作品も執筆させていただいております。
ただ私は男性ですので、やはり男性の視点から見た女性の描写や心情の機微はどうしても完全には理解出来ません。
いつの間にか主人公のお姫様が剣を取って戦っていたりするので……(笑)
なので、現在執筆仲の
『エルフの姫様に転生したので、異種族との政略結婚を回避しながら平和な森ライフを目指します』
は男性も女性も楽しめるロマンスファンタジーというジャンルで執筆をしております。
一方で、私が一番得意とするジャンルは異世界転生ものでしょう。
今でこそ異世界転生というジャンルは当たり前となっていますが、初めて見た時は衝撃的でした。
主人公が異世界に転生して、チートなスキルを駆使して無双していくという構図は私には斬新で、一気に引き込まれました。
異世界転生ものの魅力はやはり自由度の高さにあると思います。
特に、この『最強英雄の異世界復活譚』は今までの執筆活動の中で一番自分がやりたい内容に出来上がっているので、書いていて本当に楽しいです。
ーー執筆中で最も楽しい瞬間はいつですか?
季未 そうですね。執筆中に物語の構想を考えている時にセレンディピティ(偶然の閃き)により、アイデアが浮かんだ時はとても興奮して居ても立っても居られなくなります。
私は基本的に書きたいシーンが浮かんでからそのシーンを基点に話を展開していくタイプなのですが、そのシーンが浮かんだ時の喜びは計り知れないものがあります。
そのシーンが浮かんでから、それをどう肉付けしていって、最後にどう締め括るかを考えるのが本当に楽しいです!
ーー長編作品を執筆する際に最も挑戦的だと感じることは何ですか?その際にどのような対策を取っていますか?
季未 短編と違い、何十万文字もの文章を執筆しなければなりませんので、その膨大な文章を如何にして面白くするかという部分が一番苦労する点です。
物語の展開や登場人物達の心情描写を詳細に執筆していかないといけないので、読んでいて退屈に思われないだろうか……という不安は常に付き纏いますね。
なので長編を書く時はそういった部分を特に意識しております。「これは面白い!」と思っていただけるシーンを、中だるみせずに執筆していくことを心掛けています。
また、長編は登場人物が多いので、それぞれのキャラクターに深みを持たせて、読者様に愛着を持ってもらえるようにしています。
ただ、その反面で少し説明臭くなってしまうのが難点ですね……(汗)
そういった場合は会話文でキャラクターの個性を出すことでカバーしているつもりです!
ーー日常生活と執筆活動のバランスはどのように取っていますか?一日のうち、どれくらいの時間を執筆に割いていますか?
季未 日によってムラがありますが、基本的にご飯、散歩、お風呂、就寝以外の時間は執筆をしています。
納期が迫っている時は一日12時間ほどPCで文章を書いていますが……あまり執筆しすぎると脳が疲れてしまいクオリティが落ちてしまうので、そこは気を付けています。
後はそうですね、働こうと思えば何時間でも、何日でも働けるのですが敢えて働かない日を作り休息を心掛けています。
そうでもしないと日常=執筆のような感じになってしまい、身体がボロボロになりますので……(汗)
ーー周囲に執筆活動を支えてくれる、または応援してくれる人はいますか?
季未 身近にいる家族が本当に私の支えです。どうしても時間が足りない時に校正作業をお願いすることもあるのですが、嫌な顔一つせず引き受けてくれます。
それに、執筆は一人で行わなければならないので孤独との戦いでもありますので、そんな時に家族が一緒にいてくれると本当に心強いです。
そして、ネオページの担当編集者様とのやり取りもまた、私の執筆活動を支えてくれる大きな要素となっています。
私よりも遥かに造詣が深い、業界のプロの方からのアドバイスは本当に勉強になりますし、私一人というよりも、担当編集者様と二人で作品を作り上げているという気持ちでおります。
私の作品を応援してくださる担当編集者様をはじめ、編集部の皆様には本当に感謝しております。
ーー作品を読んで応援してくれるファンに向けて、どのような言葉を贈りたいですか?
季未 いつもお読みくださりありがとうございます!
読者様のおかげで『最強英雄の異世界復活譚』の執筆を続けられています!
どのように書いたら皆に驚いて貰えるかな、感動して貰えるかな、と考えながら書くのは楽しいです!
これからも読者様に愛して貰えるような面白い作品を書いていきたいと思いますので、今後とも応援の程宜しくお願い致します!
ーー今後どのような作品を書いていきたいと考えていますか?
季未 多くの人に読んでもらえるような、目新しいジャンルに挑戦してみたいです。
ただ、あまり奇をてらった作品を書いてしまうと読者様を置き去りにしてしまうかもしれませんので、その辺りのバランスには気を付けたいですね。
何も考えずに私の趣味全開で物語書くと、とんでもない作品が出来上がりそうですので……(汗)
男性にも、女性にも面白いと思って貰えるような作品を書けるように日々精進していきたいと思います!
ーー小説家としてのキャリアで達成したい目標は何ですか?
季未 やはり出来るだけ沢山の読者様に愛される作品を書いていきたいです!
そしていつか、私の書いた小説で日本中を感動の渦に巻き込んでみたいという野望を抱いております(恥)
その為にはより多くの読者様にお読みいただけるような作品を執筆し続けなければなりませんので、これからも執筆活動に励んでいきたいと思います!
ーー「ネオページ」に対してどのような期待を抱いていますか?
季未 小説家になろうとする人の為に、また小説家として活動し続ける人の為に、運営様・編集部様とユーザーの距離が近いのはとても良いなと思います。
金銭的な問題や、時間的な問題で小説家を諦めてしまう人が多い中、「小説家」と「読者様」を繋げる場があるというのはとても素晴らしいことだと思いますし、是非とも沢山の小説家の卵達が羽ばたいていけるようにサポートしていただきたいです。
それと、日本だけではなく様々な国・言語圏の人に向けて海外への展開も期待しています。
昨今は海外から日本の小説を読む人も増えてきていると思うので、その人達に届くようにもっと世界が「小説家」で賑わっていけば良いなと思います!
それとそれと(欲張りでごめんなさい!)、書籍化というのは小説サイトに投稿している人たちの目標ではありますが、その次のステップのコミカライズや、他メディアへの展開もスムーズに行えるようなバックアップ体制を充実させてほしいです。
そうすることで、ネオページ様で連載すれば多くの人に見て貰える!と思った作家様がもっと気軽に連載出来て、より良い作品が生まれる土壌が整うのではないかと思います。
小説家になろう様やカクヨム様を始めとした色々な小説投稿サイトがありますが、ネオページ様には独自の魅力を是非に伸ばしていって欲しいです!
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季未 異世界ファンタジー | 冒険・バトル 連載中·17話·100,863文字 最初から読む